#201 Article 162 Posted at 1997/11/14 01:36:54 by Elcaset (MAP4600) [ETC]
Subject: Re: 手塚治虫の伝説化? /137
結局のところ、手塚治虫がやらなくても、いずれ誰かが、TVアニメを 始めていたと思います。 それがたまたま、時代の趨勢とか力関係・・・要は巡り合わせという奴 で、手塚治虫がその役目を背負う事になったんだろうな、そう思います。 悲劇だったのは、手塚治虫が、物量大国アメリカならではのディズニー アニメに傾倒しつつ、その系統を受け継いで行こう、と思いつつも、実際 には妥協としてディズニーとはまた違った形態のセルアニメを作ってしま った、と言うか、作らざるを得なかった・・・そう言う事なのではないか、 と思います。 惨敗だったといわれるアニメラマのシリーズを、今、観返してみると、 手塚治虫がなんとかしてディズニーをやっつけよう、ディズニーとは違う 大きな流れを形作ろう、と七転八倒だったのがフィルムを通して見えてく る様な気がします。 手塚治虫は手塚治虫なりに、自分の持つ創作と言う領分の中で、精一杯 その努めを果たそうとしていた事は間違いなさそうです。 また、手塚治虫が極端に虫プロの経営に無頓着だったと言われるその裏 には、純粋に創作者がその意欲と作品だけで世間に愛され、生計を営んで 行く事のできる、一種の共同体の実現、と言う理想を守りたかった気持ち があったんじゃないかと・・・。 実は手塚治虫は、一般的な世評とは裏腹に、見事なまでの現実主義者と しての側面も備えていたようです。 本人もそれをよく知っていただけに、理想に対して、必要以上に拘った んじゃないか・・・そんな気もします。 それでも、現在も続くTVアニメの制作サイドでの豊作貧乏、自転車操 業等のインフレ状態を聞くにつれ、何となく手塚治虫に対して・・・です ね・・・一人のアニメ好きとして、逆恨みなんでしょうけど、恨み言の一 つも言いたくなりますです、はい。 手塚治虫の漫画が好きで、少なからず尊敬しているだけに、尚更。 宮崎駿もどこかのインタビューで、手塚治虫のやったことはすべて否定 します、と仰せでしたが、氏もきっと、本当は手塚治虫を深く敬愛してい るのだと思います。 それだけに、宮崎駿のこの発言には納得が行きますし、氏の心に隠され ているであろう、ある種の情念の事を思うと、そら恐ろしいものを感じて しまいます。 手塚治虫とは関わりの無い物も含めて、そんなこんなの中で成長した、 日本ならではのセルアニメが、現在は海外、そしてかのディズニー作品の 最近のものにまで少なからず影響を与えはじめている事を伝え聞くに及ん で、皮肉というか、何というか・・・手塚治虫が今でも生きていたら、何 と言ったかな、と興味が尽きません。 よくある下種な話題ですが、ライオンキングを手塚治虫が見たら何て言 うかな・・・誉めたら、大した事無いと思ったのでしょうし、もし貶して いたとしたら・・・きっと、ショックを受けたんでしょうね:-) エルカセット