#59 Article 579 Posted at 1992/06/23 23:10:09 by UZAWA (MAP2990) [GINGA]

Subject: イゼルローンの満ち潮

イゼルローン要塞の満ち潮
  
   SFアニメーション等では「らしさ」を演出するために、現実にはありえない

 光景を描くことがよくある。銀河英雄伝説のイゼルローン要塞もこの例だろう。

  原作ではセラミック装甲に鏡面加工を施した外壁ということになっているが、

 OAVでは水銀のような流体金属の海におおわれている。 直径60km程度の

 人工天体天体に海を保持する重力がありようはずがないから、電磁力なりで吸引

 しているのであろう。液体の表面がすぐ真空ということはありえないから、上空は

 厚い水銀の雲になっているはずだが、映像としてはクリアなほうが良いので、常に

 一点の曇もない輝く球として描かれる。

  さて、表題の満ち潮であるが「要塞対要塞」のストーリー中で、ガイエスブルグ

 要塞の接近によって水銀の海に干満が起こり、ガイエスブルグ側が満ち潮に、

 反対側が引き潮になったのを、みなさんは覚えておられるだろうか?

  私はこの現象に何の疑問も抱かなかったが、最近物理学の本を読んでこれは

 誤りであることを知った。ガイエスブルグ側もその反対側も満ち潮になるのである。
 
   一見奇妙におもえるが、水銀の海が引きつけられるのと同様、イゼルローン要塞
 
 そのものも引きつけられるのである。その結果、イゼルローンの重心よりも近い位置に
 
 あるガイエスブルグ側の水銀はより強い引力が働いて周囲から盛り上がる。 一方反対
 
 側では、水銀に働く引力が弱いため要塞本体が引き寄せられる分だけ取り残されて、
 
 やはり周囲よりも盛り上がるのである。
 
  物理学的には以上のように誤りではあるが、最初に奇異に感じなかったとうり、
 
 映像化にあたっては反対側は引き潮になったほうがわかり易い。そこで敢えて
 
 こうしたのであろうと、好意的に解釈したい。
 						UZAWA
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