#204 Article 692 Posted at 1996/11/07 00:33:25 by KINMA (MAP814) []
Subject: 土屋研究所
Jくんは土屋研究所の設備を使い、ハリケーンソニックを作りました。変な 機械からはノリのいいBGMと共にカウルが登場しますが、あのカウルはどう やって作られているのでしょうか?。 1)データ作成・解析 カウルの形状データそのものは3次元CADを使って作成しているようです。 しかも、Jくんが処理しているのは、カウル内部の補強構造を含めたカウル 外形の造形データだけであるように見えます。すなわち、それ以外は自動化 されていると考えるべきでしょう。 造形データの変更が、実に容易に行われています。これは外形線を直接操作 しているとは思えません。構成面の滑らかな連続性が失われるからです。 ちょうどクレイモデルを削るような操作で造形データを修正するユーザイン ターフェースが用意されているのではないかと思います。 流体解析は造形データを基に行えます。空気抵抗やダウンフォースは比較的 容易に求まるのではないかと思います。作品内でも、これらの言葉がよく 使われます。単に計算されるだけではなく、計算条件の設定や計算結果が ビジュアルに処理できるようなプリポスト環境が整備されているようです。 強度解析や振動解析をするためには、専用の解析モデルを作らねばなりません。 メッシュは自動で分割しているのでしょう。構造もシンプルなので、どの 部位のメッシュをどこまで細分化するか等のノウハウが組み込まれていると 思います。何万点位に切っているのかは分かりませんが、スーパーコンピュ ータで解析処理していると思います。 2)製造 まず形状データをどこまで作り込んでいるかが問題です。造形面から フィレットを張り、角Rを滑らかにします。この辺りは自動化されていると 思います。 次に、どうやって製造しているのかです。型を作っているのでしょうか?。 そのためには形状データから抜き勾配等を考慮した型データを起こしてNC データ作成までデータを加工する必要がありますが、自動化されているので しょうか?。さらに、型からカウルを作るプレス工程も必要になります。 カウルは、そんな流れを通ってきているのでしょうか?。 最近はRPT(Rapid Prototyping Technology)が盛んです。やり方としては、 素材を直接削る、光造形、紙積層、焼結、樹脂射出積層などがありますが、 その中でもインクジェットタイプの製品化が進んでいます。最大造形寸法は 200×200×200mm程度、積層ピッチは.02mm程度ですが、ミニ四駆ならば十分 です。装置価格も1,000万円を切っており、タミヤでもSP社製の装置導入が 進んでいるようです。 あの製造装置からは彩色済みのカウルが出てきます。塗装工程もできている のでしょうか。塗装の際は自動でマスキングするよりは、塗装の位置、方向、 色などを形状や彩色データから算出して、塗装用の超小型ロボットをティー チングしていると考える方が合っている気がします。 もし、樹脂射出積層で作られているとすると、射出する樹脂の色を射出時に 操作することにより、塗装工程が不要になります。カラーのインクジェット プリンタを3次元で動かすようなものです。 3)まとめ かっこよく作られてくるカウルですが、それを実現するには相応のコンピュ ータ環境が必要です。しかも、土屋研究所にて使われている技術は、現在の 先端技術とほぼ同等であると思います。 もちろん、600円のミニ四駆が相手ではペイしないと思いますが、実に うまいところに技術レベルを設定しているなぁ‥‥と感心しました。 最近、ミニ四駆を組んでいないなぁ きんま