#38 Article 914 Posted at 1991/02/16 16:21:15 by ユ-サク (MAP1754) [STORY]

Subject: Re:*7 激動焼け跡ラブコメ・小説版「てやんでえ」! /896 ... /889 /887

連載第3回。

ここはピザキャットの地下秘密基地。ヤッ太郎がバイザ-のサ-チライトを点灯させて
入って来る。以前は新進の設備を誇ったココも、おミツに発電所を破壊され電気が通っ
て来ない今となってはただの地下室。鼻を摘まれても判らない真-っ暗闇である。
ああ情けない(笑)。
「えっと…このへんだと思ったんだけどにゃ…どっこいしょ、ん゛-」
戦闘服の射出換装装置をゴソゴソやってマサマサを探すヤッ太郎。と、その時。
「誰だッッ!」まばゆいライトがヤッ太郎を照らす。
額のライトを輝かせてスカシ-が走り込んで来る。
「にゃ、にゃんでぇスカシ-、驚かすない」
「なんだヤッ太郎かぁ…こんなトコで何やってんだ?」
「あ、いや、にゃははは、ちょっとにぇ」
「おい、それどころじゃないぜぇ。基地内に侵入者が入ったらしいんだ」
「エッ!?」
「システムが動かないから詳しい事は判らないが…確かに誰かいる。カラカラの残党か
 も知れない。すぐ来てくれ!」
「判った、あ、オイラちょっとマサマサを…」
「急げよォ!」
「あ゛-もう…!」
マサマサ探しは後回しにしてスカシ-と共に走り出て行くヤッ太郎。
…基地の下層部、元の居住区に降りる二人。換気装置も働かないので空気は重く湿って
いる。ジリジリと警戒しながら進んでいく二人…。
ガチャ。ガタゴト。
いる。確かに人の気配が、以前のプルルンとおタマの部屋から聞こえて来る。
ヤッ太郎とスカシ-は互いに目くばせをすると、ダッと室内に踊り込んだ。
「てやんでえッ、大人しくしやがれいッ!」
「キャ-ッ!」
「ありゃ、女!?」
バキャッ!!
頬面を強打されて吹っ飛ぶヤッ太郎。
「あ、あ、が、が、が…」
「な、なに、なに、ヤッ太郎!?…もうッ驚かさないでよッ!…あたしこ~ゆ~の弱い
 んだからッ!」
室内に居たのはプルルンであった。声と、何よりも殴った時の感触でヤッ太郎と気付い
たらしい。伊達に一年間ケンカを続けて来たのではない、腐れ縁の二人であった。
と、その時換気装置の動き出す重々しい音と共に室内がまばゆい明るさに照らされた。
「あら、電気ついた…」
驚くプルルン、と同時にカチャッ!金属的な音がドアの方から響く。
二人が見るといつの間にかドアが閉じられていた。
「にゃ、にゃんだ!?」
直感的に異常を感じとり、ドアに駆け寄る二人。しかしドアはビクともしない。
「ちょっとどういう事よ、侵入者はドコにいるのよ、スカシ-ッ!」
「ハハハハ…ニャンキ-忍法、暗闇袋小路!ご感想はいかがかな、お二人さん?」
ドアの向こうから声がする。
「にゃ、にゃんでぇ、これはどういうこったよ、説明…」
「それは私からさせて貰います、ヤッ太郎さん」
スピ-カ-からの声。おタマであった。
「キャッ、このマイクに向かうのも久しぶりぃ。やっぱ電気って有り難いものねッ。
 え-、ヤッ太郎さんプルルンさん、お二人さんのために貴重な自家発電燃料を使って
 るんですからね。それも早起きしてこれだけのお膳立てを何ぁんとタダでしたあたし
 の心配りです。しっかり語りあって下さいねッ!」
ヤッ太郎とプルルン回りを見回してみると、どうだろう、ピンクのレ-スのカ-テンに
大袈裟に花が生けられた花瓶。…御丁寧にスピ-カ-からはム-ディな曲が流れ出し、
モニタ-にも明りが入り、古今東西の映画のラブシ-ンのダイジェストが流れ出した。
何やら判らんがおタマのコレクションらしい。
「やいやいおタマ、これはいってえど-ゆう冗談でぇ!」
「え-、冷蔵庫には2、3日分はたっぷり食べ物と飲み物が用意してあります。飲み物
 ももうすぐ冷えますからね。雨水タンクをボイラ-に繋いだからシャワ-も使えます
 よぅ。あ、でも一人2回位が限度かな?」
さらに見回してみると、本棚には恋愛や××のHOW TOモノの本ばかり。ベットには
あろう事かマクラが2つ並べてある(^_^;)。
「てめぇおタマッ!悪フザケもいい加減にしねぇと部屋ブッ壊すぞッ!」
「キャハッ、や-ですよぅ。…それに、あのおミッちゃんの最終ミサイルにも耐えた、
 耐震耐核構造のこの地下基地、壊せるかど-かはヤッ太郎さんにも良く判っているん
 じゃないんですかぁ?」
その通りであった。ニャンキ-の装備がないと、実際ど-にもなりそうにもない。
「これだけのサ-ビスの上に、休暇まであげちゃうなんてあたしってなんて太っ腹ァ!
 いいですかお二人さん、しっかり自分達の将来を見つめて下さいねッ。さもないと、
 猫忍者一族頭領の強権を発動する場合もありますからねッ」
「ちょ、ちょっと、おタマちゃん!」
「てめえ、このやろ、おタマッッ!」
スピ-カ-は既に沈黙していた。
調理場の秘密マンホ-ルから、地上に上がって来るスカシ-とおタマ。
「いいのかなぁ、あれで」
「多少やり方が強引ですけど、大丈夫ですよ、単純なお二人さんですから。2日も顔を
 突き合せてれば絶対ど-にかなりますよぅ(^_^)」
「きっと喧嘩するぜぇ、あいつら」
「それこそ思いどおりですよ。あの二人には、一度それ位の荒療治が必要なんです」
「そんなもんかねぇ…それにしても本当に強引だよなァ」
二人があ-のこ-の言ってる時、突然店の方でドタッガタガタッ!盛大な物音がした。
「誰か、誰かいねぇのかッ!」必死に呼ぶ声がする。
「なんだ?」
「お客かしら…」
二人が店に出てみると、…声の主はカラ丸だった。カウンタ-にしがみ付いて肩で息を
している。
「た、大変だ、大変なんだ…!ヤッ太郎、ヤッ太郎はいねぇのかッ!!」

