#210 Article 14708 Posted at 2000/05/11 07:00:16 by 高木志郎アオ (MAP3887) [TV]

Subject: 1975

1975(昭和50)年1月…

『フランダースの犬』(1975/1/5~フジ)ズイヨー映像→日本アニメーション
 イギリスの女流作家ウィーダ(ルイズ・ド・ラ・ラメー)原作の児童文学の
アニメ化。舞台となったベルギーのアントワープでは知られていなかったが、
アニメ放映の後、観光案内所でフランダースの犬について聞く日本人が増えた
ため、1985年ネロとパトラッシュの銅像が建てられたという。
 フランダースの犬、パトラッシュは本当は垂れ耳だと考えられる(1992年の
東京ムービー新社版のように)が、現地ロケに参加したキャラクターデザイン
の森康二は「かわいくないから」という理由で耳を立てたデザインにした。
 放映中、制作がズイヨー映像から日本アニメーションへ移行、日本アニメの
名作劇場の第1作目となった。
 森康二は「スイヨー映像は そこで 働いていた人達からすれば 現在の
日本アニメーションと同じです
 でも チンプンカンな出来事がありました 二 三年たって 社長さんが代
わられたのです
 新しい社長は 働きものの 庶民的な方でしたから それでよかったのです
が 以前の社長が ズイヨーという社名と一緒に その時までに製作したテレ
ビアニメの 『ロッキーチャック』や『ハイジ』の権利も持って行ったのです
 スタッフは そのまま残っているというのに そのときから それらの作品
は 他人の家のものになってしまったのです
 スタジオで発行する 次の年の ファミリーカレンダーから ロッキーチャ
ックやハイジの絵は消えてしまいました」と書いている。
 正確に言えば、日本アニメの『フランダース』以降のキャラを使ったものは
「ニューファミリーカレンダー」で、その後もズイヨーは『ハイジ』などの他
裏番組だった『ヤマト』も載せた「ファミリーカレンダー」を製作した。
 アニメは、めでたしめでたしで終わるものが多いが、この作品は原作がそう
だから仕方ないが、幼い子どもの主人公が死んでしまう結末の話なので、苦労
があったようだ。視聴者の支持を受け、放映中に数千通の助命嘆願が殺到した
ため、結末は変えられないにしても、ネロを明らかな形で死なすわけにはいか
なくなったのだ。結局、ネロが死ぬシーンは幻想的な効果を狙ったイメージ的
なシーンでかわしたが、やはり抗議の矛先はかわしきれなかったようだ。

『まんが日本昔ばなし』(1975/1/7~MBS)グループ・タック
 日本に古くから伝わるおとぎ話や民話を1本15分のアニメにした作品。
 商社などの海外の日本駐在員の子弟に見せるため、日本の昔ばなしをアニメ
にしようと川内康範が企画。制作はグループ・タックが受け持ち、有名な話を
ピックアップして作品に仕上げた。そんな時、テレビ局の編成事情で、新番組
が始めるまでのつなぎとして登場した。
 ロボットアニメ全盛の当時『日本昔ばなし』は異彩を放っていた。シリーズ
を通した主人公がいない上、話が地味でキャラクター商品は売れそうもない。
しかも、制作はアニメ界にデビューしたばかりのグループ・タックなのだ。
 普通なら、企画が立ってもレギュラー枠など取れそうもない作品で、前期の
理由でテレビ放映はあくまでも二次利用ということでスタッフもノンビリして
いたそうだ。
 ところが、視聴率13%前後でスタートしたこの番組は、全24話12回放映され
終わる頃には20%近い数字を出し、終了と同時に「なぜやめるのか」「もっと
続けて欲しい」という投書が殺到した。その結果、翌'76年から新シリーズと
して復活する。また、これ以後30分2話構成の“良心的な、子どもに見せたい
名作アニメ”が数多く登場することになる。

 日本アニメーション、グループ・タックという名作アニメの王道を行くこと
になる制作会社がテレビに登場しました。
 しかし、名作劇場は'97年『家なき子レミ』で終了し、『日本昔ばなし』の
再放送も今年の3月で終わってしまいました。こういうアニメこそ、21世紀に
残したい作品だと思っていたのですが…。
                        21世紀まで、あと235日   高木志郎アオ