#5 Article 2242 Posted at 1990/07/03 23:10:26 by Katze (MAP1378) [NADIA]
Subject: ふしぎの海のナディア科学講座
ふしぎの海のナディア 大人講座
マリー 「ナディアはおとなでしょ?」
ナディア 「ううん、まだわたしは子供よ・・・大人になんかなりたくない」
いつものように盗聴しているエレクトラとネモ船長。
ネモ船長 「なぜナディアはあんなに大人を嫌うのだろうかね?副長」
エレクトラ 「おそらく、サーカスで大人の見物人が喜ぶようなことをさせられて
いたからですわ、ネモ船長」
ネモ船長 「見せ物か・・大人が喜びそうなことを演じたりしていたわけだな」
エレクトラ 「あらそのせりふはどこかで・・けっこうアニメをご覧になってい
るのではありませんか、ケモ船長。失礼、ネモ船長」
ネモ船長 「肉類を嫌っているのも心配だ。潜水艦はただでさえ太陽光線が不足
し、栄養に気をつけなければならないのだ。ナディアの菜食主義は
成長することを拒否しているからかもしれんな。あの年頃にしては
痩せているし。首回りなど普通の半分もない」
エレクトラ 「世界には首が細いほど美しいという価値観を持つ民族がおります。
私の知る限りでは、アフリカの一部とニホンのテヅカ派と呼ばれる
人々がそのような価値観をもっているそうですわ。首輪をさせたま
ま育てると首は細くなります」
ネモ船長 「ところで、副長は大人になるのが嫌だったことがあるかね?」
エレクトラ 「人間嫌いの船長には珍しい質問ですね」
ネモ船長 「気に障ったら答えんでもいい」
エレクトラ 「いいえ、ぜひ聞いて頂きたいですわ。船長が人間のことに興味を持
たれた数少ない機会ですもの。実は私も大人を嫌っていたことがあ
ります。ナディアの気持ちはだいたいわかっているつもりです」
ネモ船長 「どういうことかね」
エレクトラ 「多少とも自分を持った少女なら、自分が別のものになるなんて耐え
られないものなのです。ところがあの時期になるといやでも胸も身
体もふくらみを帯びてきます。私だって何度もふくらみかけた胸を
憎みました。自分の身体を憎んで絶食したこともあります。船長が
今そうなったら、どうお感じになるでしょう?」
ネモ船長 「想像もできん」
エレクトラ 「私だって想像したくありませんわ!子供は大人を大人という別種の
生き物だと思っているのです。だから子供であることを嫌っている
子供ならともかく、自分を持った子供は大人になることがいやなの
です」
ネモ船長 「そういうものか」
エレクトラ 「ナディアは小さい時から一人で生きてきたので、ふつうの子供より
ずっと自分というものを持っているのですわ」
ネモ船長 「しかし、このままではナディアは心が曲がりくねった人間になって
しまう。どうしたらいい?」
エレクトラ 「ナディアが嫌うような大人ばかりじゃないということをわかっても
らうしかないでしょうね。これまでナディアが見てきたのは欲にく
らんだ大人や殺し合う大人ばかりでしたから」
ネモ船長 「うむ。では副長、できるだけナディアの話し相手になってくれたま
え」
エレクトラ 「了解しました」
ネモ船長 「ちなみに、いまでも大人になったことを後悔しているか?」
エレクトラ 「後悔しても仕方ないですわ。子供よりもよい大人になることを心が
けるだけです」
ネモ船長 「くれぐれもナディアがみっちゃんのママのようにならないように頼
んだぞ」
つづく
ふしぎの海のナディア 動画講座
ナディア 「は~い、ナディアで~す」
ジャン 「こんにちは、ジャンです」
ナディア 「今日は何のお話し?」
ジャン 「実はね、今日は番組とは直接関係ないんだ。ごめんね」
ナディア 「ん?それどういうこと?」
ジャン 「今日は20世紀後半の日本の動画作家の話をしようと思っているんだ
け
ど、別にボクたちがでてくる必然性はないんだ。でも、困ったことに
こ
の講座の作者がイカれてしまって、講座の形式以外では何も書けなく
な
ってしまったんだ」
ナディア 「まさかぁ」
ジャン 「その証拠に、作者の机からこっそりもってきたリストがこれさ!」
END: mov bx,handle ; ジャン 「開けたファイルはかたずけなくちゃね」
mov ah,3eh ; ナディア「え~っ、もうおしまいなの?」
