#189 Article 1288 Posted at 1996/03/12 06:23:39 by 魚皮 (MAP4289) [NO.35]
Subject: Re:*15 白き天使永遠に /1277 ..... /1225 /1221
必ずしもこの考え方が正しいとは言い切れない。あくまでも諸説の一つであり、一 個人の私見でしかない。また、以下に述べることはまだ完成されたものではないため、 場合によっては矛盾した点等議論に綻びがあることが十分に考えられる。このことを 前提に記述することをあらかじめご了承願いたい。 当初このアニメはスタッフの間ではあまりいい評価は与えられていなかった。むし ろ、積極的に関与しようというようには考えらられていなかった・・・とはある関係 者から漏れ出たもの。この作品に対して、前作の監督であった辻氏もあまりいい感じ は受けておらず、自分が監督にならないですんだことに対して一種安堵感を覚えてい た・・との話もある。 この原因として原作者の秋元氏にあるのではないか・・・と考えられている。秋元 氏の辣腕ぶりがかえってアニメ制作スタッフの意欲を減退させ、また、前作よりも有 能な人的資源が限られた状況下での制作というものも加わり、なんとも言い表せない 気の抜けた作品としてできあがってしまっている・・・と言えるかもしれない。 それ以前の話として、この作品には正義であるナースエンジェルと悪であるダーク ジョーカーとの戦い(「正義と悪」という戦いの図式というものは存在しない。ある のは「正義と正義の戦い」である。ただ、ここではナースエンジェル側から見た視野 で考えることにする。)という中心をなすものは存在したが、ただそれだけのことで しかなかった・・・ということが挙げられる。「変身して敵を倒す」という図式が必 ずなければならない・・・という制約がかなりの足かせとなってしまっていたという こと。また、「いったい何をしたいのか」という基本的な部分がはっきりとしていな かったことも影響しているものと考えられる。そのため、できてきた作品はどれも場 当たり的なもので、連続したシリーズものとして見るにはやや難しいものがあるとも 言える。それが作品の質が必ずしもよくなかったというものと相まって相乗的に評価 を下げる結果となってしまったことは非常に残念である。 また別の原因として前作のOVAに求めることができるかもしれない。この番組は 前作の赤ずきんチャチャからそのスタッフを引き継いだ形で制作されており、その中 の一部がOVA制作に移行してしまったため、ただでさえ少ない有能な人的資源を抑 制され、どちらかと言えば「陽」の部分を持つ赤ずきんチャチャの方に魅力・・とい うか未練を感じていたものがあったのかもしれない。それがりりかSOSに「陰」の 側面を持たせてしまったと言えるものがあるのかもしれない。人的資源が限られた状 態で相反する2つの作品を作ろうとしてそのどちらをも成功させよう・・・というの にはやはり無理があった、そこでどちらを取るか・・と言えばいまだ未練がある(と いうか”成功した作品”と思われている、あるいはすでに一定の人気を持っており、 商業的に収益が見込める)赤ずきんチャチャということになるだろう。 まったく別の観点から考えれば、「対お月様」という宿命が本来成長すべき芽を事 前に摘んでしまった・・・というものもあるだろうか。「変身戦闘もの」としてのセー ラームーンに対抗すべく作られた作品である・・という側面を持っていたが、それが かえってこの作品のいい面を潰してしまうことにつながったのではないかと。ただ、 当時の時勢から言えば、セーラームーンはかなりのレベルで落ち込んでいたこともあ り、この間隙を捕らえればセーラームーンを完全に潰すことも可能だった状況にあっ たということがある。そのために、本来の力をはるかに越えることをしようとして無 理をしていた・・・ということがあっただろう。しかしながら、これはセーラームー ンを模倣するものでしかなかったため、これを越えるどころかこの作品自体にも悪影 響を与えてしまった・・のかもしれない。これが味気ない作品の羅列に繋がったと一 部では考えられている。 これら複合的な要因が重なり合い、小さい傷も大きく見えてしまい、それを肯定し てしまった結果が本来はないはずの大きな傷が実態として現れてしまったがために、 それを克服することができなくなってしまった・・・ということが言えるのかもしれ ない。 しかし、今ここで結論を出すのは時期が早すぎるかもしれない。落ち着いた段階で、 もっと客観的な見地から見れる段階になってから改めてこの問題について考えてみる 必要があるだろう。というのも、現段階では感情論に走りやすく、真の解答を得るこ とは難しいということがあるためだ。それを結論を逃げている・・・と非難すること はたやすいが、不確実要素が多すぎる状況にあっては結論を求めること自体に無理が あるといえるだろう。 魚皮 ID:MAP4289[Mapletown]/from Mitaka-City,Tokyo