#13 Article 10925 Posted at 1996/07/03 02:45:58 by MSP-Iris (MAP4370) [DSM.IV]
Subject: Re:*19 就職活動と記憶操作 /10901 ...... /5405(#210) /5219(#210)
もう少しだけ。
誤解の無いように書いておきますが、別にあたしだってDSMが絶対だとか
問題が無いとか言うつもりはないです。あたしが作った基準でもないんだし、
操を立てる気はありません。TOSHI さんの書き込みが批判というより否定に近
いものなので、いきおい擁護側に回ってしまうのですけれど。
ただ、操作診断というジャンルには好意を持っていますし、有意義だとも思
っています。「本当にわかっていることならアルゴリズム化できるはず、もし
できないのなら本当にはわかっていないということだ」といったのは誰だった
かしらん。
TOSHI さんはDSMを使っても正診率に差が無いという点を問題にしておら
れますが、例えば、熟練医が正診率90%で若手医師の正診率が70%だとし
て、DSMの正診率が85%であるなら、DSMを利用することによって医師
全体の正診率は上がるわけです。操作診断のメリットというのはこういうこと
なのではないでしょうか。だから85%は90%より小さいからこんな基準は
無意味だという議論は成り立たないのです(もちろん90%目指して改善して
欲しいが)。
それから、もう一つ考えられるのは、DSMは「状態像→疾患名」の指針で
あり、医師が「症状→状態像」の判断を誤れば、DSMを使っても正診率は上
がりっこありません。
あと、もちろんもう一つのメリットとして、世界的な比較基準というもあり
ます。やっぱり研究が進まないと診断も治療も進みませんから、研究のための
基準としてのDSMってのも重要です。
DSMに対する批判というのは、まあ有名なところでは中安先生でしょうか。
いろいろな批判があるようですが、先にあたしが
> むしろ、患者が困っているのにDSMの基準では診断がつかない、というほうが
>多いように思えます。
と書きましたが、これもすでに文献に載っていますね。(^^;
要するに「症状の出揃っていない初期の診断において無力である」と。
それと、精神科の特殊性みたいな話ですが、あたしは身体だろうと精神だろ
うと医師が患者に働きかけるにあたっては慎重であるべきだと思っています。
それで、精神科の特殊性は「患者本人の望まない医療を受けさせねばならない
ことがある」というほうが大事だと思うんですが。
MAP4370 MSP-Iris