int 21h ;
mov ah,4ch ; ジャン 「残念だけどね!また来週」
int 21h ; ナディア「わたしって本当に不幸だわ~~~」
ナディア 「コメントを講座で書くなんて・・・末期症状ね、ふっ」
ジャン 「ボクたちにバカにされるようになったらおしまいだね。かわいそうに。
ところで本題に入っていい?」
ナディア 「勝手にしてよ~~」
ジャン 「それじゃ、はじめるよ。20世紀後半には偉大な動画作家が輩出した
んだ。その中で特に有名なのが手塚治虫、宮崎駿、庵野秀明というわ
けさ」
ナディア 「アンノ?そんな人、知らない。あまり有名じゃないんじゃない?」
ジャン 「メカフェチの世界では有名なんだけどな~。前の二人と並べるのは無
理があるかもしれない・・で、宮崎さんは他の二人の作品があまり好
きじゃないというウワサを聞いたんだ」
ナディア 「天才は自分の作品以外は読まないっていうわ。そういうことじゃない
の?」
ジャン 「そういうわけでもないみたいだけど。でも、なんとなく納得できるん
だ。だって、宮崎さんって手塚さんの名声が高くなって何でも手塚流
が正しいとされていた時代に自分自身の表現を求めた人でしょう。手
塚さんに好感を持てないのは自然だよ」
ナディア 「でも動画を日本で作れたのも手塚さんの功績かもしれないのに」
ジャン 「皮肉なものだよね~」
ナディア 「じゃぁ、アンノさんが嫌いだというのは?」
ジャン 「まったくの推察だけど、ロコツな引用を感じるからじゃないのかなぁ。
宮崎さんはオリジナリティを大切にするから。原作はあっても表現は
自分自身のものじゃないと納得しないのかもしれない」
ナディア 「ロコツな引用・・もしかしてアンノさんってふしぎの海のナディアの
作者?」
ジャン 「そうだよ。まさか、知らなかったの?」
ナディア 「え~~っ、そうなの?私にハダカ同然の衣装を着せた本人なのね!こ
んなに恥ずかしい格好をさせて。せっかくテレビに出るならきれいな
ドレスを着ていたかったのにぃぃぃ。え~~ん、しくしく。今度会っ
たらぜったいケリを入れてやるわっ」
ジャン 「ひくひく。そんなに怒らなくても・・庵野さんのおかげでボクたち有
名になれたんだし。でも、庵野さんの過激な番組作りを嫌ってNHK
はナディアを打ち切るんじゃないかっていう不穏なウワサも流れてい
る」
ナディア 「そ、そんなぁ。やっぱりあの衣装が悪いのよ~」
ジャン 「真偽のほどは不明だけどね。ネタ切れのいいわけだったりして」
ナディア 「テレビの集金でも何でもしますから、どうか打ち切りだけは許して~
~!」
ジャン 「やっぱりNHKはガーゴイル以上に悪らつだよね」
ナディア 「あ~あ、わたしって、おんとぉ~~っに不幸だわ~~~」
つづく
ふしぎの海のナディア 読書講座
ジャン 「エレクトラさんの本棚ってすごいですね。ボク、感動しました」
エレクトラ 「あら、なにか気に入った本があったかしら?」
ジャン 「嵐が丘、意志と表象としての世界・・まるでオーストリア・ハンガ
リー二重帝国の上流階級のご婦人が読んでいるような本ばかりじゃ
ないですか。エレクトラさんて本当は高貴な人じゃないんですか」
エレクトラ 「まぁ、ジャンたら。そんなことはありませんわ。人より少し本を多
く読んでいるだけです。ほかには?」
ジャン 「エルンスト・マッハの力学には感動しました。食事中にも手放さな
かったほどです!」
エレクトラ 「食事中に本を読んでいるのはいつものことですわね。あまりお行儀
のよいことではありませんわ」
ジャン 「エヘヘ、でも本を読みながらの食事っておいしいんですよ」
エレクトラ 「それで、力学のどこが気に入ったのかしら?」
ジャン 「読んでいると、とてもワクワクするものを感じるんです。この本か
ら、何か新しい世界が始まりそうな気がする。エレクトラさんはど
う思いますか?」
エレクトラ 「どう思うかといわれても・・ノーチラス号の動作原理はこの本に
よって基礎づけられているのですから」
ジャン 「ええっ、すごい本なんですね!」
エレクトラ 「もっとも、ずっと昔にだって知られていたことなのよ・・」
ジャン 「そういえば、ネモ船長が消滅なんとかという難しい原理でノー
チラス号は動いていると言ってた。もう少しで本当の科学講座が
始まるかと心配しました」
