#210 Article 14640 Posted at 2000/04/03 07:22:40 by 高木志郎アオ (MAP3887) [TV]
Subject: Re:*9 1972 /14638 .... /14620 /14619
『モンシェリCoCo』(1972/8/27~TBS)日本テレビ動画
大和和紀原作のファッションデザイナーを目指す女の子ココ・シャルマンの
物語。本格的な少女漫画をアニメ化した草分け的存在で、全編を独立プロダク
ションで制作した、いわゆる1本受けの最初のもの。いろいろな意味で画期的
な作品だった。
しかし、当時はまだ少女漫画は女の子だけのもので一般に浸透しておらず、
デザイナーというのも男の子向きでなく、視聴者を限定してしまい、キャラの
なじみにくさとあいまって、ヒットしなかった。そして『ポパイ』『オバQ』
以来続いた日曜夜7時半TBSの不二家提供のアニメは、この作品を最後に姿
を消した。
『刑事でゴジャール』(1972/9~フジ)
『科学忍者隊ガッチャマン』(1972/10/1~フジ)竜の子プロ
それまでお子様向けと言われていたヒーローアニメに、ハードなSF設定を
盛り込み世界観を充実させて視聴者の熱狂的な支持を獲得したアニメで、放映
当初には原作者の吉田竜夫自ら原画や原画修正を行ない質の高い作品になって
いる。中村光毅、大河原邦男デザインによる巨大メカの魅力をダイナミックな
構図で引き出した作画は後の作品群に大きな影響を与えた。キャラ描写も秀逸
で5人の性格がきちんと描かれ、特に敵組織ギャラクターとの因縁に苦悩する
ジョーのドラマは物語に一層深みを加えた。
九里一平は「『ガッチャマン』では、僕はプロデューサーみたいな形でやっ
てました。なぜかというと、本当に自分が作りたいものを作ろうと思ったら、
良いスタッフを集めないとダメなんです。だから監督やってて分かったのは、
自分がいくら頑張ったって、下手なアニメーターだったら、ひどい目にあいま
すよ(笑)。それより会社のことを考えたら、その全体を見て、ひとつひとつ
レベルを押し上げていかなきゃいけないという考え方になったもんですから…
…。」と語っている。
『アストロガンガー』(1972/10/4~NTV)ナック
ブラスター星人の侵略から地球を守るために、星博士は生きている金属で、
アストロガンガーを作り、息子のカンタローをこのガンガーと合体させること
によって強大な力と高い能力を発揮させることに成功した。
合体によって力を倍加する巨大ロボットのアイデアは、この後、たくさんの
ロボットもので使われるが、この作品はそうした合体巨大ロボットの先駆けを
なした。が、変身ものから巨大ロボットへの過渡期らしく、合体のシステムも
半ば変身的イメージが残っておりメカニックな合体ではなかった。
脚本の田村多津夫は「この作品では、人間がロボットに溶けこんで、ロボッ
トのハートになるんですよ。」と述べている。
『かいけつタマゴン』(1972/10/5~フジ)竜の子プロ
悩み多き現代社会に登場した怪獣タマゴンは自らの力でカウンセラー怪獣を
産み出す。『カバトット』に続く5分1話完結の帯シリーズ第2弾でキャラ的
にはタマゴンはグズラの弟分といった感がある。脚本の小山高男は、ダジャレ
のセンスで迷怪獣を次々誕生させた。
『ハゼドン』(1972/10/5~フジ)創映社
東北新社の児童映画部門として設立された創映社に、岸本吉切(クレジット
表示ママ)ら虫プロを退社したスタッフが集いサンライズ・スタジオを構成。
後の日本サンライズ(現在のサンライズ)の原型を形づくった。
ハゼの子ハゼドンは、母の「世界一強い魚になって、南の国へ行くんだよ」
という遺言と形見のペンダントを胸に旅を続けていた。旅先で知り合った人魚
のシーラン、フグのプーヤンとともに旅は続く。
富野由悠季は「日本サンライズの前身の創映社とのつき合いは、創映社を旗
揚げしたスタッフが虫プロ時代の同期生だった縁で始まり、『ハゼドン』『ゼ
ロテスター』のコンテをやらせて貰っていた。しかし、独立したプロダクショ
ンではなくて、東北新社の下請けプロダクション的性格を持った会社だった。
創業者の岸本、伊藤、山浦、渋江、岩崎といったスタッフたちに資金力がなか
ったからである。潰れていく虫プロの残務整理をして、さて、どうやって食っ
てゆこうかというプロダクション出身の人間に、会社を設立するだけの資金が
あるわけはなかった。」と書いている。
「キラキラと輝く美しいヒスイ。稲妻で命をふきこまれた緑の石は、小さなか
わいい男の子になりました。おんぶーおんぶーと自分をおんぶしてくれる人を
さがしてとびだしていきました。やがておじいと知り合い、一緒の暮らすこと
になりました。」
『隆一まんが劇場 おんぶおばけ』(1972/10/7~YTV)TCJ
漫画家の横山隆一は、1955年おとぎプロを作ってアニメーションを手がけ、
手塚治虫の虫プロ創設などに影響を与えたが、おとぎプロの第1作がテレビと
同名の『おんぶおばけ』というカラー29分の中編映画だった。
テレビ版は、その設定やキャラデザインなどを受け継いだが、シリーズもの
に構成するのに苦労したようだ。この番組には、おとぎプロが過去に制作した
1分ほどの民話アニメが毎回挿入され、昔話アニメのルーツともいえる。
『ど根性ガエル』(1972/10/7~ABC)東京ムービー
「少年ジャンプ」連載の吉沢やすみのギャグ漫画のアニメ化。キャラデザイン
は原作の絵柄と違うが、ほのぼの人情味溢れるにぎやかな楽しさは原作どおり
で、原作ファンにも人気が高かった。
下町中学のひろしは転んだはずみに1匹のカエルを押しつぶしてしまった。
と思いきや、カエルはペッタンコに、ひろしのシャツにくっついていた。こう
してカエルのピョン吉は平面ガエルとなって、ひろしと一緒に暮らすことに。
掛け合い漫才のようなひろしとピョン吉のやりとりを軸として、ヨシ子先生
を巡る南先生と梅さんの恋騒動、教師生活25年を誇る町田先生の喜怒哀楽など
脇役キャラも魅力があった。
演出の長浜忠夫、作画の小林治、芝山努らが入魂の仕事を見せた。
サンライズスタジオの設立をはじめ、後のアニメ界で活躍する人たちの名が
いろいろ出てきました。
21世紀まで、あと273日 高木志郎アオ