#110 Article 2206 Posted at 1995/05/02 15:08:23 by さかはし (MAP1086) [SVHS]
Subject: Re:*11 ビデオデッキ買いに行きます /2201 .... /2141 /2135
>> 所詮民生では8ビット程度のAD/DAをつむのが精一杯でしょうから、分解能(解像度
>>あらず)不足で微妙な信号はみな潰れてしまうでしょうね。それを元に動き検出だの
>>フレーム相関をとってノイズキャンセルだのをするんでは、満足な画質は得られない
>>と思っちゃいます。
> しかし、業務用でも量子化は8ビット程度なので(業務用との比較はやった
> ことないんですが)フィルターやノイズ対策をしっかりすれば8ビットでも
> それなりの性能は確保できるのではないかと思うのですが。
民生機器がデジタルプロセスになる時、おろそかにされやすいのは
○A/D・D/Aの前処理・後処理回路の特性
○A/D・D/Aコンバータの無調整化
○内部での相互干渉による自家中毒(^_^;)
あたりに大別されるでしょうか。
始めは、ケチれば絶大なコスト圧縮が出来ますね。
例えば、アンチエイリアスフィルタ、放送機器や電子計測機器だと10次以上のフィ
ルタ+位相補正(等価器)なんてのも当たり前に使うけど、民生機ならば5次ほど
の安物ブロックフィルタでおしまい、とか。電源も、最近はデジタル系の洗礼(笑)
を受けて、単一+5V電源動作。それでもそれなりの画質が出るようになったのは
回路技術の進歩が大きいですね。
デジタルではないけれど、ベータの画質がしっかりしていた一因には、信号処理回
路の電源電圧が12Vだったり、最近まで9V動作だったりしたのもあるかもしれ
ません。それだけ、信号処理時の振幅に余裕が出ますから。
A/D・D/Aコンバータの無調整化は、半導体工場からの問題ですし、チップト
リミングもテキトーあるからこそ、ローコストで変換レートが数十MS/sも取れ
る石が出来るわけで、これもある程度は仕方ないでしょう。特に、映像信号で使う
高速A/Dは全並列動作だから、外から手出し出来るのはせいぜい基準電圧精度を
上げるとか、電源をキレイにするとか・・・。コンバータそのものを良いものに変
えれば良いのでしょうけど、民生機器でそれをやるのは特に記録再生系では無駄か
もしれません。オーバーオールで見た時、コスト面で一点豪華主義はもったいない、
ということもありますし。豪華に超した事はないけれど、それがマスプロ製品の民
生機器では許されませんから・・。もちろん、趣味でやる人を止めはしません(笑)
内部での自家中毒は、サンプリングクロックに回り込んで、ジラジラとしたノイズ
を起こしたり、どっからか紛れ込んで折り返し成分が出て、ゆっくりと動くノイズ
成分が画面へうっすらと乗ったり。外へノイズを出さなければいい、ってもんでも
ないのが難しいところです。それでも、最近はこんなノイズが盛大に出る製品は低
消費電力化と設計技術が進んだためか減って来ていますけど・・・。
> しかし、一部デジタルプロセスカメラなんかで10ビットが出てるみたい
> ですから今後の動きは気になるところですが。
D-1やD-2では量子化数8ビットでしたが、新しい(と言っても数年前だが)
規格では10ビット前提ですね。8ビットだと、コンポジットでの有効ビット数は
同期信号と全白+αのマージンを取った後は減ります。8ビット記録でも、10ビ
ットA/Dコンバータの特性のきれいな、真ん中だけ使ってA/D変換する方法も
あります。ちなみに、この手のデジタルVCRのオーディオトラックは20ビット
の器を持っていますね。
最近日立電子が発表しているデジタルプロセスカメラだと、内部処理をオーバーフ
ローを考慮して13ビットと、具体的に数字を挙げているものもあります。フルデ
ジタルのスイッチャーだと、「16ビット」内部処理を売り文句にしているものも
以前はありましたっけ(笑)演算する信号のチャネル数が増えれば演算長を長く取ら
ないといけないのは、ちょっと考えればわかることなので、大きな売り文句にする
のは恥ずかしいことかもしれません(^_^;)
話しついでに言えば、流行りの「マルチメディア」機器でもっともおろそかにされ
ているのは、今挙げたことではないでしょうか。ロジックICの発するノイズまみ
れで、広い帯域のオシロで見れば倒れそうな汚い電源のCPUバスから供給を受け
ている限り、いくらオーディオが16ビットサンプリングだろうと、映像がコンポ
ーネント入力だろうと、生半可な事で品位が向上するとは思えません。ISAバス
にささるMPEGエンコーダなんていうのもありますが、汚い絵が出てくるのも仕
方ないと。
さかはしりゅうじん/MAP1086