#210 Article 15062 Posted at 2000/12/27 07:41:01 by 高木志郎アオ (MAP3887) [OVA]
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夏のOVA。
『ペリカンロード クラブ・カルーチャ』(1986/6/21)日本コロムビア、スタジオワールド
五十嵐浩一が「少年キング」に連載した漫画のアニメ化。ガリ勉の憲一は、
オートバイを走らせることによって新しい生き方を見つけようとする。監督は
虫プロ出身のベテラン山本暎一で、『ペリカンロード』もシリアスな画面から
一転してギャグ調に変わるタイミングなど良くも悪しくも虫プロ的だった。
『超時空ロマネスクSAMY MISSING・99』(1986/7/5)サイエンタープライズ
伝説の魔物たちの住む異世界で、神の戦士として選ばれた女子高生・沙美が
魔大帝と戦うSFファンタジーアクション。『超獣機神ダンクーガ』で断空我
(我を断って空の境地に達すれば神となる)という思想を描いた、奥田誠治が
総監督を担当、キリスト教や仏教、魔女や魔物などの童話物語、SF的なメカ
などが渾然一体となって登場し、不思議な雰囲気をかもし出した。奥田誠治は
翌年にトンデモ度がさらに高いOVA『禁断の黙示録クリスタル・トライアン
グル』(1987/7/22)を手がけることになる。沙美の声は『うる星』のラム役で
知られる平野文が演じ、菩薩の荘厳な声で芸域の広さを見せた。
『装甲騎兵ボトムズ Vol.6 ビッグバトル』(1986/7/5)日本サンライズ
テレビ最終話におけるクエント星爆発からラストシーンまでの空白の1年を
舞台に展開するアクション編。ボトムズ世界の外伝小説『青の騎士ベルセルガ
物語』の作者はままさのりがオリジナルスタッフに代わって脚本を担当、屈指
の娯楽作となった。
『ガルフォース エターナルストーリー』(1986/7/21)ムービック
個性豊かな7人の少女たちが宇宙船スターリーフ号に乗り、活躍する壮大な
スケールのSFアクションアニメ。川村万梨阿、松井菜桜子ら当時の人気声優
がキャスティングされ、レコーディングやイベントの開催で彼女たちのその後
の活動にも影響を与えた。キャラクターデザインの園田健一は“ラムロイド”
などを描いて同人誌で人気を集めていた漫画家で、アニメのキャラデザインは
本作が初めてで、そのセンスを認められることになった。
監督の秋山勝仁は「TVじゃなくてビデオだっていうから、じゃあ何ができ
るだろう?って。やっぱり最初意識したのは、何回も観られるということです
ね。もちろん、当時も録画さえすればTV作品でも何度も観れたんですけど、
今度は確実に何回も観られるものを意識してフィルムを作らなきゃいけないっ
ていう。そこにもしかしたら、何か面白みを見いだせるんじゃないか?例えば
ネタ隠しの部分とか、ちょっとしたお遊びの部分とかも結構入れられるかな?