エレクトラ 「つまらない心配はしないでよくてよ。他に何か言ってました?」
ジャン 「進んだ科学を持つと不幸も増えるって・・そんなことはないですよ
ね、エレクトラさん?」
エレクトラ 「いいえ、残念ながら、それは本当のことです」
ジャン 「まさか、科学を悪用する人間がいるというのですか?」
エレクトラ 「科学の存在しない世界より、科学の発達した世界のほうがずっと争
いによる犠牲者が多いのは事実だわ。今世紀でさえ嘆かわしい状態
なのに、来るべき20世紀がどうなるか、本当に心配だわ」
ジャン 「エレクトラさんはもう20世紀のことを考えているんですね」
エレクトラ 「20世紀・・まだ遥か遠い未来だけど、どんな時代になるのかしら。
わたくしたちの努力が20世紀の人々の役に立つのかしら・・」
ジャン 「きっと、役に立ちますよ!」
エレクトラ 「来世紀が幸福な時代であることを祈るしかないわね」
つづく
ふしぎの海のナディア 文字講座
ジャン 「字の読み方を教えてあげるから、いっしょに勉強しようよ、ナディ
ア」
ナディア 「いやよ、ジャンになんかわざわざ教えてもらわなくても字くらい読
めるようになるわ!」
ジャン 「そんな・・強情だなぁ。やっぱりいっしょに本を読まなきゃ字は読
めるようにはならないよ」
ナディア 「いやだったらいやっ」
ジャン 「マリーよりたちが悪い・・」
ナディア 「それより、ジャン、ナイフ投げを教えてあげるわ。とっても役に立
つのよ」
ジャン 「もうライフルの時代だよ。いまさらナイフ投げだなんて」
ナディア 「あ、そ。せっかく身を守る方法を教えてあげるっていってるのに。
機械がないとなんにもできないくせに」
ジャン 「それはそうだけど・・」
ナディア 「ジャンと違って、あたしは自分で食べるくらいのものは自分で稼いで
きたのよ。本なんか読めなくたってぜんぜん困らないわ」
ジャン 「でも、本には素晴らしいことがたくさん書かれているんだよ」
ナディア 「本を読めば曲乗りができるようになるの?ナイフ投げができるように
なる?それに本なんて目を悪くするだけよ。おっきなメガネをして空
中ブランコなんか乗れるわけないじゃないの」
ジャン 「たしかに・・」
ナディア 「ジャンが本を読んでいるところを見てると、気味が悪いことがあるわ。
まるで本がジャンの魂を吸い取っているみたい」
ジャン 「そんなことないよぉ」
ナディア 「一生部屋に篭もって本を読んでいるつもり?」
ジャン 「でも本には偉大な思想が詰まっているから・・」
ナディア 「本に書いてあることは何でも信じるわけ?だまされやすいだけなんじゃ
ないの?本を最初に書いたひとは本なんか読んでいなかったはずだわ」
ジャン 「強引だなぁ・・確かにそうだけど」
ナディア 「本なんか自分ではなにもできない人が書くものなのよ。本当によく生き
ている人は忙しくて本書くヒマなんかないもの」
ジャン 「そ、そういうものかなぁ。えらそうなこという割にはナディアは家事が
ヘタだね」
ナディア 「あ~っ、気にしていることを!あたしはご覧のとおり上品なお嬢様なん
かじゃないわ。場末のサーカスの踊り子よ。朝から晩まで曲芸をして生
きてきたあたしにほかに何ができるっていうのよ」
ジャン 「ごめんよ、ナディア」
ナディア 「それじゃ、罰にナイフ投げの練習台になってね。長い航海でどうも最近
腕が落ちてきちゃったみたいなの」
ジャン 「ひぇぇぇ、ボクって本当に不幸だな~~~」
つづく
ふしぎの海のナディア 衛星講座
ナディア 「うわぁ、すごい!本当に星って光り輝いているのね!」
ジャン 「うん、星がこんなに明るいなんて。宝石をまき散らしたみたいだ」
ナディア 「あれが天の川でしょう?こんなにはっきりみえるんだ」
ジャン 「今日は新月だし、まわりはどこまでも続く暗黒の海原だし、星を
見るには最高の場所だね、夜のデッキって」
ナディア 「こんなふうにひざを抱えて、いつまでも星を見ていたいなぁ」
ジャン 「うん」
ナディア 「・・あっ、流れ星!」
ジャン 「えっ、どれ?」
ナディア 「こっちも!」
ジャン 「本当だ!」
ナディア 「流れ星って、こんなに多いものだったのね」
ジャン 「パリなんかじゃ空気が汚れてる上に照明があるし。ここでは星の色ど
ころか、星雲の色までみえるね」
ナディア 「そう、でも流れ星って一瞬で消えてしまうから、願いごとなんかでき
