#189 Article 1394 Posted at 1996/04/11 03:10:43 by かくた (MAP4496) [NAZO]

Subject: Re: Re: りりかの謎? (Re: 新世紀エヴァンゲリオンの謎) /1393 .... /2811(#194) /2741(#194)

>  だからこそ、「ナースエンジェル」がどういう存在だったか
>  語られなかったのは残念だったなあ……と。

 ちょっと理屈こねてみよ。前から書こう書こうとは思ってたんだけど。


 結論から言いますと、『りりか』てのは救世主譚なんです。10歳の女の子がほとん
どムリヤリに救世主にされてしまう話。
 で、そんなムチャな話を徹底して日常レベルで描いてみせたのが『りりか』だった
んじゃないかと思うんです。当然本人はそんな自覚なんかないまんまに。
(途中の話がショボかったのはきっとそのせいです(笑)。今の世の中、10歳児で、自
覚がなくて、しかも正体を隠してる救世主の活躍なんて、華々しいわけないじゃない)

>  たぶん「癒す存在」ではなかったか、と想像するんですよ。
>  それがテーマである(と監督はCDで書いていた)「癒し」を
>  物語ってくれるはずだったのではないかしらん。

 CDのライナーで「癒し」について書いているのは音楽の光宗さんです。
 たぶん企画書にはあったし(秋元ならきっと入れるよな)、光宗さんとの打ち合わせ
の頃にはまだ残っていたであろうこの「癒し」というテーマを、大地監督はかなり早
い時期、最終回の構想がまとまった段階でずっぱり切ったと思うんです。「癒し」=
「怪我や病気を治せる」くらいのレベルに(笑)。
(ま、新約聖書に出てくるイエスの奇跡ってそんなのばっかなわけですが)
 だってさぁ、最終回に主人公が死んじゃう話で「癒し」もなにもねーだろ(笑)。同
じような理由でエコロジー的なテーマもバビーっと(笑)切ったと思われます。
 同じライナーで、監督自身はりりかの「日常」と「運命」の落差についてしか書い
ていません。この作品の描こうとするものはやはりそこにあったと考えるべきでしょ
う。

 なんでそんなことを考えるようになったかというと、最終回の青色ナースエンジェ
ルがりりかを抱えているカット、ああいう構図の宗教画を昔どこかで見たのを思い出
したんですよ。「イエスを天国へ運ぶ天使長」とかいうタイトルの。私はそれに気づ
いたとき、ぽんと膝を打ったんです。
 『りりか』を救世主譚ととらえるならば、最後にりりかは自分の命と引き換えに世
界を救わなければならなかったわけだし、ひとたび死した後に復活してもなんの不思
議もないじゃないですか。
 りりか・ヘレナ・ナースエンジェルの三位一体なんて隠しネタもあるし(笑)。

 誰も知らないところで、いや、たった3人しか見取る者がいないところで、りりか
は自分の命とひきかえに世界を救った。
 これで、なんか、不足ですか?


 てなことをほとんど説明や言い訳なしに「わかる奴だけわかりゃいいや」てな感じ
でサラリと作ってしまった大地・高橋両氏てのはやっぱすごいと思うのだけれど。
 それとも、こーゆーのはやっぱセリフで説明しないといけないもんなの?

                                  かくた