#192 Article 928 Posted at 1996/08/22 02:29:48 by ☆まちばり☆ (MAP641) [NO.40]

Subject: Re: Re: Re: 母の秘密! 女怪盗の復しゅう /922 /917 /914

ふう、ようやく放映に追い付きました(^_^;)。

 まず先に結論を言ってしまうと、かなりいい線いってる作りですね。よく出来て
 います。満点ではもちろんないけれども、80点ぐらいはあげたいです。
 というか、原作をそれなりによく汲み取った上でアニメ化出来ていると思います。

 この原作、そもそもアニメ化するのってムチャクチャ難しい。(^_^;) シナリオの
 話は後にするにしても、例えば冒頭のぼ~っとする作画とかって立川 恵先生の
 作画力をもってこそ、ですし、紙面メディアに対してどういうSE、BGMを
 つけるのかも難しい。‥‥SEとBGMは今回、かなり劣悪でしたけどね。(笑)

 でも作画とかは仕方がないにしても、とにかく今回、論外なのがCVの桜井さん。
 はっきり言ってどーしょうもない。勘違いなセリフの読み方が多すぎます。
 少なくとも言えることは、かわいい声を出してるだけで、これがどういう話か
 ちゃんと理解できてないです。少なくともド下手な新人じゃないんだから、自分の
 イメージしたセリフはしゃべれるはず、っつーことは要するにこの話を理解せずに
 声をあててる、ということだと憶測します。声優として私はそんなの却下します。
 それに対してアスカJrの岡野浩介さん、確かに演技力は今一つなところはある
 けれども、その場所ごとでのセリフ内容をきちんと理解してセリフに表情をつけて
 ます。桜井さんより遥かにうまい。
 明るくかわいく「あいにくセイント・テールは盗む気ないもんね」って言われた
 ときにはもぉ泣きたくなりました。悲しすぎ。ホント、芽美ちゃん元気よねぇ。

#CVとSE、BGMが足を引っ張るアニメって珍しいんじゃないでしょうか?

 これらの点を差し引いたお話作りのストーリー・コンテの部分は非常によく出来て
 いると私は思います。確かにいくつか難点はあります。例えば最初の芽美とアスカ
 Jrのやり取りやラストシーンの間の取り方が短かったり、ノートをもらった後の
 「ありがとう」はモノローグみたいなものです。

 が、例えば映美さんと源一郎の「隠れるにはちょうどいいでしょ?」あたりの
 やり取りから続く一連のシーン(花を出して二人でデートして、のあたり)の
 描き方はめちゃくちゃうまいですし、「ダレニモワタシタクナクナッタ」の
 モノローグ付近の作り方も、セリフの意味をきちんと分かって作り足している。
 これ、ちゃんとここのセリフの意味(「あのときからだ‥‥」の意味)を理解
 できていないとうまく作り足せないだろうと思います。お見事だと思います。

 この辺のラストシーン近辺の作り方は最近のアニメ版を考えればかなりいい線
 いってると思います。脚本は前回と同じ方、コンテは白鳥後編の人ですね。
 ただ、分からない人にはこれって分からないんだろうなぁとか思ったりする(笑)。

 久しぶりになかなかいい出来だなぁと感心しました。かないみかさんの声も
 か~いくって真珠のイメージによくあってます。続いていくつかRES。

>警備していたのがなぜアスカJr一人だけなのだろう、とか、アスカJrはなぜ
>一晩中雨にうたれつづけたのだろう、とかいろいろ気になりました(一晩中と
>いうのは非常に長い時間です)

 まず前者については「警備をこばんだ」ということから、真珠が警察が倉庫内を
 警備するのを拒んだという意味と解釈すれば、やむを得ずアスカJrが一人で、
 って解釈するのにはさすがに無理がありますか、やっぱり。(笑)

