#148 Article 24886 Posted at 1996/05/16 05:49:37 by δ-WAVE (MAP5804) [APOLOGY]

Subject: Re: ちゃんと言えるかな?「ごめんなさい」 /24872

§2 お鈴ちゃん、初めての殺生に涙するの段
  「あ~!お鈴ちゃんまた給食残してる」
  「ホントに最近どうしたっていうのよ?パンしか食べないで…牛乳だけでも飲んで
 おかないと大きくなれないわよ」
  「…あの…その…しゅ…そう、修行なんです!忍者は粗食に耐えなきゃいけないって
 …その…お爺ちゃんが…」
  心配そうに集まって来たチャチャ達に囲まれて、おどおどしているお鈴ちゃん。
 一応返答はしましたが…どうやら別の理由がありそうですね。
  (生きてたんだ…お料理にされる前は…みんな生きてたんだ…)

  「よいかお鈴、忍者の最大の使命は、通常の方法では手に入らない情報を、いかなる
 手段を用いても入手し、これを敵地より持ち帰る事に有る!」
  「はいっ!」
  「今まで行ってきた戦闘訓練も、火遁水遁土遁を始めとする数々の術も、全ては使命
 を果たす為の方策に過ぎん。さて…ここに三粒の忍者丸が有る。明日からの連休を利
 用し今夜から一週間、山の中で生きて見せよ」
  「はいっ!『静かなること林のごとし』ですね」(なぁんだ、三粒あれば十日間は充
 分生きられるじゃない。お爺ちゃん、お休みをくれたのね)
  思わず破顔するお鈴ちゃん。しかしその笑顔は、翌朝には消え失せて、恐怖と焦りに
 満たされる事になってしまうのでした。
  「ない…ない…ここだったかしら…忍者丸、忍者丸忍者丸…どこやったんだろ…
 背嚢に入れた二つはともかく、服の中に一つ隠しておいた筈なのに…ないわ!」
  そう、これはお爺ちゃんが与えた試練なのです。忍者丸は確かに頼りになりますが、
 ではそれが無かったら…?包囲されて身動きが出来なくなり、味方の助けを待つしか
 ないという状況下ではありがちな事です。
  急いで山を下りてお爺ちゃんに異状を伝えようとするお鈴ちゃん。しかし何という
 事でしょう、山は結界で囲まれていて里に下りる事ができません。通ろうとすると、
 物凄い恐怖で身体が震え、後ろに戻る以外の事を考えられなくなるのです。
  2、3日はそれでも花の蜜をなめたり、木の実を取ったりしてしのぎましたが…この
 季節の山にはそれほど多くの食料の蓄えは有りません。草や木の葉を食べるか…又
 は他の生き物を食べるかです。前者で飢えを満たす事は明らかに不可能、後者は…
 今のお鈴ちゃんには出来ません。
  (だって…気付いてしまったんです…ハンバーグも、蒲鉾も、おかかのおにぎりも…
 元はみんな生きていた物なんです。食べたくありません…)
  そんな思いとは裏腹に、ひもじさは刻々とつのって行きます。地面を掘って得られる
 僅かばかりの自然薯くらいではとても癒す事はできません。お鈴ちゃんの行動範囲は
 日を追うごとに狭くなって行き、そしてついに大木の根元に開いた窪みの中で動けな
 くなってしまいました。
  「…おなか…すいた…(立って!起きて食べ物を探すのよ!)
 …だめです…もう立てません…大丈夫…明日になればお爺ちゃんが結界を解いて
 探しに来てくれます…(来なかったらどうするのよ!?)
 …あ、たぬきさんだぁ…(そいつよ!捕まえて食べましょう!)
 …ごめんなさいね…お家とっちゃって…(油断してるわ、剣を抜いて!)
 …明日お爺ちゃんが迎えに来るから、今夜だけ…(何してるの?逃げちゃうじゃない)
 …行っちゃった…ばいば~い…(起きて!追いかけるわよ!)起きちゃだめ…
 …たぬきさんは何を食べてるのかしら…(見つけた!今よ!)手裏剣使っちゃだめ!
 …木の実のある所教えてね…(外した!けど足に当たったわ)殺さないで!
 …怖がらないで、お話しましょ…(とどめよ、剣を…)殺さないで!!
 …たぬきさんってあったかぁ~い…(おいしそう…)殺しちゃだめ!!
  いやああああぁぁぁぁ!!」

  「よかったね、お鈴ちゃん。給食全部食べられるようになって」
  「あんまし無理な修行すんじゃないわよ。それでなくてもあんたは成長遅れてるんだ
 から。ほら、牛乳余ってるからもう一本飲みなさい」
  「は、はい。ありがとう、やっこさん(*^^*)」
  こくこくと、おいしそうに牛乳を飲み干すお鈴ちゃん。しかしその幼い胸に去来する
 のはどんな想いでしょうか…。
  クラス全員で手を合わせて「いただきます」を唱和していた時、お鈴ちゃんだけ
  「ごめんなさい」
 と呟いているのに気付いた人はいないみたいです。


  MAP5804 お次、マリンちゃん出番です DELTA_WAVE
P.S
 …あ、狼さんだぁ…(そいつよ!捕まえて食べましょう!)
 (中略)
 …狼さんってあったかぁ~い…(おいしそう…)殺しちゃだめ!!
  いやああああぁぁぁぁ!!」
  マリン「リーヤ君はどこ行ったのよぉ!(--#)」

  あ、ギャグですからね(^^;)
P.P.S お鈴ちゃんが、壊れた心をどう修復したか書ける描写力は有りません。