#183 Article 434 Posted at 1995/10/02 21:59:44 by 夏のこたつ (MAP2513) [TV.ALL]
Subject: TV版スレイヤーズを振り返って
最終回を迎え、区切りが付いたところで、簡単にこの作品に対して総括みたいな ものをかかせていただきます。正直これで終わりというのはやっぱり惜しいです。 さて、この作品が半年前に始まる時は非常な期待を持っていました。 なぜかというと、私は、実は原作は100%手放しで絶賛できるほど完璧な大傑作とは 思ってなかったからです。無論基本的には、今まで書いてきたように原作ファンという 立場でしょうし、ハタで見ているぶんにはそうとしか見えないでしょうが。 原作においては、世界観の構成という意味では、結構甘い部分が多かったと思います。 魔族の設定にしたって、最初にシャブラニグドゥを持ってきたのは、そんなに後の 話を考えてなかったように見えますし、レゾにからむ設定もどうも凝りすぎたのか 発散した印象がありました。あと細かい部分で言えば、最初の方でリナが魔法を 使えなくなった時期がありますが、あれも唐突すぎます。ある程度話が進んだ段階で なら読者も興味を惹かれるでしょうが、まだ読みはじめの段階では、ろくに魔法も 見せてもらってないのに・・・・というところでしょう。その後この設定が特に 生かされていないあたり、やはり使い方が難しかったのでしょう。 全体として、富士見ファンタジア文庫や角川スニーカー文庫など、一連のRPG系 小説の中では、悪くない位置ではあるものの、例えばロードス島戦記の持つ普遍性や フォーチュン・クエストの持つ意外な隙のなさ、ルナル・サーガの緻密さを思うと、 もう一歩頑張れば最高の作品になっていたんじゃないかなー、とか思います。 これのアニメ化と聞いて私が最初に思ったのは、「ああ、良いところに目をつけたな」 でした。作品自体、相当の傑作ですが、それが完璧に、簡単に他者の手が出せないほど 緻密に構成されているわけではない、素材としては良い上に、アニメ独自の魅力を させる余地は充分にある。これはうまくいけば最高の作品になるかも、と思いました。 これが昔の「めぞん一刻」みたいに、一見ちょっとした変更が致命的な結果をもたらす ような作品だともう大変なのでしょうが・・・・・ ところが結果はというと、かくのごとし。 BBS で作品に文句をつける場合は次のようなパターンがあると思います。 1.非常な傑作さと思っているが、それゆえに細かい文句を言いたくなる。 2.大体楽しめているが、もう一歩で素晴らしい作品になると思っているので言う。 3.どうも調子が良くないが、たまにはいいところもあるので見捨てられない。 4.もうボロボロで、時を経ても改善されないので書き込みも減る(^^; どうも3のような気がしますね。人によっては4になるかな。 アニメ化の際に、いったい何が考えられたのでしょうか。 原作に2つのラインがありますが、「すぺしゃる」の方法で本編を作ろうとしたように 思えます。ドタバタのコメディーならそれでもそれでいいですが、本編が基本的に シリアスなのでうわすべりしてしまっています。加えてこれだけ魅力的なキャラが いながら、それも描きこめていなかった。 特にアメリアだけは、絶対に許せん。意味のない設定変更と言えよう。 あの原作7~8巻の言動を良く読んでほしかった。リナによってどれほど「よき仲間」 であったことか。強さのみならず、これをないがしろにした点はとんでもない。 つーわけで、傑作になるべき条件を備えながら程度の低い段階に終わったというのが 私の結論ですね。ただ最後とかで希望の光が見えていただけに、もう半年続いていれば どうなったかと思うと、やはり終わってほしくはなかったですね。 MAP2513 夏のこたつ