#12 Article 6900 Posted at 1990/03/04 05:09:55 by ムツキ (MAP1482) [COLUMN]
Subject: 連載コラム Vol.3
******************************************************************************** 連載ネット・コラム 「フリーライターの甘美なる日々」 第3話「THE詭弁(言い訳)」後編 ******************************************************************************* 前編に続き、詭弁の最たるモノを2、3紹介しよう。 詭弁その1「ハードデイスクがクラッシュ!しました」 近年、我らが不良ライター諸君もワープロに代わってパソコンによる原稿執筆(入力)を行なう者が増えてきた。 文書データしか扱わない文筆業がなぜ、ワープロからパソコンに買い替える必要があるのか・・・? その代表的な理由としては下記のとおりである。 編集部へのフロッピー入稿の際、DOSデータの方が処理が簡単であるから。 作業効率の向上に役立つプリンタバッファやレーザープリンタがあるから。 儲かったギャラに対しての税金対策であるから。 情報収集のためにネットをやりたいから。 などと、理由をつけたらキリがない・・・・・・ しかし、その真の理由は雑誌取材時のための見栄とハードディスク(以下HD)があるからである。(極論かもしれないが) よくある著者近影なる記念撮影を雑誌社から依頼されて、電脳書斎なる現代のトレンディをでっち上げるため、愛用の机の上にパソコン一式を置きたがるのである。 もちろん、その時には専用の本棚からは「レモンピープル」や「ファンロード」は撤去され、代わりに文学全集や百科辞典の類が列を並べることになる。まさに見栄である。 では、なぜ、虚栄心の塊のような不良ライター諸君は、一見ただの箱のように見える地味なHDを必要とするのか・・・? その答えは・・・「HDが不良!」=「修復不可能」=「編集部のあきらめ」である。 つまり、締切を過ぎても書いていない原稿を、あたかも書いてあったようにして、HDが壊れたことで、その窮地を逃れるためである。 以前はこの方法の旧タイプとしてフロッピーディスクが壊れたという言い訳が多かったが、今となっては、バックアップを取らなかった作家側の過失行為として、遅れの理由にはならなくなっている。 それでは、HDの壊れる原因のいくつかを紹介しよう。(すべてウソである) 作業中、HDの電源コードをネコが抜いた。(なぜかネコを飼ってるヤツが多い) 突如の停電。または落雷。(季節を考慮しなければならない) 地震の影響でHDに物がぶつかった衝撃で。(地震速報の後、このケースが続出) このように、常人であれば災いとなるHDの事故を、狂人と化したライター諸君は、幸いに転じて、窮地を逃れるのである。 詭弁その2「逃避行で旅にでる!」 前回でも述べた留守番電話。その応答録音に次のようなメッセージを録音して、一目散に、夜逃げを決め込むのである。 「何もかも、疲れ果てました。独りになれる旅にでます。どうか捜さないで!」 「締切のない世界へ行きます。後はよろしく!」 まるで、遺書である。小生もこの言葉を何回か耳にして驚いたことがある。 そして、警察へ捜索依頼したことがあり、その時はエライ目にあったのである。 この手は、確かに締切から逃れる最良の方法かもしれないが、永久的に業界から抹殺される自殺行為でもある。そして・・・多くの友人を無くす恐れも秘めているのである。 詭弁その3「朝までチャット!言い訳ディベート合戦」 これは最近、小生がこちらのネットでの貴重な体験に基づいている。 実は小生、数日前まで3本の締切に追われていた。 にも、関わらず・・・平然とアクセスして「チャット病」なるものに感染し、ヤミクモにチャットを貪っていたのである。 そこへ新たな入会者なるIDの人物が、あらわれたのである。そして気安く「どうも」とメインメニューに入力したら、その人物は6番のチャットへ移動したのである。 これは良い機会と思い、小生もチャットへと移動した。 そして、数行にわたる互いの自己紹介を終えた時、小生の第6感に戦慄が走った。 誰あろう、その人物こそが、小生の宿敵、天敵、外敵である編集部の担当者だったのである。 しかし、ここで尻尾を出したら負けを認めなくてはならない。 どうせ、顔も見えないし、声だってわからない。こうなれば、バックれるほうが得策である。 そこで小生は・・・「人間違いでは?」と入力した。 すると担当者は「この期に及んで!T氏に聞いてネタはあがってるんだ!」と反論。 そして小生の脳裏には宿命のライバルのT野郎の不敵な笑みが思い出されたのである。 「しまった!ハメられた!」と察したが、時すでに遅しである。 小生が、締切を逃れてネットに明け暮れていることを、同業者のTが、卑怯にも編集部へ密告・暴露・チクッたのである。 憎むべきはライバルのT!こうなっては自業自得。ただひたすらにチャット上で言い訳を入力して、なんとか・・・窮地を逃れることができた。 運良く、他の会員の方がアクセスしていなかったので、恥をさらすことはなかったが、今、思い出すだけでも赤面してしまう。 このように、いくつかの詭弁について書いたが、あくまでも、これらは鍛えあげられた不良ライターたちだからこそ出来るワザであって、一般の学生諸氏には、決してマネしてほしくないものである。(いいね!あかねちゃん!わかってる?である) それでは次回の予告だが・・・ 題して、「フリーライターの甘美なる日々」 第4話「誰のが賢い?」である。