#38 Article 2701 Posted at 1993/07/07 05:31:51 by ゆ~さく (MAP1754) [REPEAT]

Subject: Re: 「てやんでえ」再放送観賞マニュアル! /2700

さて、再放送開始まであと残すところ1週間を切り、
ここでワタシは未だこの作品を観ていらっしゃらない方々のために、
「てやんでえ」観賞マニュアルというのを作ってみました。

この手引きは、「てやんでえ」を知ってはいるけれど未だ観たことの無い方、……
特にComicDINEのそうま「てやんでえ」マンガを読んだり、またはボードの内容
から作品を適当に想像したりして、はからずも本編に過大な期待を抱いてしまって
いる方々…等を対象に想定してあります。

期待してTVの前に座ったはいいけれど、出会い頭にしょ~もない駄ギャグに正面
衝突して心に深い傷を負ったり、破壊的な愚作に遭遇して「2度と観るもんか」等と
悲しい決意を固めたりして、その後に必ず訪れたであろう芳純な蜜月の境地を体験
するチャンスを一生逃したりする様な不幸な出来事のないように、観賞前の一種の
「心がまえ」をお薦めするモノであります。

では、まず。「てやんでえ」を観る上で、最初に気をつけて戴きたい事、は(笑)。

●「ギャグを期待しないで下さい」

この作品は一応ギャグアニメといわれておりますが、周知の通り作家不在人手絶無
の製作業界枯渇期に放映されたこともあって、看板にお笑いを掲げつつも大部分の
とこの出来はそりゃもうヒドいものです(苦笑)。

貴方がTVの前で観賞を始めると、たちまちすっげぇ目も当てられない駄ギャグが
待ってましたとばかりに襲いかかって来ます(笑)。
「好きで観ているのに、何でこんな苦しい目に会わなきゃならないの?」と言いたく
なるほどのハズしたギャグが そりゃもう次々と(笑)。

でも、無理を言う様ですが、そこで投げてしまわないで下さい。
苦しいでしょうけれど。
ワタシらだって放映当時はそりゃもう苦しかったんだ。ほんとにもう(笑)。
耐えて下さい。打たれても、打たれても。その度に不屈の根性で立ち上がって。
そんで、その内に痛みを感じなくなって頭がシビれて「もうなんでもいいやぁ」と
無我の境地に入り込んだ辺りで、ようやく徐々に作品の真価、苦難を乗り切った
者だけに約束された祝福の境地が訪れてきます。

幾多の危機をかいくぐり、ようやく傑作と呼ばれる回…ファンに与えられた約束の
地、まともに笑えるギャグ・面白い回にたどり着いた時は、…………
「ああ、生きててよかった。青い空って 白い雲って 何でこんなに美しいんだろう、
 世界って何て素晴らしいんだろう。なんだか口笛が吹きたくなっちゃった。やあ、
 小鳥さん、元気?」などと 必ず感じるモノです(笑)。
しかも、そういった傑作の回の脚本は、あの「シュラト」の下品なCDでお馴染みの
関島氏や、もしくは「ラムネ」のお下劣なCDで知られたあかほり氏。

ハンパじゃない苦しみと、そこから脱却した時の えも言われぬ快感。
そんじょそこらのスカスカの作品では味わえない強烈に濃い快楽が、屈折の果ての
「悟り」の境地、ファン心理が求めてやまないユートピアへと貴方をいざないます。

今このボードに居る方々は、身体中に数え切れぬほどの不発ギャグを浴びても
根性で立ち上がって来た、百戦練磨のツワモノばかりです(笑)。
みんな身体中生傷でいっぱい(笑)。

でも、その痛み 苦しみの果てにはやがて、「てやんでえ」ファンにしか味わえない、
何とも懐かしい胸がしめつけられる様な慈しみにも似た気持ちが胸に宿る事でしょう。

この、出来が悪いけれども時折ハッとさせられる愛くるしさを持つ、はたまた
可愛いと思っていると突如として平然と裏切る悪魔の様な子を持った親の気持ち。
これが「てやんでえ」ファンにしか味わえない、一つの醍醐味です。ホントに(笑)。

さて。

こうして苦しい観賞を克服し、その上で得られる「ああ、これか!」という「キモ」の
様なエピソード…駄作群の中にバラバラに隠された、宝物の様にちりばめられた、
"真の"作品世界を構築するパーツともいえるエピソード群をひろって回っていると
やがて何らかの変革、フシギな心変わりが貴方の中に訪れてきます。