一方こちらは地下、二人の愛の部屋(笑)。
部屋の真ん中で、苦虫を噛み潰した様な顔で腕組みして立っているヤッ太郎。
プルルンはそんなヤッ太郎を無視して、冷蔵庫をゴソゴソやっている。
「あら、おいしそう。おタマちゃん、奮発してくれたわねぇ」
ヤッ太郎がプルルンに背を向けたまま、ボソボソと話し出す。
「お…おめぇ、ど-する気だ…」
「ど-するもこ-するも、仕方ないでしょ。出られないんじゃ。しばらく様子を見る
 しかないんじゃないの?」
食べ物と飲み物を持って、ベットまで行くプルルン。座ろうとして、二つ並んだマクラ
の一方を払い退ける。と、…その下にあったのは。
「!!」
思わず真っ赤になって、その上に座り込んでしまうプルルン。
ま、まさか今のヤッ太郎に見られたかな。み、見られやしなかったよね。
「(あのおマセ馬鹿子猫ッ!ど-ゆ-つもりなのよッ、遊びにしちゃ度が過ぎてるわ…
 あ、あの娘まさか、平吉さんとコレ使ってるんじゃ…ま、まさか!いくらなんでも、
 まだそこまではいってないよね…)」
考えながら、頬が火のように熱くなってゆくのを感じるプルルンだった。
まずい。意識しちゃだめだ。そう思えばそう思う程深みにハマる(笑)。
ああ、あのバカ子猫。ああ、ヤッ太郎なんか忘れるつもりだったのに。
「プルルン…」
「えッ?えッ!?」ドキッッ!心臓がハネあがるプルルン。

と、その時。ズズズゥ一一一一ンッ!突然鳴動する大地、激しく揺すぶられる部屋。
「じ、地震ッ!?」床に飛び散る食べ物、飲み物のグラスが砕け散る。
「い、いや、そうじゃねぇ、これは…」
長年の修業と、一年間の経験と、なによりも忍者の勘がヤッ太郎に確信を与えていた。
「これは…巨大メカの歩行音だッッ!」

次回に続く。						ゆ-さく。