#148 Article 21923 Posted at 1995/10/05 20:55:36 by DELTA (MAP5804) [STORY]
Subject: 結婚式前日の夜
74話で、やっこちゃんがやけにあっさりお鈴ちゃんに説得されたなあと思って。
どろしーちゃんとセラヴィの結婚が決まりました。正統王家復活から半年、引き続く
祝い事に国中が浮かれています。そして今日は結婚式の前日です。セラヴィが街を歩
いていると人々がお祝いの言葉をかけてくれます。あれぇ?セラヴィ先生、何で今頃
こんな所にいるんです?バチェラーパーティーに出てる筈じゃ…
「ホムンクルス(相当昔のゆ~さく先生のArt.に出てたヤツ)に任せてあります。相変
わらずああいった賑やかな所は苦手で…」
「今朝になって"エタニティ・シャード"が足りないのに気付いたの。まだ地下室にい
くつか残ってると思ってたのに」
そりゃまた凄い。どろしーちゃんへのプレゼントに使うんですか?
「はい(^_^)。あれを使ってどろしーちゃんの指輪を…おっと、これは秘密ですよ」
判りました(^_^)。しかし、モノがモノだけに街中歩き回っても見つかりません。強大
なポシビ^H^H^H魔力を秘めたエタニティシャードは、荒廃した国土を復興させるため
に供出させられていて、今ではヤミでしか手に入らないようです。そのヤミ市場でも
需給の端境期なのか、「最近入ってこない」とまで売人に言われる始末です。
「弱りましたねぇ、どうしても今日中に手に入れないといけないのですが」
「作用を"永久化(パーマネンス)"する為には、今あるだけじゃ全然足りないわ。どろしーち
ゃんそれなりに魔法耐性強いのよ」
知ってる限りの魔法用具店を回ったセラヴィ、結局見つからず途方に暮れています。
「セラヴィ様…セラヴィ様ね?こんな所でお会いできるなんて!」
聞き慣れた声に驚いて見下ろすとそこには紫紺のずきんを被った少女が潤んだ目を
向けて立っています。
「や…やっこちゃん、(^_^;;;)これはまずい所を見つかってしまいましたねぇ」
そうです、表向きここは普通の雑貨屋ですが、顔見知りの客には政府御禁制の品も売
ってくれる(それこそサ○ンからモノポール爆弾ォィォィまで)店だったのです。
「うふふっ!ないしょにしておいてあげますわ。だからあたしには教えて下さいます
よね?何をお買いになったんです?」
"秘密の共有"を強制するとは、やっこちゃんやりますね。
「いや…それは…」「エタニティシャードを探してるんだけど、どこにも無いのよ」
都合の悪い事はエリザベスに喋らせています。やっこちゃん、少し考えてから、
「家に…たぶん二かけらほど有ったんじゃないかしら?けっこう大きかったわね」
「やっこちゃん!お金は出します!売って下さい!!」
思わずやっこちゃんの肩をつかんで真剣な目になるセラヴィ先生。やっこちゃんは
強い力に少なからず驚いたようです。
「…それじゃ今夜、あたしの家に来てください。お渡ししますわ。値段はそこで決めま
しょう」
日も落ちて、辺りは星明かりのみになりました。人目を忍ぶようにして、セラヴィは
やっこちゃんの家のドアをノックします。すると、
「あら!セラヴィ様、いらっしゃい!ささ、中へどうぞ(^。^)」
まるで待っていたかの様に間髪を入れずにドアが開き、セラヴィは少々強引に中に
引きずり込まれます(さながら土蜘蛛ですな)。
「早速ですがやっこちゃん、ここに五万Gありま…」
「まあまあセラヴィ様、こんな所で立ち話もなんですわ。こちらにお座りになって下
さいな。お紅茶、何がよろしいかしら?ダージリン?アールグレイ?」
「やっこちゃん、今日中に持って帰って処理を始めないと僕には時間が…」
