#28 Article 212 Posted at 1992/12/12 05:49:56 by 南極二郎 (MAP1537) [HAJIMETE]

Subject: Re:*4 教えてください! /211 ... /207 /201

いやぁ、セーラームーンさんに乗せられたとはいえ、この世界の巨匠人
が一堂に会するのはなかなか壮観だなァ。大方の意見は出尽くし
たと思われるので、ちょっと変わった方向の答えをします。

1/カメラ

もし、今からフィルムで始められるのなら16mmをいきなり勧めま
す。理由は、いつ無くなるかわからない8mm機材にお金をつぎ
込んで、突然フィルムの生産が無くなったら、それだけで途方に
くれてしまうからです。16mmなら、とりあえずアニメ業界が
ここままあり続ける限り無くならないし、機材も今ならまだ一通
り揃います。(カメラなら、ボリューかボレックスかなぁ。ボリ
ューは16mmのZC1000と呼ばれて・・・・いないけど、
機能は充実。あれ、巻戻しは出来なかったかも。ミッチェルだと
転用がきかないからなぁ)あ。素材は用意して、撮影はMASAKIさ
んところでやると言うのはどうだろう(^_^;)  で、そのままいつ
いてしまうとか・・・・オイオイ

とにかく、8mmは今じゃ機材が揃わない。カメラはもちろん、
映写機、やエディタ。

まあ、カメラだけ用意して、現像上がるたびにテレシネに出して
編集はビデオで、と言う方法でもいいかな、とは思いますが。録
音するなら(サウンドエディタが無いなら)ビデオの方が色々融
通がきくし。

あと、ヨーロッパはまだ8mmも廃れていないので、輸入すると
かね。

あとスーパー8のカメラでも、100駒までは巻戻し可、と言う
のはあります。オーバーラップとかはそーゆーわけです。100
駒と言うことは秒24駒で4秒4駒。秒18駒で5秒と10駒。
ですから、それ以内で納まるカメラ処理なら大丈夫ということで、
演出時に考えましょう。(実はプロでも、色々と撮影時の制約と
いうのは多いのだ。セルワークだと特にね。素人さんには気付か
ないところで。)

2/セル

富士フィルムのフジタックか、コダックのコダセル(正式名称か
どうかはわからない)の2種類がある。市場に出回っているのは、
フジタックが多い。一時期、コダセルがダンピングでアニメ業界
に乗り込んで来たことがあったが質は悪かった。その分安く入手
できた訳だが。最近の質はどうか不明。(ロットによっては、平
面性が最悪で画面にモアレが出るものもあった。某劇場作品でそ
れが発覚して大騒ぎになったが、線撮り用にそれを大量購入した
会社もあった)だから両方聞いてみて、安い方を選ぶのもいいか
も。

尚、セルの厚さによっても値段が変わるので、もし問屋筋から購
入する場合は注意が必要。0.1mmとかは安いけれど、絵の具を塗
った時そり上がってしまうので。セルの商品サンプル(カタログ
の様な物)もらえるならもらっておいた方が得。ちなみに、表面
をマット処理しているセルは、ペーパーアニメでも便利に使える。
なんと、鉛筆で描くことが出来、尚且つ重ねができる。

裏技として、アニメのセル画を売っている所にいって、口パクや
クズセルをもらって来て、洗って使うと言う手がある。ぬるま湯
に浸しておいて、しばらくして軽くこすると簡単に絵の具は落ち
る。後はベンジンなどで拭き取る。

2/絵の具

太陽色彩の絵の具が、とりあえず安い。しかし、質が悪く長期間
の保存には向かない。よって、かつてセルアニメを作ろうとして
いたが、中途で挫折したと言う人から安く譲ってもらうのが一番
安い。大体あんなもん、いらなくなったらホント処分に困るから
ね。長編を作ろうとして挫折したら、わりと大ビンで購入してい
たりして狙い目。私は学生時代、これで大量に絵の具を集めた。
もっとも、素人レベルの尺数なら中ビンで充分です。

3/書籍

技術の本なのか、自主制作の歴史なのか、文面からはわからなか
ったけど、技術方面で言うなら以下のもの。

○古本屋で探す物

☆アニメーションの本
アニメ六人の会編著;合同出版;1978年

☆12人の作家によるアニメーションフィルムの作り方
日本アニメーション協会編;主婦と生活社;1980年

☆小型映画
1983年位まで月刊で出ていた、8mm映画雑誌。大阪芸術大学の図
書館にはバックナンバーがある(^_^;)

☆8ミリマガジン
発刊から休刊まで短かったが8mm映画雑誌。

○今でも手に入る物
☆映画撮影技術ハンドブック
写真工業出版社;2800税別

セミプロからプロ用に書かれているだけあって、専門的過ぎる感
はあるが、映画の歴史・理屈から、フィルム、フィルター、カメ
ラ、照明、プロの心構え、etcまで、いたれりつくせり。真剣に
学ぶならば座右の書。ただし機材は16mm以上。



いわゆる日本のテレビアニメの動画技術に関していえば、『アニ
メーションの本』がベスト。演出技法のわかり易い解説は、宮崎
駿が「カリオストロの城」時代に描いたマニュアルがわかり易い。
アニメージュ関連書籍に再録されていた筈。

撮影は、最近アニメ業界用で出版された、撮影技術書がある。虫
プロかどっかが作った奴。一応、撮影関係では必見の書。で、透
過光のマニュアルとして良かったのは、徳間書店ロマンアルバム「
1000年女王」が面白い。東映の撮影技術の一端が見ることが
できるし、なにしろ作品のビデオを見れば映像サンプルがあるの
と同じな訳だ。ただし、上記の技術書を読みこなしてからでない
と理解不可能だろう。


映画技術、映画技法は沢山実写の専門書が出ているので探しまし
ょう。ストーリーアニメの方向ならば、劇映画の演出論で構わな
いだろうし。

アニメーションの可能性を模索したいのなら、レーザーディスク
ですが、パイオニアから出ていたはずの「アニメーション・アニ
メーション」のシリーズがよか。ノーマンマクラレンの奴は買い。



まぁ、なにかやりたいビジョンがしっかりしていれば、メディア
や技法は後からついてくるもんです。セル画が描きたいだけなら、
10年前はスライドアニメなんてものもあったし。動かしたいな
ら、セルよりもペーパーの方が安く、早く上がるだろうし。セル
でストーリー物で、尚かつ安く動かしたいのなら、どんどんセル
の大きさを小さくしていけば済むことだし。(最小、B7サイズ
のセルアニメを見たことがある)

アニメのプロの技法は、大量の人材を使って、分業によって早く
作る手段として成り立っているので、それがそのままアマチュア
に通用するとは思えませんし、ましてセルアニメなどは、初めて
の人が挑戦するにはリスクが大きいと思います。

でも、なによりあなたの「やるんだ」と言う意志が、一番大事。
がんばって下さい。

                         南極二郎