○「作画の乱れが気にならなくなります」

外したギャグは「無かった」事にして、あちこちの「キモ」エピソードを拾って歩いて
頭の中でカット&ペーストし、"真の"作品の姿を模索し続ける「てやんでえ」ファン。
(この作業は具体的に言うと、も一つのスタッフ…頭数を揃えただけの補填要員の
 仕事の中から本来の作家達の描いた本来の作品描写を抜き出す、という事ですネ)
この作業が作画においても行なえる様になります。
時々訪れるゲッとなるほどヒドい作画のカットも、瞬時にして「あ、今の無し!」と
頭の中のビデオテープを巻き戻し、記憶を消去して代わりにテキトーに想像した
都合のいい作画のカットを詰め込む(笑)。
これが出来る様になると もうすぐです。乞食の姿に身をやつした汚い少女が、実は
この世のものとも思われぬ絶世の美女でお姫さまであった事に気が付くのも。
もうすぐです。

○「不発ギャグが気にならなくなります」

この辺が峠ですね。ここを過ぎると、急速に楽になってきます。
灼熱地獄の砂漠から、涼しい鍾乳洞の中に入って、澄んだ冷たい水をたたえた
地底湖に飛び込んだ…とでもいった感触でしょうか。

ここに至って、もうキミは昨日までのキミではありません(笑)。
「てやんでえ」ファンとして、新たな人生を歩み始める事になるのです。

こうなると、次々に「てやんでえ」症候群の諸症状が現れてきます。
危険な症状もあるので、以下に主な病例を列挙しましょう。対策にして下さい。

「アニマロイドになってエドロポリスに行きたいという強烈な衝動にかられる」
「同人誌を作りたくなる」(自分がファンである事を表現したくなる)
「同人マンガを描きたくなる」
(キャラクターの生活や活躍を自分のオリジナルストーリーの中でトレースしたくなる)
「時代劇がまともに観れなくなる」
「夢に見る」
「歴史の教科書の徳川家康の絵の目に黒いくまどりを書き込んで、頭上に"ぱふ~"と
 書いたフキダシを入れたりする」
「宅配ピザを注文する時、もしおタマが電話に出たらどうしよう、まともに喋れなく
 なっちゃうかなぁ、落ち着かなくちゃ、などと本気で考えてしまう」
「折笠 愛の大ファンになる」
「仏壇に招き猫を安置して、ネコミョウジンサマ~とか言いながら、毎日拝むようになる」
「近所の猫が妙に気になり出す」
「自分に娘が出来たら耳とシッポを付けてローラースケートを履かせて、固まった
 ポーズのままごろごろとピザを運んで来させるんだ、と固く心に誓う」
「学園祭でミップルのコンサートを企画し、折笠 愛と水谷優子を呼ぶために、
 一人10万づつカンパをしようなどと本気で言い出す(実話)(実現の可能性大)」
「バンダイとタツノコにかけあって、商業誌でマンガの連載を始めてしまう」
「日常生活で失敗した時、どこからともなくナレーターのツッコミの声が聞こえて
 来るような気がして、思わず"てやんでぇ!黙ってろい!"などと口走ってしまう」
「ときおり宙を見つめて、"プルルン~"とか"ウサ姫さま~"とか呟いて笑っている」
「キャットフードがおいしいと感じられるようになる」
「シアワセになる」
「ころげる」
「泣く」
「笑う」
「痙攣する」
「アワを吹く」
「往来で突然、キャホーとか叫んで自作振り付けの"YASUけくナイ!"を踊り出す」

これらの他にも、
頭痛 筋肉痛 生理痛に効き、肩凝り水虫いびき歯ぎしり夜尿てんかん脳卒中への
効能も報告されており、試験の成績が良くなった、会社で昇進した恋人が出来た
宝くじが当った婆さんのボケが治った犬が出産したクララが立ったなどの嬉しい
お便りが全国から寄せられています。

○そして、その後

3年たった今でもこうです(笑)

○これからの展望

皆んなで一人10万づつ出しあって、それでそれが100人分くらい溜まったら
オリジナルOVA「てやんでえ」が1本作れると思うんだけど、やりません(笑)?

○将来へかけて

ああ、一生このままでいられたらいい(笑)

●まとめ

昨今の業界はスタッフ編成が大変で、まともな実力のある人達だけでじっくりと
時間をかけて作品を作ることが出来ません。いきおい、そのへんの進行のヒトに
いきなりコンテを切らせたりして急場をしのがざるを得ない場合もある訳です。
この、作品を"薄める"ようなやり方は、現在では基本テクニックとして定着して
しまったような感すらあります。
「仕方ない」などとは口が裂けても言えませんが、そういった濁った水の中に一瞬
本当に面白い物を作れる方々の仕事の断片が、キラリと光る事があります。

ワタシ達に出来る事は、そういったモノを見過ごしてしまうのではなく、
そのような人々を応援していく事ではないかと思うのですが どうでしょうか。


『読了感謝』ゆ~さく!