#13 Article 8991 Posted at 1994/10/29 02:45:51 by かくた (MAP4496) [BOOK]
Subject: Re:*4 本が買えない /8973 ... /8968 /8965
resをいただいていたのを見落していました(笑)。すいません。 > 私が買うものって本に限らず、CDにしてもLD・ビデオにしても > 注文して1カ月以内に入ってきたためしがないんですよね。 > (CIC-VICTORのビデオソフトなんか3~4カ月もちろん新譜) これが新刊書であれば事情はだいたいわかります。 出版社が新刊を出す場合、大量の在庫を保管できるスペースを持っている出版社は 限られていますから、たいがいの場合わずかな数だけ手元に残してそのほかすべてを 取次に渡してしまいます。そして取次はそのほとんどすべてを全国の書店に割り振っ て配本します(なぜ少し残すかと言えば、乱丁落丁本が見つかったら取り替えなけれ ばならないため)。よっぽど売れそうにない本でないかぎり、配本された本は書店の 店頭に並べられ、返本期限(入荷から2ヵ月だったか4ヵ月だったか……)まで棚に 置かれます。 もしこの時入荷した新刊を買い逃した客から注文されたり、もしくはこの本は売れ るとふんだ書店が追加注文を出したりしても、上記のように版元にも取次にも在庫が ないことがほとんどです。 このような注文に対しては、まずよその書店から返品された本が振り当てられます が、返本期限ぎりぎりまで店頭に並べておくのが普通ですから、十分な冊数が確保で きるのはそれ以降ということになります。逆に言えば、返本期限まで在庫はないのと 一緒です。さらに、このような返本は汚れたり傷んだりしていてすぐには配本できま せん。カバーをかけかえたりヨゴレを落としたりするため、いったん出版社に返され ることが多いようです。 さっさと増刷すればいいと思うかも知れませんが、本の売行きは出してみないとわ からないものです。1、2ヵ月ドッと売れて、それ以上売れない本もありますし、返 品期限まぎわになってドッと売れ出す本もあります。大書店の売上ベスト10にランキ ングされるような本でないかぎり、その本がどれくらいどのように売れたのかは返本 期限までわかりません。出版社も不良在庫を抱えたくありませんから、実売数がわか るまで増刷に踏切れないわけです。 さらに、返本や増刷で本が揃っても、先にupしたアーティクルのような事情で、売 上の高い大書店に優先的に配本され、中小書店には注文より少ない冊数しか配本され ないことがしばしばです。中小書店はそのことを知っていますから、必要な冊数に上 乗せして注文を送ります。1冊欲しいだけなのに10冊注文することもあるのです。 しかし取次や出版社もそのような事情を知っていますから、注文数より少ない量しか 配本・増刷しません。このように、注文を出してもすぐには配本されず、その本の売 行きも落ちて注文を出したことすら忘れかけた頃に注文数ぴったり配本されて茫然と する悲劇が、全国の書店で毎日のように起きています(笑)。 たぶんAVソフトも同様な事情ではないかと思うのですが。 近所のレコード屋ではCDに管理票をつけてまして、それに日付が書込んでありま す。それが返品期限らしいのですが、発売から1~2年と、本に比べて大幅に長いよ うです。発売元に在庫がないとしたら、返品か追加生産を待つしかありませんからこ れは大変です。 つけくわえると、本というのはベストセラーになるもの以外は予想外に売れないも のです。専門書などは初刷1000部で10年かけてやっと売切れなんてことが珍しくあり ません。AVソフトも生産量に関していえば似たようなものだと思います。本に比べ て単価も高いですし……。 余談ですが、ゲームソフトの流通も似たような事情らしいですね。本と違って返品 が効かないだけ問屋・小売店が厳しいらしいですが。そのへんに詳しい方は他にいる と思いますのでどなたかよろしく(笑)。 かくた p.s. 中小の書店の事情に関しては、早川義夫「ぼくは本屋のおやじさん」(晶文社) をお読み下さるようおすすめします。いい本です。たぶん図書館で探せば見つかると 思います。書店でも手に入るかと思いますが。