#38 Article 920 Posted at 1991/02/18 08:05:25 by ユ-サク (MAP1754) [STORY]

Subject: Re:*8 激動焼け跡ラブコメ・小説版「てやんでえ」! /914 .... /889 /887

第4回。

ピザキャットの店内。騒然とした雰囲気に包まれている。

「最終破壊メカァッッ!?」
「そうだ。…風雲コ-ン城の絶対防衛ラインとして機能するハズだったモンなんだが、
 あんまり危険なんでおクラになってたんだ。それがこの間のミサイル娘の一撃で脳に
 電磁カウンタ-を浴びて回路が始動状態に入っちまったらしいんだ!」
「ちょ、ちょっと待てよ!ソレが今動き出してこっちに向かってるってワケェッ!?」
次第に近付いて来る轟音。大地震の様な響きである。最早まともに立っていられない。
「あ、ああ…。制御不能状態でな。しかもそのメカの一番ヤバい所は…」
忌まわしげに歯ぎしりするカラ丸。…その瞳には、自分達の手に余る兵器を創り出した
コ-ン守や幻ナリ斎に対する憎しみの火が宿っていた。
「そのメカは………絶対に破壊出来ねェんだッッ!!」

寄りそう様に密集していたバラック群が、一なぎで木っ端微塵にされ、壁や屋根だった
板きれが木の葉の如く舞い散る。
猛然と立つ土煙のその上に、信じられぬ程巨大なボディがゆっくりとその姿を現す。
デカい。身長50mはある。鋸の様な背鰭を振りたて、雷鳴の如き吠え声をあげる。
「ア゛オ゛オオオォォエ゛ェェ~~~ンッ!」
画面の下にテロップが入る。「最大最強・原子怪10号」

直立する巨大なトカゲか、ゴリラの様にマッチョでクジラの様にデカい…といったその
体躯は、全身ジュラルミンに似たギラギラ光る金属で装甲を施され、砕岩機の様な鋭い
爪を装備した手首が時おりグルグル回転している。…誰が判るんだ、こんなネタ!…といったパロディが入る所は本編と同じである(笑)。
一歩毎に踏み込むその足は爆撃並みの破壊力、戦車軍団を用いても止められそうにない。「キャ-ッッ!」
店内から飛び出して来るおタマ、スカシ-、続いてカラ丸。
間髪をいれずに踏み込まれる足!耳もつんざく破壊音、身体が地面から浮き上がる!
跡形も無く潰されるピザキャット。その威力は地下のシェルタ-にも及んでいた!
「キャ一一一一一一ッ!」
「な、何事でぇッ!?」
天井が落ちて来る。灯りが一瞬非常灯に切り変るが、それすらも消えて一面の闇になる。「だ、大丈夫か、プルルン!?」
「な、何とか…」
「ど、どうなってやがんだ…」
「ヤッ太郎…これって…」
「何か大変な事が起ってるに違ぇねえ。なんとかしてココから出ねぇと!」

「つ、つまりおクラになっていた過去のメカが、おミッちゃんの放射能を浴びて蘇った
 ってワケか…」
遠ざかってゆくその異容を眺めてボ-ゼンとつぶやくスカシ-。
「そんなトコだ、おい、行くぞ!」
スカシ-を促すと、カラ丸は破壊を免れた烏山支店に走り込んで行く。
「おカラッ!俺の忍び装束を出せッ!」
「カラ丸さ、おら怖いィ…」
「なぁに大丈夫だ、すぐに片付けて帰って来るからな!」
「おタマ、僕も出動するぞ、戦闘服だ!」
「は、はいッ!」
ガレキの下のマンホ-ルの入口を必死に掘り出す二人。

一方、ヤッ太郎とプルルンはなんとかドアの鍵を壊そうとしていた。
「だ、ダメだ、これじゃ…」
ドライバ-がわりのプルルンのヘアピンを床に置くヤッ太郎。
ドアロックのカバ-が外され、複雑な機構がムキ出しになっている。
「電磁ロックだから電気がねぇと動きやがらねぇんだ。篭城戦を考えてやたらと頑丈に
 出来てやがるし…」
「お二人さぁん、無事ですかぁ……」
ドアの向こうから、か細い声がする。
「お、おタマちゃんッ!」
「おタマッ!どうなってるんでぇ、外は!カラカラのメカかッ!?」
「はい…」
「やっぱり!」
「今、スカシ-さんとカラ丸さんが向かってます。でも凄く強そうなメカなんです…」
「おタマ、早くオイラたちをココから出してくれ!」
「そ、それが…」声がオロオロして、殆ど半泣きになる。
「今見たら、自家発電装置が壊れちゃってて、電気が作れないんです。電気が無いと、
 この鍵、外せないんですぅ…」
「にゃ、にゃにぃぃぃ!?」
「な、なんて欠陥設計な基地なのよ、ココはっ!」
「おタマ、それなら電池だ!電池を持って来いッ!」
「この御時世に、そんな物ありませんよぅ…」
「にゃ、にゃんてこった…」
「ご、ごめんなさぁいぃ…」
「おタマ、泣いてる場合じゃねぇ!何とか方法を考えるんだッ!」

