#7 Article 808 Posted at 1989/08/26 04:00:29 by ISAM (MAP1129) [AJIKKO]

Subject: Re: Re: げらげらげら・・・ /806 /805

まあ、ろくでもないですが、こんな感じでしょうか?

<<味に不可能なしっ!>>

□デリー、有名ホテル・レストラン
  山岡たち、シェフに勧められ、カレー料理を食べ、その味に感嘆する。
シェフ「まず今作った鶏のカレー。そして子羊のドゥム・プクトゥ。こっちは子羊の脚
 につめ物をしてパイ皮で包焼にしたものです」
山岡「いただきます」
二木まり子「まずは、鶏のカレーから」
栗田ゆう子「まあ、素晴らしいわ。色々な風味が複雑に豊かに調和しているから、辛さ
 だけを感じることはないのだわ」
山岡「ううむ・・・洗練された味だ」
まり子「こっちの羊の脚。肉の繊維の一筋一筋に旨味がからまりついているのね!」
近城勇「ひいいいっ~、こんな羊の脚ならいくらでも喰えるぞオ」
  シェフ、山岡たちの食事をにこやかに眺めていたが、ふと顔を上げたときに何事か
  に気がつく。
シェフ「おおっ」
  入口の方に駆け寄るシェフ。
  なにごとが起こったかと茫然とする山岡たち。
  ゆう子、シェフの行き先に目をやり、驚きの声を上げる。
ゆう子「あっ!」
  レストランの入口に立つ人物、それは・・・
ゆう子「海原雄山が!」
  山岡の顔のアップ。険しい顔になっている。
  海原雄山に駆け寄るシェフ。
シェフ「ようこそ、いらっしゃいました。おひさしぶりです」
雄山「ごぶさた、しました。シェフはますます御活躍のようで・・・」
シェフ「ありがたいことに、いつも大勢のお客様が・・・」
  雄山、店内に目をやり、山岡たちに気がつき。ピクリと片眉を上げる。
雄山「ほほう・・・日本からシェフの料理を盗みに来ている、盗っ人がいるじゃないで
 すか」
山岡「なにっ!」
まり子「まあ、盗みにだって!」
ゆう子「あんまりだわ」
シェフ「いえ・・・あの方たちは、弟子の友人でして。カレー料理の真髄を知りたいと
 言われるので・・・」
雄山「ふん・・・インドのカレー料理の真髄をだとぉ」
  山岡のそばへと進み出る雄山。
雄山「至高と究極の、カレー料理の対決に自信がなくてインドにまで料理の技を盗みに
 来たか」
山岡「取材と研究に来て、なにが悪いっ。技を盗むわけではないぞ!」
ゆう子「そうです。そんなことを言ったら、日本人の作る外国料理はみな技を盗んだこ
 とになりますっ」
雄山「ふふんっ・・・確かに至高と究極の対決は料理の技のみを競うのではないっ。料
 理を通して、真実を、真正な物をつかむことに主眼があるっ。だから双方、料理人を
 助っ人に連れてきても、助言を受けても問題はない・・・」
  雄山、もう一歩進み出、手のひら開いたまま右腕を体の前でグルリと振り回し、肩  の少し上で拳を握りしめる。
雄山「しかしだ。至高と対決することになって、はじめて、インドに勉強にやってくる、
 その泥縄根性が、あさましいと言っているのだ!」
山岡「そんなつもりで来ているんじゃない! カレーの真実を極めるために来たんだ」まり子「そうよ! 至高との対決なら取材費が出るから、この機会に来たなのよ」
雄山「ふんっ・・・いいか、これだけは言っておいてやろう。このシェフとは何年も前
 からのつき合いだ、彼は偉大シェフであり、それこそインド料理の真髄をあれこれ、
 教えてもらうことができた。だからお前が今ごろのこのこやって来て、なにをシェフ
