#48 Article 19 Posted at 1990/08/31 03:27:45 by 根本 剛志 (MAP1144) [NO.020]

Subject: Re: Re: 今日はムーミンなのだ!☆ /18 /17

「ムーミン・トロールは… 基、ムーミン一族はカバではなかったのです」
 いくら姿形が似ているとも、直立歩行するカバさんなんて見た事無いですもの。
まあ、シルクハットを被ったりハンドバッグを持ったカバさんなんかいませんが
そんな事はこの際些細な事でしかないでしょう。

 今回の最大のテーマは「自由」ではないでしょうか?

 いえいえ、何もムーミンの作品自体に「自由」と言うテーマが全く無いと言う
訳ではなく、今回はそのテーマが更に強調されていたと言う事です。ムーミン達
を単なる「動物」と決めつけた上で、彼らの自由を奪い檻に閉じ込めると言う行
為をする事によりラストのムーミンパパの台詞でそれを確認させると言う展開で
あったと思います。
 また、この「自由」をつかみ取ると言う事は難しいと言う事もこの物語は語っ
ています。それはムーミン達に隠まわれた動物園を逃げて来た動物達の行動です。
季節が移り変わり寒い風の吹く秋が近かずき、自分達の生活圏は動物園の檻の中
にしかないと言う答えになってしまう。これは飼い殺され動物園の環境に慣れて
(教育されて)しまった為の産物です。我々にも当てはまらないとは否定しきれ
ないでしょう。
 逃げ出した動物達を捕まえに来た動物園の人達とは自由を奪う存在です。ムーミン達を捕まえて動物園に閉じ込めようとする様は、正にナチスの「ユダヤ人狩
り」を思い起こさせますね(デザインも何となくそれっぽいです)。
「自由」はタダでは得られない。何等かの犠牲を払って得るものであると語って
いるように私には思われます。やはりこの思想は第二次世界大戦を生き抜いて来
たヤンソン姉弟の「経験」から来ているものだと私は考えます。

「ムーミン」と言う作品の根底には、こう言った意味があるのではないかと私は
考えます。そう言ったテーマを根底に持ちつつ、ヨーロッパ的な幻想的でとぼけ
た味付けが成されている「楽しいムーミン一家」と言う作品が、私は好きです。

                          根本 剛志(MAP1144)

PS……とは言え、誤解の最大の問題は平気で「動物」が話をするところにある
    のではなかろうか?(クスクス)