地上。元の浅草にほど近い、おミツの店 ”みっちゃん”。
「な、なんなのアレはッ!」
「うむッ」
おミツとプリンスが驚愕して見上げる空に、小山の様な巨大な姿を現す原子怪10号。
「キャ-ッ、おミツ、怖いぃいぃ!」
「お嬢さん、大丈夫です。僕に任せておきたまえ……ハァッ!」
気合一発、大空へジャンプするプリンス。
「巨大モンスタ-君、僕の剣の冴え、味わってみるかねッ!」
言うが早いか、稲妻の様に鋭い一撃が原子怪10号の腕を見舞う。…ところが。
パキィィィィ一一一一一一ンッッ! 
「ああッ!」金属音を残して、根元からポッキリ折れてしまうプリンスのフェンサ-。
「ぼ、僕の剣が…僕の剣が…」
そんな馬鹿な。鉄の固まりですら、チ-ズの様に切り刻めるレ-ザ-剣だ。傷一つ付け
られないとは、…そんな事はあり得ない。そんな硬い物質は、この世に存在しない。
折れた剣を見つめてぼんやり立ち尽すプルンス。
「きゃ一一一一一一一一一ッ、おミツ、こ・わ・いィィィ一一一一ッ!」
ついにおミツのミサイルが発動した!頭と肘と帯のランチャ-から飛びたった計26発
の核弾頭チュ-リップミサイルが原子怪10号を襲う!
ピカッ!ドズズンッッッッ!半径50m内の運の悪い家屋が、核の炎に叩き潰される。
キャ-キャ-言いながら逃げ惑って行く住人(良く平気だなオイ(笑))。
中心温度数百万度のプラズマの火球がチュ-リップ型に噴き上がって行く!
…これで無傷なメカなど有り得ないだろう。
ところが!
炎の中から再び現れた原子怪10号は傷を負うどころか、そのボディは前にも増して
輝きを増した様にすら見えた!
「ア゛オ゛ォエ゛ェ~~~ンッッッ!」
一言吠えると、おミツに向けて口から目もくらむ白熱光を吐き付ける!
「危ないッ!」
間一髪、プリンスが横ッ跳びにおミツをかっさらって逃げる。ピカッ!辺りが強烈な光
に包まれ、視神経がピリピリと痛む。”みっちゃん”は一瞬にして蒸発していた。

「停滞空間って知ってるか?」
超低空を飛びながらカラ丸が、傍をジェットホバ-で走っているスカシ-に叫ぶ。
「な、なんだソレ!?」
「それでは、説明せねばなるまい-ッッ!」
演台を扇子で叩きながら、いつもの ”説明オヤジ ”が現れた。
「停滞空間もしくはステイシス・フィ-ルドとは、ハ-ドSFでお馴染みの設定じゃ!
 この空間の中では時間が経過しない、だから物質をこの空間で包む事により、太陽の
 中心核へ叩き込もうがブラックホ-ルに落そうが絶対に破壊出来ない物質が出来あが
 るのじゃ一一一一一一一ッッ!」
「幻ナリ斎さまは、トキヲカケル4号の時間制御能力を応用して、猫目スラッシュにも
 やられない絶対に無敵なメカを創りあげようとしていたんだ…」
「ちょ、ちょっと待てよッ!それじゃあのメカは、猫目スラッシュを使っても破壊出来
 ないッてぇのッ!?」
「だからそう言ってるだろう!」

二人は徐々に忍びよる絶対不利な戦いの予感を噛み締めながら、戦地へと走っていた。

一方、作者は部屋の端末の前で一人阿波踊りを舞っていた。チョンカチョンカチャンカチャンカ(笑)。
あああ、文章を多量に書いてるうちに昔のSFファンの血が騒ぎ出してこぉんな展開に
なっちまったァ。「てやんでえ」の世界にハ-ドSFの設定を持ち込むし、第一最初の
ラブコメと全然違うじゃね-かッ!………まぁいいか(笑)。次回に続く!

ゆ-さく。

P,S、SNAKEさん、このお話は「出来た時連載」です。…でも、あと一週間以内に終る
   でしょお。よかったら感想でも聞かせてちょっ。