 に教わろうと、それはわしの手の内に入ってしまっている」
  山岡の顔のアップ。唇を咬みしめ、うなる山岡。
山岡「・・・・・」
雄山「・・・・つまり、私を超えるのは無理だということだ!!」
  歯を食いしばる山岡。後ではらはらしながら見ている、ゆう子、まり子。
勇「これはとても雄山には」
  机を叩く山岡。
山岡「やかましい、そんなことやってみなければわからないっ」
雄山「そうか、どんなカレーを作るか楽しみだな。ふっふっふ・・・」
  鼻でせせら笑いながら立ち去ろうとする、雄山。
山岡たち「・・・・」
謎の声「またれいっ、御仁・・・」
雄山「・・・うんっ、お前は?」
  山岡たちの後のテーブルから立ち上がる影。
  それに疑惑の目を向ける雄山、山岡たち。
シェフ「こ、これは・・・」
  アップになる謎の人物。白髪、髭の老人。その髭にしいままで食べていたらしきカ
  レーのかすがついている。
  テーマソング流れる・・・「チャチャチャチャチャチャチャ・・・チャチャチャァ
  ァァン」
シェフ「味皇様・・・いかがされました」
雄山「ほう、味の皇とは、けったいな名前だ。いったい何用だっ」
シェフ「雄山さん。こ、この方は・・・」
  雄山と味皇のやり取りを唖然として見ている山岡たち。
味皇「御仁に聞きたい。味とはなんだ?」
雄山「今度はなぞなぞか? 冗談がお好きな御老人のようだ」
味皇「この問、答えられぬか・・・」
雄山「なにを言う・・・」
味皇「口に未だと書いて、味と読む。つまり料理に至高なし、味に究極なしっ」
雄山「むうっ、屁理屈を言いおって」
味皇「屁理屈と言うか・・・ならばこの味、じかにその舌で味わってみいいっ」
  ずいっと進みでる味皇、その右手にはスプーンに乗ったカレーが一口分。
  そのまま、味皇、茫然として開けられた雄山の口にスプーンを押し込む。
雄山「むうううっ、ゴホッ、ゴホッ」
  むせかえり床にカレーを吐きだす雄山。
  慌てて、それを助け起こそうとするシェフ。
雄山「おのれ、何をするか。老人といって甘い顔をすればつけあがりおって」
味皇「うまいか、雄山とやら。インドいちのカレーの味わっ」
雄山「なにが、インドいちだっ。こんなもの食えるかっ」
味皇「食えぬか、雄山」
雄山「あたりまえだっ。おのれっ、この海原雄山にこのような無礼をはたらいてただで
 済むと思うか」
  無視する味皇。
味皇「不思議なことのよう、このように旨いカレー、まずくて食えぬとはのぉぉ」
  いつのまにか、カレーの皿を手に持ち、ムシャムシャむさぼり食う味皇。
味皇「うまい、うまい、こんなうまいものが分からぬとはかわいそうな御仁よのう」
  あまりに意外な味皇の行動に茫然とする一同。
味皇「ああっ、この味は、大地の味っ。インドに染みついた土の逞しさ・・・・わから
 ぬのも無理はない、人を蔑み、我を張る者には自然の恵を謙虚に受け取る心がないの
 か」
雄山「むうっ・・・」
味皇「人が良しといって、食と読む。一人が我を張れば、和は乱れ、カレーを食す人た
 ちも皆、うまいカレーが食えんのじゃ。味とは、人の和、作る人の愛、食べる人の心。
 むやみに技術や材料を追い求め、心を忘れる者に、なんの恵みがあろうぞ」
  歯を食いしばる雄山の横顔。不安げな山岡たち。
ゆう子「ああっ、この人・・・雄山をへこましてしまうなんて」


 「究極VS至高」の対決に割って入った、謎の老人! 雄山の逆襲はあるのか。山岡、よういちくんに主人公だっかんのチャンスはあるか?! 次号を待て!!



     ううっ、長いっ、つまらんっ、どうもすいません  ISAM