ないわ」
ジャン 「ナディアの願いごとって?」
ナディア 「・・・いっぱい食べて太ること」
ジャン 「ナディアのうそつき」
ナディア 「ふふふ、秘密よ・・・あれ?あの流れ星、消えない」
ジャン 「まさか」
ナディア 「ほら、あれ、一直線に尾をひいて動いている!」
ジャン 「不思議だ、なんだろう」
ナディア 「いまのうち、たくさんお願いしていたほうがいいかしら?」
ジャン 「そんなのんきな。もしかすると、あれが伝説の・・」
ナディア 「伝説の?」
ジャン 「しもべの星かもしれない!」
ナディア 「しもべの星って?」
ジャン 「人工的な月のようなものを大昔の人が作ったという伝説があるんだ。
火星にもフォボスとダイモスというしもべの星があるらしい」
ナディア 「もしそれが本当だとすると、なぜ昔の人はしもべの星なんか作った
のかしら」
ジャン 「やっぱり衛星放送が見たかったんだろうね」
ナディア 「え?」
ジャン 「いや、なんでもないよ。ボクも見当がつかないなぁ。きっと月に弟を
作ってやりたかったんだよ」
ナディア 「ジャンって意外とロマンチックなのね。初めて知ったわ。機械のこと
しか興味がないのかと思っちゃった」
ジャン 「星空とデッキのせいさ・・なんていってるうちに見えなくなった」
ナディア 「あ~あ、あたしってこれまでは心が動かされるような時は大抵不幸な
時だったから、感動するのが怖いの。不幸なことを思いだしそうで」
ジャン 「ボクも同じさ。もっと素直になれたらいいのにね」
ナディア 「うん。でもやっぱり少しは不幸じゃないとものたりないわ~~」
ジャン 「確かに。おわった気がしないもんね」
つづく
ふしぎの海のナディア 特別番組
>局より
本日は特別編成のため「ふしぎの海のナディア講座」はお休みさせていただき、
代わりに特別インタビューをお届けいたします。ゲストは自らも高貴な血をひ
くというガーゴイル氏、タイトルは「私と日本の皇室」です。
キャスター 「本日、めでたく婚礼の儀が執り行われましたが、ガーゴイル
さんは日本の天皇陛下と親交があるのですか?」
ガーゴイル 「もちろん知っている。しかし残念ながら第2次大戦後は私も
パージされていたのであまり交渉はないのだ。だが、明治天
皇は尊敬していた」
キャスター 「明治天皇というと、あの宇宙まで行幸したという・・」
ガーゴイル 「まあそういう説もあるな。明治大帝は実に偉大な人間だった。
世界中の革命的な人間は必ず大帝に憧れたものだ」
キャスター 「そうなのですか?」
ガーゴイル 「私だけではない。トルコでもフィンランドでも大帝は英雄と
して扱われたのだ」
キャスター 「なぜガーゴイルさんは明治天皇をそんなに評価されているの
でしょうか?」
ガーゴイル 「簡単なことだ。明治大帝は滅びつつある民族文化を救ったか
らだ」
キャスター 「世界の民族文化は滅びつつあったのですか?」
ガーゴイル 「当時欧米諸国は悪らつな植民地戦争を仕掛けて世界中を植民地
にしていたからな。そんな圧力にアジアで唯一負けなかったの
は日本だった。他の国はみな植民地化されてしまったのだ」
キャスター 「ガーゴイルさんは明治天皇の影響をうけましたか?」
ガーゴイル 「当然だ。私も滅びつつあるアトランティス民族の栄光を再び取
り戻そうと苦闘しているところだった。明治大帝には実に多く
のことを学んだものだ」
キャスター 「そうなんですか。ところで、今度ご結婚された礼宮さまについ
てどう思われますか?」
ガーゴイル 「昭和天皇までは明治大帝の孫ということで気にとめていたのだ
が、それ以降の代についてはな・・礼宮殿下というと、あの髭
のある方のことだな」
キャスター 「そのとおりです」
ガーゴイル 「私の考えでは、礼宮殿下は自分のアイデンティティをナマズに
求めているようだ。一種のトーテムともいえる」
キャスター 「トーテムとは何でしょう?」
ガーゴイル 「自分の家族の祖先と信じる動物のことだ」
キャスター 「すると日本の皇室の祖先はナマズなのですか?」
ガーゴイル 「無論、そんなことはない。一説によると皇室の祖先はムー大陸
人だという説もある。しかし混血が進んで、私にも真偽のほど
はわからないのだ」
キャスター 「そうですか。いろいろ勉強になりました。本日はどうもありが
とうございました」