#13 Article 10199 Posted at 1995/06/09 02:45:21 by MSP-Iris (MAP4370) [ANTIBIO]
Subject: Re: Re: Re: 風邪に抗生物質? (Re: おおばやしみゆき単行本) /24881(#130) ... /24850(#130) /4644(#70)
こーゆーネタには敏感に。(^^;
長文になってしまったのでサロンへ振ります。
まず、風邪(普通感冒)とはなんぞや、ということからですが、
・上気道、とくに鼻粘膜の急性炎症を主とする症候群で、一般に軽症、
予後良好である。
・通常ウイルス感染によるもので、おとなの場合主としてライノウイ
ルスによる。飛沫感染、または手指による接触感染が主。
と言えると思います。
風邪に対して有効な薬剤はなく、ひたすら対症療法になります。(*1)
で、抗生物質が効いた...という例ですが、もしかしたら、重複
して細菌感染してるんじゃないかと思います。例えば、連鎖球菌のA、
C、Gの各群は咽頭炎を起こしますから、考えられると思います。症
状は、のどが腫れ、頭痛がし、熱っぽい...風邪ですな(笑)。これ
なら、ペニシリン系(penicillin G、ampicillin 等)は良く効きます
ね。
> あと、セフェム系の抗生物質も多用されてますね。
だから、MRSAがはびこるんです(ちょっと言い過ぎかも(^^;)。
それからですね、抗生物質に副作用があるのは事実ですが、あまり
そこにばかり注目して、不安を煽るようなのは御遠慮いただきたいで
す。そりゃまぁ、お菓子を食べるみたいに薬を飲むのは止めた方が良
いですが...
あと、MASAMI KUN さんが血中濃度について書かれてましたが、これ
も結構大事なことです。つまり、投薬された時点で血中濃度が上がり、
その後(放射性物質の半減曲線のように)ゆっくり落ちていくわけで
す。抗生物質の場合、
・最高濃度(飲んだ直後)で副作用が出ないような安全な濃度になる
ように。
・最低濃度(飲む直前)でも、殺菌(ないし静菌)作用がある濃度に
なっているように。
という風にされています。(*2)(*3) ところがですね...
「あ~、朝の分飲み忘れたから、昼に2回分飲んじゃえ」
いるんです、こういう人が。(^^;) 止めましょう。
>テトラサイクリン系は、CaやMg、Al、Feと一緒に服用
>してはいけません。つまり、牛乳も駄目なんですね。
これは副作用とは関係ありません。キレートを起こし吸収低下する
ためです。貧血治療用の鉄剤を濃い緑茶と一緒に飲んではいけない、
というのと同じです。TCの一番大事な副作用は「催奇形性」、つま
り妊婦には禁忌です。
>クロラムフェニコールに
>なると、骨髄機能抑制という、世にも恐ろしい副作用が待ち構えています。
一方CPの方は、再生不良性貧血を起こすことがあるというのは有
名で、このおかげで、非常に広域な抗菌スペクトルであるのに、現在
では使用が限られています。
でも、TCやらCPやらって、売薬にあります?
医師から投与されているのなら、当然その辺の副作用はチェックさ
れているはずです。
(*1) 一般にウイルスに対して効く薬があるかというと、一応はありま
す。単純ヘルペス脳炎に使うアシクロビル、Ara-A、C型肝炎に使わ
れるインターフェロン等がそうです。
(*2) これ、厳密にはちょっと違うんです。というのは、薬剤が体内に
なくなったからといって、すぐに菌が増殖し始めることが出来ない
場合があるからです。グラム陽性菌の場合、6時間ほど間隔があい
ても良いとされています。
(*3) これの実習(エミュレーション)をしたことがありますが、結構
辛かったです。投与間隔を短くすれば楽になるのですが、1日4回
を越える投与は現実的ではありません(飲む人の身になってみまし
ょう(^^;)。
MAP4370 MSP-Iris