#13 Article 4127 Posted at 1990/07/28 03:14:50 by 紫苑 (MAP1558) [QUIZ]

Subject: 復活記念第2段推理クイズ<恐喝>いっきまぁす!

推理クイズ<恐喝>

  昭和43年のクリスマスの夜の事だった。プレイボ-イとして有名な作家の
 市川 利明が、銀座のバ-でホステス達に囲まれて酒を飲んでいると、   
 「小説家の市川先生だね?ちょいと顔をかしてくんねぇか?」       
 と、サングラスをかけた男が声をかけてきた。顔には凄い傷痕のあるヤクザだ
 った。                                
 市川は内心ギクッとしながらも、                    
 「話なら、ここで聞こうじゃないか」                  
 と、ホステス達の手前、ぐっと虚勢をはった。男はそばに座り込んで、   
 「俺は、千鶴の亭主でさ。バ-・エルザにいた千鶴のね」         
 「彼女がどうした?」                         
 「ガキを産んだのさ。先生の子をね」                  
 「何、僕の?冗談言っちゃいけないよ。彼女とは2年前に、手を切ったんだよ」
 「生まれたのは去年でさ。千鶴と別れる直前に、先生がまいた子種だ。最初は
  俺は自分の子だとばかり思ってたが、顔達が全然俺に似てないんで、赤ん坊
  の血液型を調べてみたら、案の定、俺のガキじゃなかった・・・女房を問つ
  めたら、実は、先生の子だと白状したんだよ」             
 「彼女の告白だけじゃ、僕の子だと言う証拠にはならんよ。君の前でいっちゃ
  悪いが、彼女は浮気な女で、僕以外に男は5,6人いたからね」     
 「そんなに疑うんなら、明日にでも赤ん坊にあってもらうしかないようだな。
  先生にそっくり生き写しだぜ」                    
 市川は相手を疑わしげに見て、                     
 「その赤ん坊は、男かね?女かね?」                  
 と、聞き返した。                           
 「女だよ」                              
 「名前は?」                             
 「美沙子。女房が着けた名だ。ヤクザな俺の子を産むより、ご立派な先生の子
  種が欲しかったんだろうよ。知らぬは亭主ばかりっ  てやつさ」
 と、男は苦笑いまじりにそう言った
 「じゃ、仮にその子が僕の子だとして、君は私に一体どうしろと言うんだね?」
 「俺の方は先生に引き取ってもらいてぇんだが、千鶴が、たとえ俺と離婚して
  も、手離さないと言いやがるんで、そうまで言われちゃ、俺も女房が可哀想
  だし、俺達夫婦の子として出生届けも済ましてる事だし、まぁこのまま育て
  ますがね。その代り、養育費をだしてもらいたいんだが」        
 「いくらほしいんだ?」                        
 「成人するまで毎月5万円、それに出産費用と、この1年間の養育費として1
  00万円」                             
 「フンッ、馬鹿ばかしい。産みもしない赤ん坊をネタに、僕から金をゆすろう
  としたって、そうは問屋がおろさんよ。さぁ、早く帰りたまえ。でないと、
  詐欺恐喝で警察に訴えるよ」                     
 と、笑いとばして、市川が高飛車にきめると,サングラスの男はヤクザの威勢
 もどこやら、こそこそとシッポまいて逃げた。              
  その見事な撃退戦術に,ホステス達は目をまるくして感心し、      
 「先生、一体、何を証拠に、あの男の嘘を見破ったの?」         
                                    
さてどうやって市川は、あの男の嘘を見破ったのだろうか?