#13 Article 11160 Posted at 1997/02/14 14:36:37 by 南極二郎 (MAP1537) [DOUGA]

Subject: Re:*9 最近のアニメって、、、 /11159 .... /11142 /11134

まず。映画が発明された頃、機構的発明の1894年のキネトスコープが
毎秒48駒、商業的発明の1895年のシネマトグラフが毎秒16駒と言
う規格でした。これがトーキーになり光学録音の特性を上げるために50
%増しの毎秒24駒にされたと言われます。また、一瞬だけ存在したスー
パーパナビジョン「TOOD-AO」が毎秒30駒。「ショウスキャン」
と呼ばれる方式は毎秒60駒を消費します。
8mm映画になりますと毎秒18駒と言うモードもありました。同時録音
のタイプはこれでしたね。

さて、これはフィルム資源上の問題でありまして、映画館の上映となりま
すと話が別です。フィルムは現在の駒と次の駒が断続的に存在しますので、
それを入れ替える瞬間が必要になります。で、それが永続的に続くわけです。
人間の目と言うものは不思議なもので、規則的なものには鈍感で、そこに
不規則な物が入り込むと途端に鋭敏になります。
明滅のちらつきが知覚出来なくなる周波数をCritical Flicker Frequency
臨界融合頻度と言う。で、このCCFは明るさによって差はあるものの、
秒50回の明滅だとOkらしい。(蛍光灯の明滅は秒50か60で連続的
に行われますが、古くなってきてそれが時々崩れるといきなりうざったく
感じてしまいます。)
さて、フィルムは秒24駒消費しますが、実際は96分の1秒が2回、暗
黒部(映写機の羽根が光をさえぎる)が同様に96分の1秒が2回映写さ
れて、その2回目の黒い部分で次の駒に移ります。

映画などで画面がパンする、もしくは画面を何かが横切るとき、横移動す
るものがぶれて見えることがありますが、これは駒あたり2回づつ映し出
されて連続性が失われてしまうためです。TVだと分かりませんが映画館
ではそう見えます。

アニメで言うと、背景の引き(PANとかフォロー)を2駒~3駒おきに
すると同様なカクカク動く(フリッカー)現象が見られます。
例えば、アニメのキャラが「その場歩き」をして、背景を引くと「フォロ
ー」と言う指定になります。歩きの動画が8枚(1秒で3コマ指定)で右
左往復します。足が地面についていると、背景は足の動きに合わせて引か
ないとズリズリとムーンウオークしてしまいます。だもんで、背景の引き
を3コマおきにすると今度はカクカクしたフォローになってしまいます。
これを回避するには、足もとを見せないか、歩きをフルアニメにするしか
ありません。動きに合わせたカメラワークやつけPANも同様。

「ルパン三世 風魔一族の陰謀」では、この辺を気にしているのかPAN、
フォロー、カメラワークがちょっとでも入るといきなり一駒作画になって
います。もう、徹底して笑えるくらいこだわっています。

さて、

  ● a
    ○
  ○
   ○
      ○
       ○
         ○○● b

cこのようなaからbに至る動きがあるとします。
二駒作画だとすると
  ● a
    
  ○
   
      ○
       
         ○  ● b

この部分を作画することになります。これが三駒作画だと
  ● a
    
  
   ○
      
       
         ○  ● b
運動曲線さえ間違わなければ、そんな気にならないわけです。
作画のうまい人が三駒作画でもOkなのはそういった動きが
きちんとしているからです。逆にいっときはやった「海外との
合作」では、動きが下手なのに枚数だけ多いアニメがたくさん
ありました。