#70 Article 4086 Posted at 1994/12/27 08:48:26 by 西形きみかず (MAP3788) [TOJOUREI]

Subject: 12月の東京都指定不健全図書リストです

以下が12月分の東京都条例による指定図書(など)です。前回は過去
数年の例を遥かに上回る大量指定となりましたが、今回も同様の指定
件数となっています。
東京都の姿勢に、何か変化があったのでしょうか…?

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東京都告示 第千四百二十五号 (1994年12月26日告示)

1.図書類

指定番号          名称および号刊(発行所)         指定理由

 2825 『マスカットノート』                   「性的」
              一九九五年一月号        (大洋書房)

 2826 『リップ・スペシャル』
           アップル写真館 一九九四年十二月増刊号    「性的」
                       (三和出版)

  2827 『レモンノート』
      投稿ドッキリ写真 一九九四年十二月増刊号   「性的」
                        (明文社)

  2828 『素人わんさかマガジン』VOL.2
           ビデオザワールド 平成七年一月号増刊       「性的」
                       (白夜書房)

 2829  『素人ナンパ通信』Vol.3
           TOKYOナンパ倶楽部                    「性的」
       一九九四年十二月号増刊     (ラン出版)

◎2830 『コミックジオトピア』
           コミック花いちもんめ 平成六年十二月号増刊 「性的」
                          (メディアックス)

◎2831 『カイザーペンギン』
           コミックペンギンクラブ山賊版         「性的」
              一九九四年十二月号増刊   (辰巳出版)

◎2832 『ヤングジャンボ』                            「性的」
               一九九五年一月号       (桃園書房)

◎2833 『レモンピープル』                            「性的」
                 一九九五年一月号    (あまとりあ社)

◎2834 『シュベールコミック』
           スーパーギャルズ・ナウ                     「性的」
       一九九四年十二月号増刊
                                   (シュベール出版)

2.ビデオテープ又はビデオディスク

指定番号     題名(製作者等)                      指定理由

  88  『猥褻体験』   (グリム・プランニング)  「性的」「残虐」

  89    『いやよ、いやよは好きのうち』       「性的」「残虐」
                        (VISUAL・ONE)

  90    『悪魔のような女子校生』  (ライダー)  「性的」「残虐」

注.指定理由の「性的」は「著しく性的感情を刺激し」、「残虐」は
  「甚だしく残虐性を助長し」を意味する。文面ではその後に
   「青少年の健全な育成を阻害するおそれがある」が入る。
  なお「◎」はコミック誌。

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・注意点、コメントなど

 今回の注目は、先月に続くその指定数の多さでしょう。しかし、コミッ
 ク誌が大量の指定となったことは、要注意です!

 これまでのケースですと12月には「小委員会」による不健全指定が行わ
 れていましたが、今12月には逆に「小委員会」指定は行われませんでし
 た。従って前回は月イチの指定とこれを併せた結果、指定件数が多くな
 っただけなのでは…ということも正直、思ってました。
 今回、先月と同様の大量指定が続いたことで、そういう甘い観測は消滅
 した…と考えてよいでしょう。

 今回、私たちが注目しなければならないのは、コミック誌で指定された
 ものが5件に及んだことだと思います。
 中身を見ると『ジオトピア』『カイザーペンギン』は創刊直後以来で今
 年2回目、『ヤングジャンボ』『レモンピープル』『シュベール』も、
 やや指定される頻度が高いかなぁ、という気もします。つまり比較的、
 頻度の高い雑誌が総じて指定をくらった…という印象です。(なお『ジ
 オトピア』は先月指定となった『花いちもんめ』の増刊でもあります。
 この場合は確か「2回連続」の扱いになったような…。)
 それにしてもこういう大量指定が起き、続いた場合、さすがにちょっと
 事情を調べに、都庁に話を聞きに行く必要があるかも知れません。

 今回はコミック誌の陰に隠れてしまいましたが、投稿写真誌の指定は相
 変わらず多いです。最近のこうした雑誌への東京都の厳しい姿勢には、
 やはり何らかの意図があるのでしょう。また『マスカットノート』も、
 さらに指定回数を重ねました。
 コミック誌と投稿写真系誌がこれからしばらく、主な指定対象になるの
 かも知れません。注意してください。

 警察・東京都といった発信源に違いはあれ、猥褻/青少年条例問わずの
 最近の性表現に関する規制強化の事態全体を考えると…、何か『重大な
 事態』が発生しつつあるような懸念を、やはり感じざるを得ません。
  実は幕張シティ中止の一件すらも、大きな意味では警察による新たな攻
 勢の前触れだった可能性すらあります(あくまで可能性、ですが…)。

  前々回から、コミック誌の増刊についても印を付けることにしています
 (今回はなし)。これは出倫協の自主規制基準上、増刊誌は本誌と同等の
 扱いとなるためです(本誌→増刊誌→本誌、の順に指定されても3回連
 続扱いとなる)。

・転載について(前回と同じ)

 これは公文書からの転載であり、著作権法の適用も全くないので、幾ら
 でも転載していただいて結構です(というより、ぜひ行って欲しい)。
 なお、この説明文の転載も全く構いません。ただ「どの位のネットに
 広がったか」を知りたいので、できればその際に(後からで構いません
 ので)連絡いただければ幸いです。

 ついでに印刷して、FAXで回したりなさるのも歓迎です。
 行政が「こういう指定を毎月だしている」事実を世に知らしめることが
 重要ですから。

・都条例の特殊性について(前回と同じ)

 東京都条例による指定は、最大手の出版自主規制団体である「出版倫理
 協議会」(出倫協)の適用基準となっています。
 具体的には雑誌の場合「3回連続」もしくは「過去一年間に5回以上」
 の指定を受けた場合、書店への出荷が大幅に制限されることとなるわけ
 です(他の道府県の条例で指定された場合は、参考として扱われる程度
 で、即座に影響が出ることはまず、ない)。
 ただし他道府県の条例では、指定の対象となった雑誌が県庁に呼ばれる
 ことはありませんので、その意味では条文内容の緩やかさに比べて、実
 効性が強いともいえます。

・他道府県との比較(前回と同じ)

 一概にはいえませんが、東京都条例による図書の指定件数は他県と比べ、
 少な目です(例えば大阪府では月に二回、一回あたり約20点が指定さ
 れています)。前に聞いた話では千葉県や大阪府などの悪名高い「包括
 指定」などとは異なり、かなり慎重に審議、または審査している様子で
 した(非常に意外なことではありますが)。
 もっとも慎重に審議するからこそ、自主規制基準としての意味があるわ
 けで、上に述べた「出倫協」との間に、一種の紳士協定のようなものが
 あるのではないか、と考えられます。

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 指定についての感想やご意見など、お待ちしています。

 次回の告示がなされるのは、1月下旬の予定です。但し随時「小委員会」
 による指定が出される可能性があります。

                        西形 公一

                             (「有害コミック」問題を考える会
                     ・マンガ部会 事務局長)


*今回は特に、各方面への転載を強く要請します。