#20 Article 2266 Posted at 1993/10/06 15:55:55 by TAGAWA (MAP2292) [MORI]
Subject: もりやすじ先生を偲ぶ一日(長文ですm(__)m)
一周忌の翌日、9月5日にアニドウ主催「もりやすじ先生を偲ぶ一日」が 御茶ノ水・日仏会館で行われました。 アニドウ発行の「もりやすじ画集」刊行に連動したイベントです。 もう一ヶ月以上経ってしまいましたが、大まかな内容をアップしておきます。 なかなか時間が取れないもので、ちゃんとした文章になっていません(^^;) 「違うぞー」と言う部分が有りましたら、御指摘下さい。 -------- ●フィルム上映 日動作品 「トラちゃんのカンカン虫」「トラちゃんの花嫁」(政岡憲三監督、原画担当) 「子兎物語」(初めて作画監督のシステムを導入した物とか…) 東映作品 「こねこのらくがき」「こねこのスタジオ」 「わんぱく王子の大蛇退治」 「宇宙パトロール ホッパ」第一話 「ハッスルパンチ」第一話 「もぐらのモトロ」(モノクロ版^^;) 「安寿と逗子王丸」「ちびっこレミと名犬カピ」担当シーン あれ?何か忘れている様な気が…(^^;) ●ゲスト出演 原徹、黒田昌郎、望月智充、本郷みつる、角銅博之、森淳(御子息)の各氏。 御話の中で、記憶に残っている部分を少し抜き書きしておきます。 勝手に要約してますので、本意と違っているかも知れません_(__)_ 原 徹氏 ○森さんは阿佐ヶ谷の病院に通院されていて、自分の会社(トップクラフト?)に 時折立ち寄られると、お茶を入れてくる人が5分おきに現われ 30枚ほど積まれた色紙に、色まで塗って下さいました その内の一枚、スサノオがハヤコマに乗っている絵は自分の部屋に飾られていて 毎日眺めています。 ○「もぐらのモトロ」の脚本は、会社でやる事が無く、何となく書いていた落書きが 目に止まったものです。 ○「ホッパ」は、他社に追随して宇宙物をと言う事になったものの、森さんが 「宇宙物は描けない」との事で、某漫画家に依頼していた物が 権利の関係でポシャり(それは他プロによって制作・放映された) 急遽オリジナルで作った物です。主題歌の作詞も自分でやったので 今でも毎年、印税が5千円程振りこまれます(笑) 「太陽の子ライマン」と言うエピソードには力を入れ、完成試写の後スタッフで 乾杯をしました。(先日発売の東映のLDに少し収録されています) ○「ホルス」の頃、作品は東映本社が買い取る形になっていて 興行成績は関係有りませんでした。 ある程度客入りに応じた制度にすべきで、最近は東映動画でもそう言う形に なったとか。 黒田 昌郎氏 ○東映時代は少ししかお付き合いが有りませんでしたが 「ロッキーチャック」の頃ズイヨーで御一緒する事になり それ以降日本アニメで最後まで、職場を共にする事となりました。 ○森さんの絵は、シルエットにしても誰なのか分かる、 感情の現われるフォルムです。 レイアウトにも大変こだわる人です。 (上映された、「レミ」の担当シーンについて) この老人が歌うカットを見ると、腕を延ばして歌う老人のアオリに 教会の十字架が三角形を作る構図になっていて、いかにも森さんらしいです。 ○(演出を担当した「ガリバーの宇宙旅行」に就いて) 音楽の冨田勲氏が「オカリナを使いたい」と言う事で、 当時日本に7人しかいなかったオカリナを吹ける人を5人も集めたため それだけで音楽の予算をオーバーしそうになりました… ○現在は、アニメーション制作にコンピューターを導入する研究に関っています。 人的な問題を考えると、このままでは日本でアニメーションを作る事は 出来なくなるのではと言う危機感が有りますので、これで打開出来ないかと。 本郷 みつる氏 ○小学校時代、地元の映画館で「わんぱく」を何回か見て、印象に残っていました。 高校時代、雑誌「奇想天外」に載っていた FILM1/24(「わんぱく」特集号)の広告を見つけて取り寄せた所、 良い年をした大人が「オロチの頭をどうするか」について真剣にやり合っている 様を克明に記録した記事に「そうなのか」と。 もしこの本を取り寄せなかったら、アニメに関っては居なかったかも知れません(笑) 森さんと言えば雲の上の人で、昔「ナーザの大暴れ(中国の長編アニメ)」の 上映会で、森さんの頭越しに画面を見たのが思い出です。 角銅 博之氏 ○(森さんの作画スタイルは、基本的に大変「リアル」である、と言う話から…) そもそも、リアルな物(現実)が先ず有って、それをアニメと言う形に 再構築していた訳ですが、(これだけ作品の多い)現在のアニメは 先ず初めに「アニメ的な物」が有って、それをよりリアルに近づけて行こうと している様に思えます。 ○今の東映動画は、見方に依っては 森さん的な部分が最も残っていない所なのかも知れません。 ------ 長々と済みませんでした(__) 要約はどうしても内容が偏りますし、ボードに書くべき物なのかどうか 悩む所ですが、参考までに… 森淳氏が、「父が生前、スタジオに出かけた際、ズボン下を片足しかはいておらず 歩いている内にだんだん足の下に出て来て、それに気付かず引きずりながら スタジオまで行ったそうです。家に帰って来てから、その事をまるで自慢する様に 楽しげに語ってくれました」 と言った意味の事を話されていたのが印象的でした。 「トラちゃん」シリーズを久しぶりに見る事が出来ましたが、 この動きの生命感、引き込まれます。ここまで発展した日本のセルアニメーションの 基本ラインですね。 政岡作品も、もっと見る機会が有ると良いのですが… TAGAWA(MAP2292)でした。