#13 Article 10351 Posted at 1995/08/09 07:03:23 by MUK (MAP1480) [PLANET]

Subject: Re:*10 土星の環が無くなります(^^; /10349 .... /26655(#130) /26601(#130)

このころ,ケンブリッジのセント・ジョン学院の学生であったアダムス
 (John Couch Adams 1819-1892)は1843年に学士号をとると,早速この天
 王星の軌道問題にとり組んだ。彼は未知惑星の軌道半径をボーデの法則
 により天王星の約2倍とし,軌道面は黄道面と一致していると仮定して,
 天王星の運行を最もよく説明できる解を得た。彼はその結果を1845年9
 月,ケンブリッジ天文台のチャリス(James Challis 1803-1882)に,また
 11月にはエアリー宛に送り,未知惑星は計算結果から2°の範囲内に
 見いだされるであろうと述べた。

 彼の論文には,ハーシェル以後の天王星の観測位置と,彼の仮定による
 計算位置の比較があったが,両者はきわめてよく一致していた。これに
 対してエアリーは学生アダムスの力量を試そうと,天王星の動径ベクト
 ルの誤差についてどう考えるかという質問を彼に送った。ところが,何
 故かアダムスはこれに返事を出さなかったため,そしてエアリーも多忙
 ゆえに結局,何の探索も行われず時が過ぎていった。

 一方,フランスのルベリエ(Urbain Jean Joseph Leverrier 1811-1877)
 もこの問題を研究し1845年11月10日,フランス学士院に最初の論文
 を,また2報目を1846年6月1日に提出し,未知天体の惑星を考えると
 天王星の軌道の乱れを最も上手く説明できることを示した。


      ルベリエとアダムスの求めた惑星の軌道要素

           ルベリエ        アダムス
                     仮定1    仮定2
 軌道半長径(AU)   36.154      38.38     37.27
 離心率        0.1076      0.16103    0.12062
 近日点黄経    284°45′     315°57′   299°11′
 平均黄経     318°47′     325°08′   323°02′
 元期       1847.01.01    1846.10.01   1846.10.01
 真黄経      326°32′     328°     329°

        注:ボーデの法則のn=7に相当する軌道半長径は38.8AU


 報告をみたエアリーは,アダムスとルベリエの軌道要素がよく一致して
 いることに気づき,ルベリエ宛にアダムスに送ったのと同様な質問状を
 出すとともに,チャリスにこの惑星の探索をすすめた。チャリスは7月
 29日から黄道にそって30°×10°の領域を2回にわたり掃天したが,
 彼の手元に詳細な星図がなかったため,捜索は難航した。観測した星の
 位置を一つずつ星図に記入し,しばらく期間をおいて同じ場所を調べて
 位置の異なる星がないか確認する根気のいる作業である。

                           つづく