#70 Article 6050 Posted at 1997/08/27 23:50:43 by みりす (MAP6909) [PORINFANO]
Subject: Re: 読書日記です(児童文学とファンタジー中心) /6003
キンダーお話絵本傑作選32
「キラキラ」やなせたかし/絵・文(フレーベル館)
小さい子むけの絵本。幼稚園か保育所で読んだって人もいるんじ
ゃないかな(世代が違いすぎたりして)。
ある高い山のふもとの村にキルとキリという兄弟がいました。兄
のキルは弓の名手で弟のキリは棒の名手でした。そして、高い山の
上にはキラキラと呼ばれるひとつ目の化け物が住んでいて、人々に
恐れられていました。
ある日弟のキリは、兄に内緒でキラキラを退治しに行ってしまい
ます。心配した兄は弟を追って山に登って行くと、化け物が弟に襲
いかかろうとしているのに出会います。兄は持っていた弓を引き絞
ってキラキラめがけて放つのですが……
わたしが小さい頃には全国の幼稚園などに配本されてるキンダー
ブックというお子様むけの雑誌がありました。たぶん今でもあるん
じゃないかと思います。その雑誌の副読本みたいな絵本が「キンダ
ーお話絵本」というらしいのです。わたしが通ってた幼稚園のお教
室(名詞の前に「お」や「ご」が付くのは幼稚園言葉のお約束なの
だ(笑))にもお話絵本がたっくさん置いてありました。「キラキラ」
はその中の1冊です。
数ある絵本の中で、これは誰もが奪い合って読んだ大人気の絵本
でした。これを読んで泣かなかった幼稚園児はいないのではないか
というほど、当時としては感動的な本だったのです。
兄キルの放った矢はあやまたず化け物に当たるのですが、実はこ
の化け物、弟に襲いかかろうとしてたんじゃなく、毒蛇に咬まれた
キリを介抱しようとしてたんです。
キラキラは何かの理由で地球に取り残された宇宙人で、村人たち
は異形のキラキラを化け物だと言って恐れていましたが、キラキラ
のほうでも見慣れない地球人を化け物だと思って山奥に潜んでいた
だけでした。
……まあ、今となってはお約束のストーリーですけどね(^^; 実
際、今読み返したら、昔ほど悲しくもなかったし、泣けもしなかっ
たんですよねー。記憶のなかですっかり美化されまくってて、絵も
文章ももっと美しく悲しいもののような気がしてました。
それにしても、これがやなせたかしの本だったってのは驚きです。
さすがに幼稚園児じゃあ作者の名前で本を選ぶなんてことはしてな
かったはずですが、有名になる人の本には自然と注目が集まるもの
なんですね。小学校に入ってからも学級文庫の「アンパンマン」に
人気が集まってたっけ。
ちなみに、わたしが通ってた幼稚園では、卒園式の日にお教室の
ご本(しつこい)をみんなで2冊づつ持って帰っていいよってこと
になったんですが、なんせ早い者がちで好きな本を選ばせたものだ
から大変。みんなで「キラキラ」に殺到し……結局、いちばん活発
でガキ大将クラスの男の子がかっさらって行ってしまいました。そ
の子は今でもあの本を持ってるのかなー。
「キンダーお話絵本」自体は雑誌の別冊みたいな扱いでしょうし、
もう二度と見られないだろうなーと思ってたんですが、ちゃんと傑
作選として出版されてたんですねー、ちょっと感動。まあ、やなせ
たかしの本なら、そうでなくてもいずれ復刊される可能性もあった
んでしょうけどね。
みりす