#148 Article 24891 Posted at 1996/05/17 07:10:09 by δ-WAVE (MAP5804) [APOLOGY]
Subject: Re: Re: ちゃんと言えるかな?「ごめんなさい」 /24886 /24872
§3 バレンタインの日のマリンちゃんの段 「またこのバカ犬!」「オレは犬じゃ…ぎゃい~~ん!!」 既にうらら学園の昼休み恒例行事ともなったこの光景。本気で止めに入るのはもう チャチャ一人だけで、ほかの子達は呆れ返って傍観するか、巻き込まれるのを恐れて 見て見ぬふりをしているかのどちらかです。 「ひっどおぉぉい、マリンちゃん!リーヤに何て事するの!?」 「これのどこがリーヤ君なのよ!?せっかくバレンタインのチョコもって来たのに こいつ食べようとしたのよ!」 耳を伏せ、尻尾を股間に挟んでうずくまり、チャチャの後ろでぶるぶる震えている リーヤ。この位のダメージはチャチャの魔法で慣れっこだとはいえ、本気で全力で 蹴りを入れてくるマリンちゃんは、未だに「天敵」として認識されている様です。 「まあまあ、マリンさん。ちょっと考えてみて下さいよ、もしここにひょっこりリーヤ が帰って来て今のマリンさんを見たら…どんな印象を与えると思います?」 矛先がチャチャに向かうと、当然出て来るしいねちゃん。恋敵を助ける事にもなって しまいますが、それよりもチャチャを庇って稼ぐ点数の方が大きいという計算から出 た行動です。 「あの…私もリーヤさんは、動物を可愛がる娘の方を好きになると思います…たぶん」 損得勘定抜きでしいねちゃんの援護射撃をするのは、やはりお鈴ちゃん。自分より 恋愛経験が浅いと思ってた娘にまで諌められて、マリンちゃん振り上げた拳のやり 場が無くなってしまいましたね。 「そのリーヤ君はどこにいるのよ!?…もう、いいわ!こっちで勝手に探すから!」 地響きを立ててバナナ組を後にするマリンちゃん。チャチャが「あっかんべぇ」をし てお見送りです。 時は移って今は放課後。しいねちゃんのほうきに乗って空から逃げようという計画 を一も二もなく却下されたリーヤ、マリンちゃんが諦めるまで体育倉庫に隠れて、隙 見て脱出する作戦に切替えです。「ここにいれば大丈夫」と、大した理由も無く思い込 んでいましたが、しかしフェードインしてくる 「リ~~ヤくぅぅ~~ん!!」 の声に恐慌をきたしてしまいます(^^;)。 (うああぁぁ!!何でここが判ったんだああぁぁ?!) ガラリと開く倉庫の扉。かろうじて狼への変身は間に合いましたが、物陰に隠れる 時間はもう有りません。 「…またあんた!もう、ここだと聞いて来てみれば…はぁ」 マリンちゃんの溜め息と共に唯一の出入口である扉は閉じられてしまいました。つ かつかとリーヤのほうに歩み寄ってくるマリンちゃん。 (やべぇ!逃げられない!また蹴飛ばされる!) 緊張が頂点に達したその時、マリンちゃんは後ろ手に持っていた包みをリーヤに差 し出しました。 「ほら、あんたにあげるわ。どうせもう今日は『リーヤ君』に逢えそうもないし…」 チョコに恐る恐る近付き、ぱっと奪い取って跳び箱の影に運び込むリーヤ、手間と 想いの込められたラッピングを乱暴に引き破き、マリンちゃんが怒っていないのを 一瞬だけ確かめてから、がつがつと食べ始めます。 リーヤのそばにしゃがんで頬杖をつき、呆れたような表情で食いっぷりに見入って いたマリンちゃん、「もうどうでもいいけど」といった口調で問いかけます。 「ね、おいしい?」 「ガツガツ…お、おう」 「ほんとに?」 「…ああ…ペロペロ」 「…よかった…」 ちょっと寂しそうな顔になるマリンちゃん、リーヤのぴんと立てたふさふさの尻尾 をつんつんしたり、耳を裏返してみたり…やがて銀色の背中を愛し気に撫で始めま す。いつもと違うマリンちゃんの態度に最初のうち戸惑って筋肉を突っ張っていた リーヤですが、悪意が無いのが判ると緊張を解き、されるがままになっています。 夕映えの差し込む体育倉庫でぺたんと女の子座りになって、リーヤを胸にかき抱く マリンちゃん、 「本当にふあふあのもこもこなんだぁ…」 と一言呟いた後は聖母の様な表情のままじっと動きません。チャチャとは明らかに 違う、木綿の下の柔らかな感触と、遠い過去の日の、無い筈だった母の記憶を呼び覚 ます「女の子の匂い」にリーヤがまどろみかけた頃… 「ごめんなさい…今までの事、許してね…」 信じられない言葉がリーヤの耳に届きます。続いて更なる衝撃の告白が… 「でも…リーヤ君だって悪いのよ。あたしを避ける為にわざわざこんな姿になって… いくらあたしがバカでも、一年目あたりでいいかげん気が付いたわよ」 (バレてる…バレてる…(゚゚;)とっくにバレてたんだ…) パニックに陥り全身を硬直させるリーヤ。知ってか知らずか、マリンちゃんの告白 は続きます。 「お願い…もう逃げないで…あたしの事嫌いなら嫌いと言って…でも、ほんの少し でもあたしの事想ってくれるなら…これから二人きりの時は『リーヤ君』の姿で いてほしいの…」 真剣な目でリーヤを見詰めて懇願するマリンちゃん。耐え切れずにリーヤが目を 逸らすと、くすっと苦笑を浮かべて、 「なぁ~んてね、あんたにこんな事言ったってしょうがないか(^^)。さあ、お行き、 校門の所で飼い主が待ってるわ」 マリンちゃん、倉庫の扉を開けてリーヤを床に下ろしてあげます。何度か後ろを振 り返りながら走り出したリーヤが最後に振り返った時も、マリンちゃんはまだ手を 振っていました。 「明日また…学校でね…」 MAP5804 トリはやっぱりやっこちゃん DELTA_WAVE P.S 今回が一番苦労した~。何せマリンちゃん全然謝ってくれないんだもん(__;)。 おまけにマリンちゃんがマリンちゃんの声で喋ってくれなくて…一度#192の芽美 ちゃんに声だけ演らせてから映像アフレコしてる始末(;_;)サイノウノ コカツ