 後者ですが、これ、私はアニメ版の制作陣と原作の解釈が違うんですよね。
 ちょっと長いけれどVol.2から抜粋すると、

----
 ここまで(白鳥の話まで)でアスカJrの心の焦りがクローズアップされてきまし
たが、今回(イルカの話)は芽美とセイント・テールが似ている、ということによっ
てその焦りに動揺が加わります。それにより、水族館ではふと芽美を見ていて出てき
てしまった話の内容はセイント・テールの話題。また、このシーンで芽美に対して本
音で「いやつまり、理想かどうか確かめたいっていうか‥‥素顔の彼女はどんななの
か‥‥」と答えてしまうわけです。
 そしてラストシーンでは、なんで「気になってしょーがない女の子に」似ているの
か、それが知りたくてセイント・テールを捕まえたいんだ、とセイント・テールに叫
んでしまうわけですが、この叫びは第21話では「オレはどーしてあんなことを‥‥」
という形で自問されます。ひとつには芽美とセイント・テールが似ていることに気付
いてしまったためであり、もうひとつはセイント・テールから「どうして(あたしを
捕まえなくちゃならないの?」という質問を逆にぶつけられ、精神的に追い詰められ
ていたアスカJrが、自分でも自覚していなかった本音が飛び出してしまった、とい
うところでしょう。
 このようにして舞台が整えられ、そしてついに第3部ラストの第21話へと突入しま
す。第20話でアスカJrに好きな人がいると知って、ぼ~っとしてしまう芽美や放課
後のアスカJrと芽美のぎこちないやり取りなど。互いの気持ちを伝えない状態で引
かれあっている二人の描写がいくつか描かれています。今までもこういうシチュエー
ションは何度かありましたが、シナリオ途中で出てきたのは珍しく、これはラストシ
ーンへつなげるための布石。そして、セイント・テールのセリフ「どうしてもあなた
にだけはつかまるわけにはいかないの!!」、芽美の側からすれば当たり前のセリフ
ですが、これがアスカJrに「なぜ彼女を追いかけているのか」を自問させるきっか
けとなります。
 そして、セイント・テールを逃がしてしまい、また彼女に対して「似てるんだ!」
と言ってしまったアスカJrが自分を振り返る時間を持ち、ふと自分に対して「なぜ
セイント・テールを追いかけているのか」という質問をぶつける‥‥「‥‥あのとき
からだ‥‥」 振り返る芽美の姿がアスカJrの頭に浮かぶ、非常に印象的なカット。
あのときから、芽美とセイント・テールが見えない糸でつながり、クラスメイトであ
る芽美に対しての感情と、セイント・テールへの感情とをだぶらせてきたわけです。
だからこそ最後のセリフが生きてくる。「うれしいんだ‥‥羽丘がそばにいて‥‥手
が届いて‥‥」
----

 つまり、この「雨に打たれるシーン」というのは、今までいろんなことが積もり
 つもってお膳立てが整えられたところで、芽美から「つかまるわけにはいかない
 の!」と言われて、この場に至ってアスカJrは自分に対して『初めて』自問する
 のです。アニメ版ではそれに対してあっさりと「あのときからだ」と結論を
 引き出してしまっているのですけれども、私はここに至るまでにかなりの時間が
 経過していると考えています。「つかまるわけにはいかないの!」→ぼ~っと
 すること5分→「オレは‥‥‥(30秒待ち)‥‥‥どうして彼女を‥‥‥(30秒待ち)
 ‥‥‥つかまえたいんだ‥‥‥」→ぼ~っとすること5分→‥‥‥っていう感じ
 です。

 ところがこのシーン、出だし(考え始めるまでのタイムラグ)はうま~く引き
 伸ばしているのに、考えるのが始まってからはとにかく間の取り方が短くて、
 矢継ぎ早に論理が展開していって結論が導かれてしまっているために、本当に
 1分とたたないうちに考え終わってしまっている、って感じになってしまっている。
 これでは画面を『気持ち』で埋め尽くしてしまうことなど全然不可能です。
 それでもこのシーンが救われているのは岡野さんの声がうまいから、でしょうね。
 セリフの表情、これは花マルものではないでしょうか。

>かくも少女マンガのアニメ化は難しい
>少女マンガというより立川恵先生のマンガと言ったほうが正確でしょうけど

 いや、はっきり言ってスタッフが論外すぎると思いますけど。確かに立川先生の
 作品を完全に汲み取ってアニメ化する、なんてのはそりゃもともと無理な話。
 だけれども、このアニメの出来は(今回はかなりいい出来なので除外しますが)
 そういうレベルの話じゃないです。原作が理解できているんだけれどもうまく
 それをフィルム化できないのならいざしらず、原作が読み取れないってのは論外。
 しかも原作で描かれていることってのは決してとてつもなく抽象的で難しい
 事柄などではないわけで、それを読み取れないような人たちをスタッフに起用する
 こと自体が間違ってます。(そこまで言うか??(^_^;))

 このアニメ化に関しては冗談抜きで立川先生にとっては悲劇だと思います。
 そりゃインカムやら知名度やらで得るものはあったでしょうけれども、自分の
 作品をここまで汚されるってのは心中穏やかならざるものが絶対にあると思います。
 ましてや打ち切り同然の原作の突然の終了、って‥‥‥ねぇ。

                      MAP641 まちばりあかね☆