#116 Article 179 Posted at 1992/03/28 18:40:02 by RAVEN (MAP2299) []
Subject: この頃ストレス溜まっているの(^_^;)
この頃思うのだが・・・ TVアニメ製作の現実を見せ付けられ、少し気の滅入っている昨今、 ふと考えたりすることなのだが。 もうこの先、監督以下演出作画スタッフに至るまで、一丸となってある一点を 目差すような作品は、TVアニメの世界では作りえないのだろうか。 確かに、集団作業である以上、個々人の思惑が少なからず結果に影響を与えるのは 当然ではあるとしても、それが、これほどまでに負のベクトルとなって 現われてしまうのは、一体なぜであろうか。 ちょっとした枠組み、専門的な目から見れば児戲に等しいような、設定上の 決まりごとをすら、各人に把握してもらうのは、事ほど左様に難しい。 意思の疎通と、その統一は、集団創作の基本であり、初めの一歩である はずなのに、それ自体が一番の困難ででもあるのだ。 映画は個人の(真さに監督ひとりの)ものなのだと言った人がいたが、 確かにそれが一番具体的で、現実味のある解答であろう。 それは例えば監督でなくてもいいのだけれども、だれかが、あらゆる責任を 一手に引き受ける形で、創作のすべてを統括し掌握し、まさに力技たるべき 有無を言わせぬ独断でもって、スタッフを引っ張っていくこと。 他ならぬエゴイズムによって立つ人間こそが、アニメの歴史の中で、 素晴らしい創造をなしえてきたと主張するとしても、あながち間違いとばかりは 言えないように思う。(ただそれは過酷な、本当に過酷な作業なのだけれど) だが。 そうではないのだと。 むしろ、スタッフのすべてが等しく向上し、アイデアと熱意に満ちた人材たること こそが、真に求められる状況改善なのだ、という論が、より正当であることは、 言うまでもないのだ。 それは確かに理想だ。 しかし、空論ででもある。 あるいは日々の生活そのものがどうしようもなく現実であるごとく、 創作の現場においても、金と、時間の、二つの巨大な欠乏は、 容赦なく、それに携わる人間達をスポイルしてゆくのだ。 漫画しか読んでいないような人間にロクな漫画が描けないのと同様、 アニメしか見ていないような人間に、ロクなアニメが作れるはずもない。 ましてや、そのアニメすら見ていないという、その中から、 いったい何が産み出されうるというのか。 それは本当に創作と呼べるようなものなのだろうか。 それは悲しい。 言っておくが、これは批判ではない。 何故なら、実際に批判されるべきは、スタッフではなく、営々といとなまれてきた アニメーション業界の中で「何ひとつ培われてこなかったことそのもの」である からだ。 作り続けることに意味はない。 だが、今の一作をつくるために、本来成し遂げられてこなければならなっかたことが、 たくさんあったのではないのだろうか。 それは、今となっては奇麗さっぱり忘れ去られているけども、 そういう謂わば、粘り腰による地道な下地作り無くして、本当に集団作業において 魂のこもった作品を産み出しうるのだろうか。 そういう疑問を、僕はずっと持ち続けている。 答えは、まだ無い。 結城 二十六