#70 Article 3953 Posted at 1994/12/02 04:19:28 by 西形きみかず (MAP3788) [TOJOUREI]
Subject: 11月の東京都指定不健全図書リストです
以下が11月分の東京都条例による指定図書(など)です。今回は
過去数年の例を遥かに上回る、大量指定となりました
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東京都告示 第千三百五十四号 (1994年12月1日告示)
1.図書類
指定番号 名称および号刊(発行所) 指定理由
△2815 『TOKYOお元気ギャル』Vol.8 「性的」
漫画エロトラブ 一九九四年十一月号増刊
(蒼竜社)
△2816 『素人ナンパ Special』Vol.2
漫画アイドル 一九九四年十一月号増刊 「性的」
(辰巳出版)
2817 『投稿ドッキリ写真』
一九九四年十二月号 (明文社) 「性的」
2818 『アップル写真館』
一九九四年十二月号 (三和出版) 「性的」
2819 『GAL'Sシャワー』VOL.2
ザ・ビッグマガジン 一九九四年十二月号増刊 「性的」
(大洋書房)
2820 『投稿ZOOM-UP』
一九九四年十二月号 (ビデオ出版) 「性的」
2821 『ナンパネット天国』VOL.1
投稿ZOOM-UP 平成六年十一月増刊号 「性的」
(ビデオ出版)
2822 『お元気生写真』Vol.3
SAMSON 平成六年十二月増刊号 「性的」
(ビデオ出版)
◎2823 『コミック花いちもんめ』
一九九四年十二月号 「性的」
(メディアックス)
◎2824 『アマン』
Cute 平成六年十一月十五日増刊号 「性的」「残虐」
(ワニマガジン社)
2.ビデオテープ又はビデオディスク
指定番号 題名(製作者等) 指定理由
85 『セーラー服レイプ志願』 (レイバー) 「性的」「残虐」
86 『ジンジンさせて』 (ウーマン企画) 「性的」「残虐」
87 『女子校生レイプパニック』 (レイバー) 「性的」「残虐」
注.指定理由の「性的」は「著しく性的感情を刺激し」、「残虐」は
「甚だしく残虐性を助長し」を意味する。文面ではその後に
「青少年の健全な育成を阻害するおそれがある」が入る。
なお「◎」はコミック誌、「△」はその増刊(コミック誌の扱い)。
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・注意点、コメントなど
今回の注目は、何といってもその指定数の多さに尽きます!
私たちが都指定不健全図書を調査し始めてから3年になりますが、一回
にこれほど多くの図書が指定を受けた例は記憶にありません! 普段は
3~5冊程度ですので、ほぼ倍以上となります。
そのせいであるかは分かりませんが、今回も指定の公表が遅れました。
本当はいったい、どういった理由からでしょう?
