#124 Article 2947 Posted at 1995/05/06 07:31:34 by ASA (MAP2105) [HAKAIDER]

Subject: Re: 人造人間ハカイダー /2866

『ゼイラム2』で映画に開眼した雨宮慶太の次回作ということで、60分の半
端映画とはいえけっこう期待してたんですが、30分足りないことを考えても悲
しくなるような出来具合。そりゃないよぉ。一行目の「映画に開眼した」のあと
には「(?)」を補っておいてください。

 まず、「正義」側のグルジェフとミカエルがまるで正義に見えない。ハカイダ
ーを悪と定義づけるためには敵役グルジェフに三分の利を与える必要があるのに、
正義の名のもとにおける独裁しか描かれてていない。そのために、彼が正義を詐
称する単なる悪人になってしまい、結果としてハカイダーが悪に見えない。
 そのせいで最後にハカイダーが単身グルジェフの本拠に乗り込んで行くとこが、
非常に底が浅い。テレビの時代劇(『三匹が斬る!』? これはこれで好きだけ
ど)じゃあるまいし。

 で、アクションに迫力がない。やっぱり雨宮監督はアクション映画には向いて
ないようです。『未来忍者』ではそれを造型物が救っていたし、『ZO』ではス
ピード感でフォローできてた(それでもライダーキックはださかった)し、『ゼ
イラム2』では次々と起こるトラブルを、機転で解決するという展開を連続させ
てアクションの比重を減らしていた。
 しかし『ハカイダー』では純然たるアクション映画を目指し、見事に失敗して
いる。冒頭のバイクアクションから、ラストのミカエルとの一騎討ちに至るまで、
どうにも締まらない。グルジェフの正義を絶対とするロボット・ミカエルのキャ
ラクターの薄っぺらさがその締まらなさに輪をかけている。

 そうかと思うとヒロイン(宝生舞は思っていたよりかわいかったが)の夢のシ
ーンに延々と時間を裂いたり、構成的にも難が目立つ。こうなってはお得意のデ
ザインワークも白々しいだけで、何の感銘も呼び起こさない。
 製作者(企画・監督・脚本からキャストに至るまで)側の自己陶酔ばかりが目
につく最底の映画。雨宮監督は東映と縁を切るべきではないかと思う。もっとま
しな企画とましな脚本があれば、面白い映画が撮れる人なのだから。

 併映作品では『オーレンジャー』が凄かった。マシン帝国の皇子ブルドントが
映画を作るといって人間とアンドロイド兵に本物の戦争をさせ、延々とフィルム
をまわしている。そこへオーレンジャーが迷い込み……なんてあらすじは実はほ
とんどどうでもよくて、気味の悪いお面をかぶった人間の兵隊がばたばたとアン
ドロイド兵に虐殺されるのを見て、ブルドントが「人間はすぐ死んでしまって役
に立たない」などとのたまうイカれ加減と、こばやしよしあき(なぜかひらがな)
監督お得意の魔空空間的演出で脳髄を洗浄する気違い映画、駄作とも傑作とも判
断できない文字通りの「怪作」。
 撮影準備中に殴り込んできたオーレンジャーに、ブルドントが「出番が違うぞ」
というくらい映画撮影の部分にこだわっていたら、傑作と言えたかも知れないけ
れど……。

								  ASA