って。それが原作者の柿沼(秀樹)さんとの共通認識としてあったと思うんで
すよ。一回観て分からなくてもいい。2、3回観て何かを感じ取ってもらえれ
ば。あるいは描かれていない部分を逆に膨らませて、ユーザーが遊んでいく世
界観というのもあるんですよね、って柿沼さんが言ったんです。」という。
園田健一は「僕自身の理想が、キャラクターの中に分散して入ってるんです。
(中略)個々のキャラクターでいちばん好きなのはルフィーです。ただあれは、
デザインしたのはずっと前なのに、レイズナーの方が先にテレビで流れちゃっ
たのがつらかった。」と述べている。
『カリフォルニア・クライシス 追撃の銃火』(1986/7/21)ヒロメディア
カリフォルニアを舞台に、行きずりの2人の男女が米ソの宇宙計画をめぐる
陰謀に巻き込まれるスリリングなアクション。奥田万つ里作画監督がいかにも
カリフォルニアを感じさせるイラスト風の複雑なキャラを描いた。奥田万つ里
は『銀河英雄伝説』(劇場版わが征くは星の大海1988/2/6、OVA1988/12/21~)、
『天空戦記シュラト』(1989/4/6~テレ東)で個性的なキャラデザインをすること
になる。
『COSMOSピンクショック』(1986/7/21)日本ビクター、MTV
VHDディスクによるビデオマガジン『アニメビジョン』に連載されていた
作品を1本にまとめてビデオ化したもの。『アニメビジョン』はアニメマニア
を対象とした企画で本作もマニアックな内容となっており、首藤剛志原作脚本
によるSFもののパロディが満載されたスラップスティックコメディとなって
いる。
『戦え!!イクサー1 ACTII イクサーΣの挑戦』(1986/7/23)久保書店、AIC
強敵イクサー2が出現、イクサー1は絶体絶命のピンチに。平野俊弘監督の
特撮趣味は本作でも発揮され、口笛を吹きながら現われるイクサー2は『人造
人間キカイダー』のハカイダー(ハカイダーがキカイダーの弟であるのと同様
にイクサー2はイクサー1の妹)のパクリ。
監督の平野俊弘(現在の俊貴)は「それ(第1作)で、自分でやろうと思っ
ていたことが全部できたから、じゃあ漫画家になろうかな、っていう時に、妙
に『イクサー』の反響があって、やめられなくなったんです。1作だけのつも
りで作ったフィルムなので、2、3というのは僕にとっては蛇足だったんです。
自分のそのままを出したい、という思いで作ったイベントフィルムだから…。
でも、必然的に続けて監督としてやって欲しいと周りから望まれて。自分とし
てもアニメが好きで入った世界ですから、そこで、もう少しやってみようか!?
ということで、気がつくとここまできてしまったわけです…。」という。
『アイ・シティ』(1986/7/26)東宝、葦プロ
板橋しゅうほうが「スーパーアクション」に連載したSF劇画のアニメ化。
双葉社の「スーパーアクション」は'83年に創刊され、諸星大二郎『西遊妖猿
伝』、星野之宣『2001夜物語』等が連載され、伝奇、ヒロイックファンタジー
等への指向を強く見せたが、'87年に休刊することになる。板橋しゅうほうは
'77年「OUT」に『ペイルココーン』を連載したマニアックなSF漫画家で
アメコミ風の細密なアートで知られていた。アニメは原作を改変しているが、
一見超能力アクションものに思われる話が、遺伝子の問題に踏み込み、ついに
は人類の存在に疑問を投げかけるという異様なセンスは残され、真下耕一監督
による映像は『ウラシマン』以来の冴えを見せた。
『那由他』(1986/7/31)東芝EMI、オービー企画、サーカスプロ
佐々木淳子による長編SF超能力漫画のアニメ化。テンポの速いストーリー
展開と杉野昭夫による美形キャラが魅力。
『機甲界ガリアンIII 鉄の紋章』(1986/8/5)日本サンライズ
マーダルにまつわるSF的背景をオミットし、純粋な異世界ファンタジーに
仕上げられた新生ガリアンワールド。それまで戦争もののイメージが強かった
高橋良輔監督のロボットものだが、本作はセリフやナレーションも時代劇調で
ロボットの戦闘シーンも剣を持っての立ち回りがメインで、中世の騎士物語と
日本の戦国時代ものを掛け合わせたような内容だった。
『エリア88 ACTIII燃える蜃気楼』(1986/8/15)プロジェクト88、スタジオぴえろ
前作のACTI、ACTIIは原作の1巻から5巻ぐらいまでをまとめたもの
で、本作も基本的には原作のそれ以降の部分をまとめた。ただし、原作の5巻
以降には地上空母や地底ミサイルなどSF的な架空の兵器が登場するが、この
アニメではそれらのSF的な設定は切り捨てられ、オリジナル色が強くなって
いる。
多くのOVAが登場したけど、まだビデオが高価でレンタル料金も高かった
時代で、見てない作品が多いです。『ガルフォース』は借りて見ましたけど、
園田健一がメジャーになったのは、この頃だったっけ。土曜日の元祖園田屋の
テーマは姫?
21世紀まで、あと5日 高木志郎アオ