#70 Article 5327 Posted at 1996/04/21 01:10:51 by しっぽ(☆) (MAP2611) [ZAPPA]

Subject: 彼女が髪を切った理由

やっと買えました(^^;)

登場人物の感情の起伏の描写がやっぱり素晴らしいですね。
泣きながら髪を切るところは、思わずじーんとなっちゃって
しばらく挿絵と本文に見入ってしまいました(^^;)
果林が自分の長い間の勘違いに気付いてちょっと笑いそうになった後
泣き出しちゃう所なんかもかなりキましたし、
こういう胸が締め付けられるようなというか、作中の表現を使えば
「胸がきゅうんっ☆となるみたいな」感じってのは、本当に雑破さんの小説を
読んでるときに特有なものですね‥‥
なんていうか、自分が過去に置き忘れてきたものを取ってきて見せてくれるような。

ただ、どうしても気になったのが、ヒロインのはずの果林の描写がなんか
中途半端なような気がして仕方が無いことです。
最初の回想シーンと、指輪と髪どめに見入るシーン、あとラスト、それ以外では
ろくに描写されてもらってないような。

前後編を通して見返してみるに、話の筋はざっとふた筋に分かれています。
えっちな方面と、らぶらぶな方面と。
その二つが、なんか完全に分離してしまっていて相互に関連がないように思えます。
前編で、修作が素っ裸で果林の部屋に飛び込んでしまう、というエピソードが
唯一の例外ですが、このエピソードは結局そのまんまでほったらかしで、その後
どうとなるというわけでもないし・・・

最後に果林は、自分はもう修作に一つも嘘を持ちたくないということで過去の過ちを
告白する訳だけれども、じゃあ修作の方はどうかといえば、絶対に告白できない
過ちをその数ページ前に山ほど犯してしまってる訳で、果林から見た修作の
人間像が実際以上に美化されているのではないかという気がするのです。

修作が果林から指輪を返してもらってから改めて果林にその指輪を渡すまでに
もっと時間がかかってもよいように思えるし、その間に幾つかのエピソードを
はさめば、修作のキャラクターがえっちなシーンとらぶらぶなシーンで2通りある
ような2重構造を解決できたのではないか、と考えが至るに、エピローグで果林の
ダイアログとして処理されているその後の高校生活ってのは、本来はきちんと
描写するつもりだったのが、ページ数が足りなくなってしまって省かれたのでは
ないだろうか‥‥なんていう邪推も浮かんできてしまって(^^;)

いや別に、果林ちゃんのえっちも見せろと言ってる訳じゃなくて‥‥
いや‥‥そういう意味なのかなあ。えっち小説においてヒロインのえっちシーンが
無いってのは考えてみれば妙な話だしなあ(^^;)

けれども、ぐちゅぐちゅのえっち話とプラトニックならぶらぶ話を両立させる
なんていう無茶をしていて、冷静に考えると登場人物の性格が2重化してても
おかしくないのにもかかわらず、キャラクターの実在感がしっかりと確立していて
感情移入出来るのは何故かと考えてみると‥‥
牛乳を飲んだ後のコップを軽く洗って水切り篭に入れるとか、
「オヤツは戸棚の中」の書き置きに心和むとか、そういう何気ない日常の仕草が
適宜書き込まれていて、登場人物の存在に現実感が感じられるようになってる
からなんでしょうね‥‥

        久々に恥ずかしい感想を書いちった しっぽ☆

あと、もう一つ言わせてください。
本文に全部、見出ミンを使うのは勘弁して(^^;)
せめて太ミンにして、最初に登場した人物名とか重要な部分だけに
見出ミンを使うとかすれば‥‥全部が全部、見出ミンっていうのは、
最初にページ開いた時はもう‥‥気が狂うかと思った(^^;)