#22 Article 1686 Posted at 1994/04/04 13:22:38 by T.IWATA (MAP1375) [PURUTO]

Subject: Re:*4 『プルト君』を見てきたぞうぅぅ!!! /1646 ... /9715(#130) /9697(#130)

ちょっと公私ともに多忙で、概略のみになりますが、エネルギー問題につい
て(というよりも原発問題ですね)発言させていただきます。

  1.原子力の安全性について
        原子力発電は、ある程度危険性を内包した技術だと思います。もち
        ろん100%安全などという技術はありませんが、事故があった場
        合の損害が桁違いだというところは、他の技術に比べると別格だと
        思います。また、原子力発電が手探りな部分が多々あることも注意
        しなくてはならないでしょう(これだけ使用されていても予期しな
        い事故が発生するのです)。これは実は使用例が少ない(他のエネ
        ルギー手段に比べれば僅少ですね)ことからくるのでしょう。実際
        に火力・水力発電ともに多くの事故が積み重ねられた結果であるこ
        とを考えてみて下さい。原子力発電にはミクロなステップが無いの
        です。まして「増殖炉」については相当に危険性がある技術である
        と断言できるでしょう。
        このような技術は、常にオープンであることが不可欠でしょう。
        以上の観点から見ると、日本の原子力発電の政策は落第点です。

  2.原子力発電のコストについて
        このコストとは、建設・運転だけでなく、解体・廃棄も含まれます。
        この面では、原子力発電は、建設・運転だけならば、比較的に低コ
        ストですが(建設や運転に常時石油エネルギーを消費するという面
        があっても)、解体・廃棄の莫大なコストはそれらを全て帳消しに
        してしまいます。特に注意しなくてはならないのは、高レベル廃棄
        物の安全な処理方法が未だに確立されていないことです(ガラス固
        化は数十年たっても完成していません)。原子力発電が処理方法も
        無いままに使われるWCに例えられるのも当然かと思います。
        最終的に幾らコストがかかるかわからないのに(実際に、どんどん
        コストが膨らんできています)、経済的だと言うのはナンセンスで
        す。

  3.エネルギー対策について
        とは言ってもエネルギー不足は一見したところ事実です。代替エネ
        ルギーにも短所があまりにも多いのです(太陽発電は電池の問題、
        風力は環境破壊の問題、など)。一番可能性がありそうな核融合は
        実は実用化まで遠いので問題が見えないだけなのでしょう。
        しかし、考えて下さい。今の石油エネルギー利用も、原子力発電も、
        基本的には次世代や、他の国家の犠牲で成り立っているのです。
        世界中がアメリカや日本並にエネルギーを消費すれば、あっと言う
        間にパンクします。「持続可能な発展」と言いますが、基本的に永
        遠の発展は閉空間では不可能です。私は「持続可能な現状維持」が
        正しいことですし、所謂「先進国」は、遠くない将来に「持続可能
        な為の衰退」を行わなくてはならないと思います。
        このような認識から、私はエネルギー対策は、徹底した省エネルギ
        ー化が日本では本道だと思います。その為には逆累進電力料金制度
        (使えば使うほど高くなる)や、エネルギー課税(エネルギーを消
        費するものに課税をする)、教育などが不可欠だと思います。
        エネルギー課税は判りにくいかもしれませんが、そのものを作る時
        点でのエネルギー+使用している間に消費するエネルギーを合算し
        てある率の税金を課するものです。省エネ商品ほど安くなりますし
        (もちろん買わないのがもっと安い)、計算耐用年数も併せて表示
        すれば、比較分析も可能です。

だいたいこんなものですか。エネルギー問題の結論は「清貧の思想」ではあ
りませんが、貧しく生きる以外に実は方法が無いというのが、私の結論です。
今の状態は(原子力を利用しようと石油を利用しようと)、次世代か他の国
家・国民に負担を転嫁しているだけだと思います。この「清貧」がうけない
のは、今の消費経済と全く逆だからでしょう。少し前に、世界中の貿易が衰
すれば、世界は貧困になるというようなことを誰かが言っていましたが(自
由化との関連で)、実はその貧困な世界が唯一「持続可能」な世界であるこ
とを気がついているのでしょうか?  江戸時代の経済の研究は重要です、江
戸時代こそ、限定されたエネルギーをどう利用するかが問われたのですから。
ちょっと怖いのですが、江戸時代に体格が最も小さくなったのは暗示的です、
そして江戸は人口過密に悩みつつも、ゴミ問題だけは無かったことを考慮し
てみて下さい(徹底したリサイクルが行われたせいです)。

T.IWATA(岩田次夫)