「心配なさらずとも、エタニティシャードは、ほらここに」
にこにこ顔のままで水晶の原石状の物体を袖口から出すやっこちゃん。しかし、セラ
ヴィが、つと手を伸ばすと後ろにさっと引っ込めてしまいます。
「お食事、まだなんでしょう?奥に用意がしてありますわ」
やっこちゃん、悪戯っぽい笑みを浮かべながらセラヴィを食卓につかせます。テーブ
ルには既にスープと前菜が置いてあります。
「(ヒソヒソ)どうするつもりなの、セラヴィ?」
「(小声で)やっこちゃんが今もっているのが本物だという証拠が無い以上、無理やり
取り上げれば元も子も無くする結果になりかねません。渡す気になるまで待つしかな
いでしょう」
「まさかこれを食べる気?しびれ薬とか入ってるんじゃないかしら」
「招待を受けた家で出された食事を疑うのは失礼な事ですが…やっておいた方がい
いでしょう。…魔力感知(デテクト・マジック)!」
しかしながら、やっこちゃんがエプロン姿でかいがいしく運んでくる食事には魔法
のかかった物は一つもありません。食器類や胡椒や食卓塩にも、です。さすがのセラヴ
ィも段々と罪悪感にとらわれてきました。
「初めから疑ってかかったのは良くなかった様ですね」
「あんなに何回も食事に魔力感知をかけたらやっこちゃんだって気付くわ。きっと傷
付いてるんじゃないかしら」
「そうですね、反省してます」
セラヴィが食後のワインを飲み干したころ、やっこちゃんが艶やかなドレスに着換
えて戻ってきました。
「一曲、踊っていただけません?」
セラヴィの手を取り、居間へと誘います。居間は何十本ものろうそくで昼間の様に
照らされ、古風にもディスクオルゴールが置いてあります。オルゴールをスタートさせたやっこ
ちゃん、前奏が始まると紺のドレスのスカートを少し持ち上げ、ちょこんと礼をしま
した。セラヴィも礼を返し、身長と歩幅の差に気を付けながら踊り出します。
腰をかがめた姿勢は確かにつらいのですが、上を見上げるやっこちゃんの嬉しそう
な表情を見ていると、止める訳にはいきません。先程の魔力感知の負い目も有って
セラヴィ先生、普通ならしないであろう大サービスです。
やっこちゃんの方も、真上を見上げながら大人の歩幅について行くのはかなりつら
い筈ですが、そんな事は全く表情に出していません。いつかこんな日が来る事を夢見
て鏡の前で練習していたのでしょう、ステップを間違う事もありません。
音楽が終わる少し前から、やっこちゃんの視線がだんだん下がりだします。オルゴールが
停止し、カチリと音を立てるまでに、やっこちゃんの顔はセラヴィから完全に見えな
くなってしまいました。握っていた手の力を緩めると、やっこちゃんの腕はスローモ
ーションのように降りて行きます。かすかに肩が震えていますね。やっこちゃん、泣い
ているのでしょうか?うつむいたままなのでセラヴィには判りません。
突然やっこちゃんは、ひし、とセラヴィに抱き付きます。いきなりだったので、セラヴ
ィどう対応していいか判りません。そのまま、時間だけが過ぎて行きます。
「セラヴィ様…」
「…どうしました、やっこちゃん?」
きつく抱き付いたまま、やっこちゃんはゆっくりと顔を上げます。
「ちょっとだけだけど……膨らんでるのが判るでしょ?」
自らの身体に新たに芽生えた女の魅力を最大限に張って、やっこちゃん一世一代の
大博打です
…と、この後Hになっちゃうのでネット上ではここまで。続きを読みたい人は…私の
頭の中まで覗きに来てください(^_^;)
MAP5804 書けないともいう DELTA_WAVE
Q やっこちゃん、この時着ていたドレスをなぜ結婚式に着て来なかったんでしょう?
A 汚してしまったからです。(劇謎)