#148 Article 22615 Posted at 1995/10/23 07:20:10 by DELTA (MAP5804) [KANNOU]

Subject: どんな匂い?

それぞれあなたの背中におんぶされて眠っていると想像して下さい。彼女らはあなた
 を完全に信用し切っています。劣情を催さない様に(^^;)

  主人公のチャチャは、お日さまの匂い。微かにせっけんも混じっています。要するに、
 天日でよく干された木綿の香りですね。やっこちゃんやマリンちゃんに、今日も一日追
 いかけ回されて疲れたのでしょう、目を覚ます気配はありません。ふいに追い風が吹い
 て、チャチャの金髪が甘く香ります。いつまでも子供だと思っていましたが、汗の匂い
 の中にはもう「女の子」の部分が含まれていす。セラヴィの食事がいいのでしょうか、見
 掛けよりちょっとだけ重い身体が、あなたの背中で寝息をたてています。

  お約束通り、マリンちゃんは潮の香り。都市の近くの海水浴場のヘドロ臭いそれでは
 決してありません。強い日差しの紫外線を受けた南国の海の、オゾンの匂いが微かにし
 ます。いや、これは…海の匂いだけではありません、「女の子」の生の匂いです。何を思っ
 たかマリンちゃん、わずかに腕に力をこめ、あなたの背中に柔らかなものを押しつけて
 きました。まさか…誘っているのでしょうか?
  「…くすん…リーヤ…君…」
  そうですね、そんな筈はありません。リーヤに気持ちが通じなくて、ちょっと淋しかっ
 ただけなんです。「寝ぼけていたんだ」という事にしておいてあげましょう。

  やっこちゃんは眠っていません。体育の時間のマラソンで転んで捻挫をしてしまった
 そうです。痛みが精神集中を妨げ、ほうきで飛ぶ事が出来ません。黒ずきんに染みつい
 た様々な薬品の匂いと、しっぷ薬のメンソールの匂いで連想するのは、やはり病院でし
 ょうか。すりむき傷に付けられた消毒薬が、いっそうその印象を強めます。
  「とりあえず、顔にけがしなかったのは幸いね」
  気丈にも一滴も涙を流さなかったというやっこちゃん。一生懸命弱みを見せまいとす
 るその姿は、右足首の包帯とあいまってなおさら痛々しいですね。ボケ始めたお爺ちゃ
 んに代わって魔法薬品店を切りもりせねばならなかったという境遇が、やっこちゃん
 から子供らしい甘えを奪ってしまったようです。あなたが強引に言わなければ、無理に
 でもほうきに乗って一人で帰ろうとしたでしょう。「誰にも迷惑をかけずに生きる事は
 不可能」だと悟るのが、実は大人への一歩なのですが…。
  「ありがとう、ここでいいわ」
  家の戸口で、それでも愛想笑いを向けてくれるやっこちゃん。つたい歩きが扉のむこ
 うに消えます。体重だと思っていた重さの一部は、マントの中の薬瓶だったようです。

  お鈴ちゃんの匂いは何故かしません。心配になって振り向くと…ああよかった、ちゃ
 んとおぶさっていますね。それにしてもお鈴ちゃん、ぷにぷにしていると思ったのに妙
 にゴツゴツしています。忍者丸ってカロリーよりミネラル/ビタミン重視なのでしょうか?
  おや?…心なしか足が上がりません。目も霞んできました。もう歩けません。あなたは
 峠道の途中で倒れてしまいました。
  「ごめんなさい…でも忍者屋敷の場所を教えるわけにはいかないんです。風下に立っ
 てしまったあなたの不運を恨んで下さい」
  声のする方に顔を向けると、そこにいるのはお鈴ちゃん。ではあなたが今までしょっ
 ていたのは…何と、丸太だったのです。
  「あの…この森、狼が出ますから、日が落ちるまでに必ず帰って下さいね」
  それだけ言い残してお鈴ちゃんは消えてしまいます。お~い、しびれ薬はいつ切れる
 んだよぉ(;_;)

  MAP5804  あ!フランソワちゃんを忘れてた  DELTA_WAVE