今回、コミック誌で指定されたのは再三となる『花いちもんめ』、久々
のレディース誌となる『アマン』でした。『花いち』は過去の例を見て
も、他のコミック誌に比べ非常に高い頻度で指定を受けています。『コ
ミックパソコンパラダイス』(休刊)も含め、メディアックスの雑誌は指
定頻度が非常に高い…ともいえますね。
今回の大量の指定となった中でも、投稿写真誌の指定は相変わらず多い
です。最近のこうした雑誌への東京都の厳しい姿勢の背景には、何らか
の意図があるのかも知れません…と前回まで書いてきましたが、ここま
であからさまに狙い打ちにされると、もはやその意図は露骨ですね。
特に『スコラ』(スコラ)『Beppin』(英知出版)などに対し、記事
内容や掲載写真の猥褻(刑法)関係で警察の手が入った直後であるだけに、
要注意です。最近は他にも『ニャン2倶楽部』(白夜書房)にも警察の手
が入っています(これは裏生写真の通信販売を誌上で募集した件に関する
「猥褻物頒布の幇助」ですが…)。
警察・東京都といった発信源に違いはあれ、猥褻/青少年条例問わずの
今回の「性表現」に関する規制強化の事態全体を考えると…、
何か『重大な事態』が発生しつつあるような懸念を感じざるを得ません。
実は幕張シティ中止の一件すらも、大きな意味では警察による新たな攻
勢の前触れだった可能性すらあります(あくまで可能性、ですが…)。
前回から、コミック誌の増刊についても印を付けることにしています。
これは出倫協の自主規制基準上、増刊誌は本誌と同等の扱いとなるため
です(本誌→増刊誌→本誌、の順に指定されても3回連続扱いとなる)。
・このリストを公表する意図について(前回に一部修正)
一部のネットで疑問が呈されましたので、お答えします。
正直に申しましてこの問題への「関心」を、少しでも多くの方に持って
もらいたい…そのきっかけにして欲しいのです。それが興味本意、いわ
ゆるところの「おたく的」関心でも、構わない。関心を持たれないより
何倍マシか知れませんから。知らなければ、何も起きませんし、起こせ
ません。でも知っていれば、議論か何かのきっかけになる可能性がある
じゃないですか。
同時に「公共」がこうした指定を行うことの馬鹿馬鹿しさを、ぜひ考え
てほしい。個人の問題であるはずのところに行政が介入し、判断を加え
てしまうことの意味を…そしてそのこと、個人の内面に行政が立ち入る
ことには、どういう意味があるのか。
他にも指定されたものを実際に見て欲しい、というのもあります。行政
がどういった基準で何をしているのか、自ら確かめていただく。それに
よって条例の愚劣さを肌で感じることになるでしょう。別にその月でも
っとも猥褻な雑誌、が指定されるわけではないのですから…そもそもそ
ういった判断が無意味ですし。
(最近の報道によると、国会図書館では都が指定の際、実際に付箋や書
き込みを付けて作業した図書雑誌類を限定公開し始めたようですが)
・転載について(前回と同じ)
これは公文書からの転載であり、著作権法の適用も全くないので、幾ら
でも転載していただいて結構です(というより、ぜひ行って欲しい)。
なお、この説明文の転載も全く構いません。ただ「どの位のネットに
広がったか」を知りたいので、できればその際に(後からで構いません
ので)連絡いただければ幸いです。
ついでに印刷して、FAXで回したりなさるのも歓迎です。
行政が「こういう指定を毎月だしている」事実を世に知らしめることが
重要ですから。
・都条例の特殊性について(前回と同じ)
東京都条例による指定は、最大手の出版自主規制団体である「出版倫理
協議会」(出倫協)の適用基準となっています。
具体的には雑誌の場合「3回連続」もしくは「過去一年間に5回以上」
の指定を受けた場合、書店への出荷が大幅に制限されることとなるわけ
です(他の道府県の条例で指定された場合は、参考として扱われる程度
で、即座に影響が出ることはまず、ない)。
ただし他道府県の条例では、指定の対象となった雑誌が県庁に呼ばれる
ことはありませんので、その意味では条文内容の緩やかさに比べて、実
効性が強いともいえます。
・他道府県との比較(前回と同じ)
一概にはいえませんが、東京都条例による図書の指定件数は他県と比べ、
少な目です(例えば大阪府では月に二回、一回あたり約20点が指定さ
れています)。前に聞いた話では千葉県や大阪府などの悪名高い「包括
指定」などとは異なり、かなり慎重に審議、または審査している様子で
した(非常に意外なことではありますが)。
もっとも慎重に審議するからこそ、自主規制基準としての意味があるわ
けで、上に述べた「出倫協」との間に、一種の紳士協定のようなものが
あるのではないか、と考えられます。
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指定についての感想やご意見など、お待ちしています。
次回の告示がなされるのは、12月下旬の予定です。但し上旬に
「小委員会」による指定が出される可能性があります。
西形 公一
(「有害コミック」問題を考える会
・マンガ部会 事務局長)