#13 Article 8023 Posted at 1994/02/05 21:46:43 by ゆ~さく (MAP1754) [H2]

Subject: H2打ち上げ成功ぅぅぅ!!

長文注意。

			H2の打ち上げを見て来ました。

このロケットで、日本はようやっと世界に比肩する軌道利用技術を純国産で
手に入れることになります。				  ^^^^^^

しかし流石に液体燃料ロケットエンジンの開発は大変に難しく、爆発事故で
人命を失ったりして、完成が最初の予定より2年も遅れてしまいました。

当然です。

超極低温の液体燃料と極高温の燃焼室が隣り合っている環境で、噴射ガスの
速度が秒速数10キロにもなろうという強力な「爆発」に燃料を安定供給し
制御しようというのですから、高速流体の振る舞いとか訳の判らん事ばっかし。

でも、見事に役目を果たしてくれました。最新鋭エンジン、LE-7。
たった1基で50mの巨体を押し上げ、その後システム全体としては静止軌道に
2tものペイロードを放り出すという仕事を出来るのですから、今後計画されて
いる このエンジンを何本も束ねるという後継機では一体どんな事が可能になる
のやら。ワクワクします。

	いや、楽しみにしていたんですよね実際。数年も前から。

西側の軌道ステーション"フリーダム"(その頃はロシアの"ミール"との提携は
考えられていませんでした)のステーションに横付けできる宇宙機を規定した
取り決め(「宇宙法」)に、

1,米国のスペースシャトル、及びロケットシステム
2,ESAのロケットシステム"アリアン"、
  及びそれに付随する軌道往還機"エルメス"
3,日本のロケットシステム"H2"、及びそれに付随する軌道往還機"HOPE"

…だなんて記載してあるのを読むだに、あァ早く上がらないかなァと心待ちにして
おりました。

しッかし、いざ見に島まで行ってみると、これがけっこう大変(^_^;)。
このテのモノはシャトルなどを見ても解る通り、1週間2週間の延長は当たり前。
そのリスクは十分承知の上で出かけはしたのですが、毎晩いよいよか いよいよか
と期待させられて延長されると、けっこうゲンナリします(笑)。

たった2回の延長で見れたのだから、これはラッキーな方というべきなんだろうけど?

それより本当に大変だったのは、編集さんだったかも。
緊迫した〆切かかえた作家(除くワタシ(^_^;))が、帰途予定日を2日過ぎても3日過ぎても島から帰ってこないもんだから、どこの編集部もそりゃもう大騒ぎさ(笑)!

				*

>テレビの映像じゃ、音も、マイク/スピーカの再生範囲でしか伝わらないし、
>巨大な質感も、風も、空気の振動も、匂いも、わからないんだもん。

はいはい、旦那の言う通り。これですよね。
映像の方は、間近で見てTVと違う違う点を上げれば、視界が解放されている
事のダイナミズム、そして力感のある煙の流れ、強烈な噴射炎の輝き…等です。
でもこれは、想像力で補正しようとすれば何とかなる範疇ですよね。

でも、「音」はKYOGOさんが指摘している様に、実際に体験してみないと、
TVでは伝わらないものでした。

MINEさんの文にもある様に、ワタシもリフトオフの時の爆音は
「ドドドドド」とか「ゴゴゴゴゴ」とか、くぐもった重々しい音を
想像していたのですが、実際はもっと荒々しいものでした。
KYOGOさんの言っている「空気の震動」が凄いです。
射点の周り3km四方の空気そのものが太鼓の皮になり、その上で大量の爆竹を
焚いたみたいに空気がビリビリバリバリと鋭い震動を伝えてきます。

3kmの地点であんな音がする噴射って、エンジンは一体どんな過酷な環境に在るのやら。
				*

>なんかバルブのあたりにトラブルとか言ってました。

これって、実はすっごく詰まらないトラブルだったんスよ。
フェアリング(機体頭部の衛星を積んでいるカプセル)の内部の気温を、液体燃料の
低温から22゚Cに保つための換気ダクトが外れただけ。
元々発射の時に自然に外れる物だし、宇宙に出たらもっと環境は過酷なのだから、
いらんといっちゃあいらんようなモンなんだけど。
でも、そのダクトに、内部の衛星と通信するためのケーブルが相乗りしていたもん
だから、さぁ大変。
もう一度サービスタワーを閉じて、また開くのに(何といっても18階建てのビルを
開いたり閉じたりするようなモンですから)2時間を消費してしまいました。

その位の遅れは計算の中に入っていたのですが(全ての準備が整ってから1時間の
ホールドがあり、打ち上げ時間も2時間までは延ばすことが出来ます)、10年間
かけた計画だから失敗させたくないとの事で、大事を取って延期しますとのアナ
ウンスが流れたときには結構皆んなアタマに来ました(笑)。

でも、それが大正解。
その日までは台風並みの突風が吹いて雨も時折激しく打ちつけ、フェリーも欠航し
新聞も届かないような天候だったのですが、当日はそれまでが嘘のような晴れ時々
曇り無風の絶好のコンディション。

見事打ち上げは成功。

打ち上げ予定時刻の7:00は、西の国だけ在って まだかなり薄暗かったのですが、
それも迷い込んできた漁船のお陰で20分延期され、実際のリフトオフの瞬間には
美しいバラ色の朝日を浴びて上昇してゆく機体を見ることが出来ました。

でも、アッという間(笑)。

サターン5型とかシャトルとか、もの凄く重い機体を力任せに それも緩い加速で
打ち上げる光景を良くTVで観ているもんだから、我がH2は、それが50mの
巨体とは信じられない様な速度でロケット花火みたいに飛んでっちゃいました。

その後10数分で第1段は燃焼し尽くし、90分もすると切り離されて地球を1周して
きた大気圏再突入試験衛星OREXの帰還報告があるのだから、待たされた割には
実際のミッションはアッという間のもんです。

ああ、いいモン見れた。

また行こうっと。

なんと言っても種子島は、海がもの凄く綺麗だし。
そうそう、今後、種子島に行く気のある方へ。
宇宙開発センターは、素晴らしく風光明美な場所に立てられています。
美しい亜熱帯の浜辺に、緑の小島を結ぶ防波堤と珊瑚礁。その岬の岡の中に
埋め込まれるように射点を見据える観望台が作られていて、そこのシャワー
ルームはシーズン中には一般のヒトにも解放されるらしいです。
大きな駐車場と食堂、けっこう見応えの在る宇宙開発記念館とかもあるし、
開発センターは観光スポットとしてもお薦めですよう。

そうま達也氏が種子島の事を『自然が綺麗で、食べ物が安くて美味しくて、
のんびりできて、最新メカ(ロケットとジェットホィール)の見れる島』って評してた。

あ、あと、鹿児島の、いや九州の旅館ってのは最高。
この間の折笠水谷両ね~ちゃんコンサートの時泊まった阿蘇の旅館も良かったけど、
指宿辺りの旅館も安くて料理が美味い!
関東圏なら3万円は取られるなッてな料理が付いて、1泊2食1万円でした。
アサヒガニにウチワエビにキビナゴにトンコツに…(^_^)

				*

>いや~、宿でネーム切っていたりするんではないでしょーーか?(^_^;)
>仕事道具は現地調達とか?(笑)

アタリ(笑)。

>『でもって、いつL.A.のビデオが観れるのだろうか?(^^;』 

その内、どっかのボードのOFFに今回のと合わせてテープを持っていきましょうかね。
ゆ~さく!