#13 Article 10348 Posted at 1995/08/08 06:18:15 by MUK (MAP1480) [PLANET]

Subject: Re:*8 土星の環が無くなります(^^; /26815(#130) .... /26655(#130) /26601(#130)

夏休みの宿題です。

 海王星の発見は,天体力学が勝利をおさめた著しい例として有名である。

 1821年,パリのブーバール(Alexis Bouvard 1767-1843)は,木星,土星,
 天王星の運行表を作成した。これは1783年にラプラス(Pierre Simon
  Laplace 1749-1827)がその天体力学論の中で展開した摂動論を基にし
 て,惑星間の相互作用も考慮したものであった。木星と土星の運動はこ
 れで十分説明され,観測の結果とも一致した。しかし天王星の運動には
 どうしても説明できない乱れが残った。

 はじめ,ラプラスの理論が間違っているのではないかという議論や,ハ
 ーシェル(Frederick William Herschel 1738-1822)の天王星発見以前の
 古い観測は精度が悪いため,それを除いて計算すべきという意見があっ
 た。しかし前者はラプラス理論に矛盾が見つからず,後者は新たな観測
 値にも運行表との不一致が出てきたことで取り下げられた。その値は18
 30年には20″,1840年には90″に達した。この時代の観測精度は0.1″程
 まで進んでいたので,このずれはあまりにも大きかった。

 一方,ベッセル(Friedrich Wilhelm Bessel 1784-1846)のように土星の
 質量にもっと大きな値を採用してはどうかという提案があったが,これ
 も他の観測と矛盾することが判明した。そのうちグリニッジ天文台長エ
 アリー(George Biddel Airy 1801-1892)は,天王星の黄経方向のずれの
 みならず,動径ベクトル(太陽-天王星を結ぶ線分)にも食い違いが生
 じていることを発見し,問題は大きくなるばかりであった。ゲッチンゲ
 ン王立科学協会は,1846年9月までにこの問題に満足すべき解答を出し
 た者に賞金を与えると発表した。

 こうした中から,天王星の外側に未知の惑星があって,天王星の運行を
 乱しているのではないかという考えが生まれてきた。ベッセルはハーシ
 ェルの息子のジョン・ハーシェル(John Frederick Willam Herschel
 1792-?)への手紙で,天王星の軌道が未知惑星によって撹乱されている
 に違いないと書き送っているが,結論を見ないうちに亡くなってしまっ
 た。そうこうしているうちに,天王星の運行表からのずれは,1845年
 には133″に達した。
                         つづく