#70 Article 1828 Posted at 1993/01/22 22:39:06 by ASA (MAP2105) [HERO]
Subject: 平松洋「ヒーローの修辞学」
ウルトラマンと仮面ライダーとガンダムという異なる3作品からヒーローを考 察するという試みはありそうで意外になかったということで、面白そうだと思っ たのですがいかんせんこの本は文章が難解過ぎる。しかも「子供番組を真面目に 論じる」照れからか、読んでて放り出したくなるようなだじゃれ的展開が散見さ れる。 といって、読む価値がまるっきりないわけでもない。JICCの「怪獣学入門」で はシナリオライター金城哲夫個人を通して、「ウルトラマン」一作についてのみ 考察されていた『ウルトラマン=安保論』をウルトラマンシリーズ全作品につい て検証し、ウルトラマンがアメリカ本土では日本ほど受け入れられず、むしろオ ーストラリアやタイといった国々で受ける理由まで考察した第1章の3「ウルト ラマンの社会的深層構造」は興味深い論文だし、ガンダム論である第3章はなぜ ガンダムがウルトラマンや仮面ライダーと全く違う構造と展開を持つのかという 積年の疑問をみごとに解き明かしてくれました。 しかし。かように変身ヒーロー、ロボットアニメというものが社会を映し出す 鏡として作用するならば、ぜひ「セーラームーン」と「ドラゴンボールZ」につ いても考察して欲しいところです。なんとなれば、ぼくにはこの2作品がどうし て受けるのかまったく理解できないゆえに、その人気の秘密に好奇心をそそられ るから。 ASA