#7 Article 702 Posted at 1989/06/08 00:45:01 by 赤間 信幸 (MAP641) [URUSEI]

Subject: ラム・ザ・フォーエバーについて

えーっと、学園ボードに挙がっていたラム・ザ・フォーエバー(以下LTFと略)
について書きます。
 まず、第一に、私はLTFがうる星の作品の中で一番好きです。これは正直なとこ
ろ、ビューティフルドリーマー(BDと略)との比ではありません。
 BDが名作であることは、間違いのない事実です。が、やはり、私にしてみると、
LTFの方がはるかにいいです。

 LTFを公開した直後、とんでもない評価を受けたのは私も知っています。
 あれのおかげで、うる星5は、水面下で製作が進むことになるのですからね。

 何故LTFを嫌う人が多いのでしょうか?

 ひとつは、LTFの前にBDという超名作が存在したからです。
 ファンは、リメンバー・マイ・ラブ(RMLと略)という一つの作品を置いてある
とはいえ、BDという名作を忘れてはいません。BD公開からLTF公開まで約2年。
ファンが、BDという作品を理解するのに十分な時間がありました。
 RMLは、BDなどに比べてやはり劣る点がありますが、BDと一つの共通点があ
ります。
 それは、BDもRMLも、ED近くで、有無を言わせず、あたるとラムの愛を見せ
つけるシーンがあるからです。これについてはやっぱり否定したい気持ち、多分ファ
ンならあるでしょうね。でも、もう一度、劇場で見終った直後のことを思い出してみ
て下さい。一番、印象に残ったシーンはどこですか?

 LTFが嫌われるもう一つの原因がここにあります。
 LTFは、見終った直後、ここ!といった印象に残るシーンがまるでありません。
 さらに、シナリオが超・難解です。あれを劇場で見て、ストーリーが理解できる人
は何人いるでしょうか?
 当然、劇場で見るわけですから、たいていの場合は一回か二回が限度でしょう。
 ストーリーがつかめない、さらには印象的なシーンはない、挙げ句のはてには「こ
れはうる星ワールドじゃない!」という結論にたどり着いたようですね。

 正直に言って、無理のないことです。私は、ビデオ、手に入れてから一週間ぐらい
の間に何回見たと思います? 10回ぐらいは通してみたんですよ。(単純計算で一
日二回っていうところからウソだと思う人もいるでしょう。これ、ホントです。時間
を無視して朝から晩までうる星を見てました。)
 これだけ見ても、ストーリーはつかめませんでした。結局、プログラムを手に入れ
てそれを見てやっと理解が出来るという始末。私が鈍かったせいもあるんでしょうが、
やっぱり1回で理解するのは厳しいでしょうね。

 さて、ここで違いが生じます。
 多分、劇場に見に行った方は、そこでプログラムは買ったでしょう。で、そのプロ
グラム、果してどうしました? 劇場で見た人がほとんどじゃありませんか?
 私のようにさんざん繰り返して見た後にプログラムを見て理解するのと、劇場で見
た直後(ヘタすれば直前ですが)にプログラムを見るのとでは、あきらかに違いが生
じます。お話をアヤフヤにしか覚えていない状態と、お話をほとんど完全に覚えてお
り、セリフもほとんど覚えている状態では余韻が違うのは明らかです。

 こんな状態では、ストーリーも理解せず、「こりゃなんだ?」と、LTFを頭ごな
しに否定しても文句は言えません。事実、そんな方が多いようですね。(一般に、で
すからね!)

 さて、本題に入ります。(長い前置き・・・・・)

 LTFは、どういうストーリーでしょうか? 私は、これこそが高橋さんが描きた
かったものではないのだろうかと思います。(高橋さんがLTFを見て怒ったのは知
っています。)
 うる星のテーマの一つにあたるとラムのラブストーリーというのがあります。
 これを、一番鮮明に描いているストーリーはLTFをおいて他にはありません。

 OYはエルの悲しい話。(心情変化)
 BDは夢邪鬼を通しての「夢」と「現実」の話。
 RMLはあたるとラムのラブストーリー・・・・・となるはずだったようですが、
     実際は視点がルウに置かれていたため、ラブストーリーとしての土台を踏
     み外してしまった、イマイチの作品。
 BMGは・・・・・やり方を間違えたようですね。あれで納得するファンは少ない
     んじゃありません?

 BDについてはやはり反論が出そうですね。ですから、説明をつけておきます。
 BDは、一見するとあたるとラムのラブストーリーと取られがちです。が、あれは、
現実の世界へ向けての押井監督の風刺というのが一つの要素になっています。事実、
押井監督は、作品中、夢邪鬼として、あたる(言い替えれば我々)にいろいろなこと
を語りかけています。夢邪鬼はあたるに何を語ったか思い出してみて下さい。

 さて、本題に戻ります。
 LTFで戦争が起こる理由は御存知ですよね。で、そこであたるは戦争に荷担しな
いで一人で走った。ここのあたると終太郎の会話を思い出して下さい。

 「ラムさんを救うためだ!」
 「ラムがどうしたって・・・!! だいいちオレたちが代理戦争を始め、凍った夢
  を破壊しつくしたとしても・・・・一人一人が、昔の友引町を心から望んだとし
  て・・・・その望みどおりにこの街が昔の友引町に戻ったとしても、それでラム
  が帰ってくるとの保証もあるまい!!」

 と、いうことは、あたるはここで友引町が元に戻る=ラムが帰ってくるということ
でないことを理解しているというのは分かりますよね。こんなのは当り前ですが、

 「じゃあ、なにもしないで指をくわえて見てるっていうの!?」
 「なにもせんとはいわん・・・・オレは・・・・走る!!」
					 ........
 よくこのセリフを考えて下さい。あたるは、走ることによって、自分を極限状態に
追い込み、ラムを心から想うことによってラムを自分の元へ取り戻す(何か悪い表現
ですが)ことが出来ると分かっているわけです。

 さらに考えて下さい。あたるが、こんな行動を普通取りますか?
 この行動は、ラムを取り戻したいと思っていること、さらには自分がラムを愛して
いることを直接的に表します。あたるが事の重大さを自覚していても、普通では絶対
にこんな行動は取らないはずです。(BMGを見ればすぐ分かる。)
 それなのにこの行動をとるとは・・・・・さらに、このあたるのセリフ・気持ちに
呼応するように、ラムが湖の中で変化を見せます。

 あたるがばったりと倒れるシーンでは、あたるとラムの気持ちが通じ合います。
 ここなんか、感動もんですね。
 ラムのセリフ、「いけない! もう、帰らなくちゃ・・・・・」なんてすごくいい
ですね。 

 そして、サクラの2つのセリフ、
 「たとえ毎日が限りなく同じ円に近い軌跡をたどろうとも、全体としてはやはり、
  新たな地平を目指すはず・・・・・」
 「街が・・・・見る夢・・・・か・・・・」
 最後の文字、
 「全ては記憶の葉脈に埋もれて・・・・そしてFOR EVER」

 このストーリーの全貌が分かれば、最後の字幕で感動できるはず。
 最後の字幕が意味不明とかいう方は、もっとよく見た方がいいと思います。


 昔、こんなことを書いた記憶があるんですけどね・・・・・
 もう一度書いてみました。
 他の作品については、このボードでキーワードURUSEIにして、「ホントにう
るさいうる星のアーティクル」というアーティクルを捜して下さい。ホントにくだら
ないことしか書いていませんけどね。

							MAP641 赤間